監理団体の選び方の基本は、
①許可・処分の状況、②許可区分(一般/特定)、③費用と内訳、④受け入れ実績、⑤母国語相談・生活支援、⑥監査・訪問指導の実効性、⑦緊急時の対応、⑧担当者の専門性と育成就労への準備状況
上記の8点を確認することです。費用の安さだけでなく、監査と母国語支援が実際に機能しているかを重視してください。
監理団体とは、事業協同組合や商工会などの非営利法人で、主務大臣の許可を受けて技能実習生の受け入れを支援・監理する組織です。
2027年4月1日に育成就労制度が施行され、監理団体は「監理支援機関」としての新たな許可が必要になるため、今から選ぶ場合は新制度への準備状況も確認しましょう。
本記事では、8つのチェックポイント、費用相場、契約前の質問リスト、育成就労への対応、団体変更の手続きまでを解説します。
※本記事は2026年9月時点の公表情報に基づいています。
- 監理団体の役割と、失敗しないための8つの選び方(チェックポイント)
- 監理費用の相場と、極端に安い団体で起こりやすいトラブル
- 契約前に投げかけたい質問リストと、契約書で確認したい項目
- 2027年4月施行の育成就労制度で、団体選びの基準がどう変わるか
- いまの団体に不満がある場合の変更(リプレイス)の進め方
1.監理団体の選び方|8つのチェックポイント一覧

詳しい解説の前に、全体像を一覧で確認しましょう。面談や比較検討の際のチェックシートとしてもお使いください。
| No. | チェック項目 | 見るべきポイント | 主な確認方法 |
|---|---|---|---|
| 1 | 許可・処分の状況 | 主務大臣の許可を受けているか。改善命令・許可取消しなどの公表がないか | 外国人技能実習機構の「監理団体検索」、公表情報 |
| 2 | 許可区分(一般/特定) | 3号(4〜5年目)まで見据えるか、受入人数を増やしたいか | 許可証、団体への確認 |
| 3 | 費用と内訳の透明性 | 相場との差、内訳、追加費用の有無 | 見積書、契約書 |
| 4 | 受け入れ実績・送出機関との連携 | 希望する国籍・職種での実績、送出機関の選定・管理の方法 | 実績数の開示、面談 |
| 5 | 母国語相談・生活支援体制 | 相談員の人数・雇用形態・対応可能な時間帯 | 面談での質問 |
| 6 | 監査・訪問指導の実効性 | 形式的な巡回でなく、法令に沿った是正指導があるか | 監査報告書の様式・サンプル |
| 7 | 緊急時の対応力 | 夜間・休日の連絡体制、失踪・事故時の初動 | 対応フロー、過去の対応事例 |
| 8 | 担当者の専門性と育成就労への準備 | 質問への回答が具体的か。新制度の許可申請・体制整備は進んでいるか | 初回面談 |
2.そもそも監理団体とは?役割と許可区分
監理団体とは、営利を目的としない事業協同組合や商工会などの法人で、主務大臣(法務大臣・厚生労働大臣)の許可を受けて、技能実習生の受け入れを支援・監理する組織です。
実習生の募集・選考の調整、入国後講習の実施、受入企業への定期的な監査と指導、実習生の相談対応など、受け入れ全体の実務を担います。
団体監理型と企業単独型の違い
技能実習の受け入れ方式には「団体監理型」と「企業単独型」があります。
| 項目 | 団体監理型 | 企業単独型 |
|---|---|---|
| 概要 | 非営利の監理団体が間に入り、受入企業を支援する方式 | 日本の企業が、海外の現地法人や取引先の職員を直接受け入れる方式 |
| 利用の実態 | 受け入れ企業の大半が利用する主流の方式 | 海外拠点を持つ大企業が中心 |
| 企業の負担 | 監理費が発生するが、書類作成や申請、実習生の支援の多くを任せられる | 申請・法的義務・生活支援のすべてを自社で行う |
自社単独で送出機関と連携し、出入国手続きや労務管理まで行うハードルは高いため、多くの企業は団体監理型を選んでいます。
一般監理事業と特定監理事業の違い
監理団体の許可には「一般監理事業」と「特定監理事業」の2区分があります。
- 一般監理事業:
実績やコンプライアンスの評価基準(150点満点中90点以上)を満たした団体が受けられる許可です。技能実習1号から3号まで(最長5年)の監理ができます。 - 特定監理事業:
技能実習1号・2号(最長3年)の監理のみ行える許可です。3号への移行は扱えません。
3号技能実習は、監理団体が一般監理事業の許可を受けているだけでなく、受入企業側も優良な実習実施者であることが条件です。
「長く働いてもらいたい」という場合は、団体の許可区分と自社の要件の両方を確認しましょう。
▼あわせて読みたい
技能実習と特定技能は、目的や受け入れ要件、在留期間などが大きく異なります。各制度の仕組みやメリットを比較して、自社に最適な人材採用ルートを判断したい方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
3.監理団体の選び方|失敗しない8つのチェックポイント

1. 許可・処分の状況を公的情報で確認する
監理団体は、外国人技能実習機構(OTIT)の調査を経て、主務大臣の許可を受けて事業を行います。
まず、検討中の団体が有効な許可を持っているか、許可区分は何かを、機構の「監理団体検索」で確認しましょう。
あわせて、改善命令や許可取消しなどの行政処分に関する公表情報がないかも確認します。団体のホームページの記載だけで判断せず、公的な情報で裏を取ることが基本です。
2. 許可区分と優良性(一般監理事業)を確認する
一般監理事業の許可を受けている団体は、次の5項目で構成される評価基準(150点満点の6割以上)に適合した実績があります。
- 実習の監査などを行う体制(50点):
監理事業に関わる常勤職員と受入企業数の比率、監査マニュアルの整備など - 技能等の習得に関する実績(40点):
技能検定の合格率など - 法令違反・問題の発生状況(最大5点。改善命令や失踪があると大幅に減点)
- 相談・支援体制(45点):
母国語相談の体制、実習が困難になった実習生の受け入れ協力など - 地域社会との共生(10点):
日本語学習の支援など
長期の活用や受入人数の拡大を考えるなら、現行制度では一般監理事業の許可を持つ監理団体は有力な判断材料です。
ただし、2027年施行の育成就労制度では監理支援機関へ移行し、優良機関の認定基準や許可基準が見直されるため、一般監理事業の許可だけで将来の優位性を判断することはできません。
3. 監理費用の相場と内訳が透明か
見積もりが相場の範囲内か、内訳(入会金、講習の手配費、月額監理費、更新手続き費など)が細かく開示されているかを確認します。
「月額監理費1万円」のように極端に低い場合は、必要な監査や支援の人員が確保できていない可能性があります。詳しくは後述の「監理費用の相場」をご覧ください。
4. 希望の国籍・職種での実績と、送出機関との連携力
自社が受け入れたい職種(製造、建設、食品、介護など)や国籍(ベトナム、インドネシア、フィリピンなど)での実績が豊富かを確認します。
職種に詳しい団体は、実習計画の作成や技能評価試験の準備でつまずきにくく、手続きの遅れも防げます。
また、送出機関をどう選び、どう管理しているか(不当な手数料や保証金を課していないかの確認方法など)も重要な判断材料です。
5. 母国語相談・生活支援の体制(人数・雇用形態・対応時間)
実習生の相談に母国語で対応できる職員が、何名、どのような雇用形態で、どの時間帯に対応しているかを確認しましょう。
雇用形態そのものが選定基準になるわけではありませんが、実務上は、常勤の職員が担当している団体のほうが、トラブル時に連絡がつきやすく、継続的に実習生の状況を把握できる傾向にあります。
非常勤の通訳に頼っている場合は、緊急時の連絡手段と対応時間を具体的に確認してください。
6. 監査・訪問指導が「形だけ」になっていないか
監理団体は、受入企業に対して3か月に1回以上の定期監査を行う義務があります。疑いがある場合には臨時の監査も行います。
また、入国初年度の第1号技能実習生については、監査とは別に、原則として月1回以上の訪問指導を行う必要があります。
回数を満たしているかだけでなく、次の点を見極めましょう。
- 労働時間、賃金台帳、残業代の計算、安全衛生、作業内容が実習計画どおりか、などを実際に確認しているか
- 問題が見つかったとき、書面で指摘し、改善までフォローしてくれるか
- 監査報告書のサンプルを見せてもらえるか
7. トラブル・失踪発生時の緊急対応力
病気、ケガ、近隣との生活トラブル、ホームシックなど、現場では不測の事態が起こります。
夜間・休日でも連絡がつく体制か、多言語で対応できる窓口があるか、失踪や事故が起きた際の初動の流れが決まっているかを確認してください。
過去の対応事例を具体的に説明できる団体は、体制が実際に運用されている可能性が高いといえます。
▼あわせて読みたい
技能実習生の受け入れでは、コミュニケーション不足や失踪などトラブルへの対策が欠かせません。現場で起こりやすい問題と企業が取るべき具体策を把握し、リスクを未然に防ぐためのノウハウを詳しく解説します。
8. 担当者の専門知識と、育成就労への準備状況
初回面談での説明の具体性と、質問へのレスポンスの速さは、契約後の対応を映す鏡です。外国人雇用の制度や労働法に通じ、自社の課題に沿った提案をしてくれるかを見ましょう。
あわせて、2027年4月の育成就労制度に向けて、監理支援機関の許可申請や外部監査人の確保などの準備がどこまで進んでいるかも確認してください。
4.監理費用の相場と、安さだけで選ぶリスク

監理団体に支払う費用は、外国人技能実習機構(OTIT)の調査で、初期費用、定期費用(毎月)、不定期費用の3つに分類されています。
このほか、監理団体への入会費・年会費が、受入企業1者あたりでかかる場合があります。
次の表は、機構が監理団体を対象に実施したアンケート調査(令和3年9〜10月、有効回答631団体)の結果です。
実習生1名を受け入れる場合の一般的な徴収額について、団体が回答した平均値と中央値をまとめました。
| 費用の種類 | 平均値(中央値) | 主な内容 |
|---|---|---|
| 初期費用(1名あたり) | 約34.1万円(約33.4万円) | 入国前後の講習費と講習手当、募集・選抜の費用、健康診断など |
| 定期費用・1号(月額、1名あたり) | 約3.06万円(3.0万円) | 監査・訪問指導の費用、送出機関に支払う費用、実習監理に要する費用など |
| 定期費用・2号(月額、1名あたり) | 約2.91万円(3.0万円) | 同上 |
| 定期費用・3号(月額、1名あたり) | 約2.40万円(2.6万円) | 同上 |
| 不定期費用(1名あたり) | 約15.5万円(約14.5万円) | 一時帰国や帰国のための渡航費、技能検定料など、費用が発生するたびに徴収されるもの |
| 入会費(受入企業1者あたり) | 約6.8万円 | 監理団体への加入時に徴収している団体の平均 |
| 年会費(受入企業1者あたり) | 約9.3万円 | 毎年徴収している団体の平均 |
出典:外国人技能実習機構「監理団体が実習実施者から徴収する監理費等に関するアンケート調査の結果について」
内訳を見ると、初期費用では入国後講習の費用(約22%)、募集・選抜の費用(約21%)、入国後講習の手当(約17%)が大きな割合を占めます。
定期費用では、監査・訪問指導の費用が約47〜48%、送出機関に支払う費用が約23%です。
なお、この調査は2021年に実施された技能実習制度のデータで、回答したのは令和元年度に実習監理の実績があり、その後に行政処分を受けていない団体です(有効回答率は約32%)。
現在の見積もりや、育成就労制度での監理支援費とは異なる可能性があるため、「見積書を見るときのものさし」として使ってください。
3年間で支払う総額の目安
1名を3年間(1号1年+2号2年)受け入れる場合、平均値で試算すると次のようになります。
- 初期費用:約34.1万円
- 1号の定期費用:約3.06万円×12か月=約36.7万円
- 2号の定期費用:約2.91万円×24か月=約69.8万円
- 不定期費用:約15.5万円
合計は約156万円です。これに加えて、入会費・年会費が別にかかる場合があります。
給与、社会保険料、住居関連費なども別途必要です。見積もりがこの水準から大きく外れる場合は、理由を確認しましょう。
許可区分による費用の差は小さい
同じ調査では、一般監理事業の団体と特定監理事業の団体の費用差は、大きくありませんでした。
初期費用の平均は一般が約33.9万円、特定が約34.5万円、1号の月額は一般が約3.07万円、特定が約3.03万円です。
「一般監理の許可を持つ団体だから高い」とは限らないため、許可区分は費用ではなく、受け入れたい期間や人数に合わせて選びましょう。
極端に安い団体で起こりやすいこと
他社の半額のような価格を打ち出す団体では、コスト削減のしわ寄せが、専門スタッフの削減、訪問・監査の簡略化、通訳体制の縮小といった形で現れることがあります。
監査や指導が十分でないと、長時間労働や残業代の計算ミスなど、労働基準関係法令の違反が見過ごされやすくなります。
労働基準監督署の是正勧告を受けるのは、事業主である受入企業です。実習計画と異なる作業をさせていた場合は、計画認定の取消しなどの対象にもなり得ます。監理費の差額と、こうしたリスクを比べて判断しましょう。
5.契約前に確認したい質問リストと契約書のポイント

初回面談で投げかけたい質問を以下にまとめました。
- 「母国語で対応できる相談スタッフは何名で、どの時間帯に対応できますか?」
- 「定期監査や訪問指導では、具体的にどのような確認と是正指導をしていますか? 報告書のサンプルは見られますか?」
- 「過去に受入企業で失踪や事故があった際、どのような初期対応をしましたか?」
- 「送出機関に、実習生本人から保証金や違約金を取らせない、不当な手数料を求めさせないための対策はありますか?」
- 「2027年4月の育成就労制度に向けて、監理支援機関の許可申請や外部監査人の確保はどこまで進んでいますか?」
技能実習法では、実習生本人から保証金を徴収したり、違約金を定める契約を結んだりすることが禁じられています。
この点に具体的に答えられない団体は避けたほうが無難です。回答が曖昧だったり、精神論だけで仕組みや実績を示せなかったりする場合も同様です。
契約書・見積書で確認したい項目
- 監理費の内訳と支払時期(初期費用と月額に何が含まれるか)
- 途中解約や団体変更のときの清算・返金の扱い
- 実習生が帰国・失踪・転籍した場合の費用の扱い
- 育成就労制度への移行時に、契約内容や費用を見直す条項があるか
- 損害賠償や違約金に関する規定の内容
6.【2027年4月施行】育成就労制度で監理団体の選び方はどう変わる?

技能実習制度に代わる新制度「育成就労」は、2027年4月1日に施行されます。施行に合わせて技能実習制度は廃止され、監理団体は「監理支援機関」という新しい許可制度に切り替わります。
ここでは、団体選びに直結するポイントに絞って整理します。
なお、細かな運用は今後も更新されるため、最新情報は入管庁・外国人技能実習機構の公式ページで確認してください。
先に押さえたい3つのポイント
- 施行日は2027年4月1日。技能実習は、経過措置の対象者を除き新規の受け入れができなくなる
- 監理団体が自動的に監理支援機関になるわけではなく、新たな許可が必要
- 本人の意向による転籍が一定の要件のもとで認められ、受入企業には「選ばれる職場づくり」が求められる
施行までのスケジュールと、技能実習の経過措置
技能実習と育成就労の切り替えには経過措置があります。
施行日(2027年4月1日)より前に認定を受けた技能実習計画に基づいて、施行日時点で実習をしている人は、施行日以降も「技能実習」の在留資格のまま実習を続けられます。
また、2027年3月31日までに技能実習計画の認定を申請し、原則として2027年6月30日までに実習を開始する人も、技能実習として受け入れることができます。
これらに当てはまらない場合、技能実習生として新たに入国することはできません。
| 時期 | 主な内容 |
|---|---|
| 2026年4月15日〜 | 監理支援機関の許可について、施行日前の申請の受付が開始(機構の案内による) |
| 2026年9月30日 | 施行後早期に監理支援事業を始めたい団体への、申請の目安日(機構の案内による。許可を確約するものではない) |
| 2027年3月31日まで | 経過措置の対象となる技能実習計画の認定申請の期限 |
| 2027年4月1日 | 育成就労制度の施行。施行日以降は、技能実習計画の認定申請はできない |
| 2027年6月30日 | 経過措置により、技能実習を開始できる期限(原則) |
「今から技能実習で受け入れるか、育成就労を待つか」は、企業ごとに答えが変わります。
実習生がすでに来日している、計画の認定申請を済ませているなど、自社が経過措置のどこに当たるかを、団体または機構に必ず確認しましょう。
監理団体から「監理支援機関」へ|何が変わるか
監理支援機関も、監理団体と同様に主務大臣の許可を受けて、実習先とのマッチング、受入企業への監理・指導、外国人本人の支援・保護を行います。
そのうえで、新制度では許可の要件が厳しくなります。
- 外部監査人の設置(中立性・透明性の確保)
- 監理支援責任者の選任
- 受入企業と密接な関係にある役職員を、その企業への監理業務に関わらせないこと
- 事業を遂行する能力や財政基盤の確認
現在の監理団体が自動的に移行するわけではなく、新たに許可を取る必要があります。
新制度のもとで長く付き合う団体を探すなら、許可申請を進めているか、外部監査人を確保しているかを、契約前に聞いておくと安心です。
また、優良な監理支援機関の認定は、制度施行後の一定期間の業務実績に基づいて評価される見込みです。制度の開始時点では、優良な監理支援機関はまだ存在しません。
そのため当面は、現行の一般監理事業の実績や、体制の実態(監査・母国語相談・緊急対応)を自分の目で確かめて判断することが重要です。
▼あわせて読みたい
2027年4月にスタートする育成就労制度について、こちらの記事では技能実習との具体的な違いや企業側が今から進めるべき準備ポイントを分かりやすくまとめています。新制度への移行をスムーズに進めるために、ぜひお役立てください。
本人意向の転籍|団体選びと定着支援への影響
育成就労では、やむを得ない事情がある場合に加えて、外国人本人の意向による転籍も認められます。主な要件は次のとおりです。
- 分野ごとに定められた転籍制限期間(1年以上2年以下)が経過していること
- 技能検定基礎級(または相当する試験)と、分野ごとに定められた水準の日本語試験に合格していること
- 転籍先が、要件を満たす受入れ機関であること
- 仲介は、監理支援機関、外国人育成就労機構、ハローワーク等に限られ、民間の職業紹介事業者は使えないこと
転籍制限期間が1年を超える分野でも、受入企業の判断で1年に短縮できます。1年を超える期間を選ぶ場合は、昇給などの待遇向上の措置を講じる必要があります。
また、転籍の申出があったとき、監理支援機関は関係機関との連絡調整を担います。
これからは、実習生を引き留める管理ではなく、「ここで働き続けたい」と思ってもらえる環境づくりが欠かせません。
面談や日本語学習の支援、キャリア形成の伴走まで具体的に提案できる団体を選びましょう。
▼あわせて読みたい
特定技能外国人を受け入れる際、監理団体と同様に重要となるのが「登録支援機関」の存在です。支援委託時の役割や費用相場、信頼できる機関の選び方を整理していますので、制度の活用にあわせてご覧ください。
日本語要件は3段階|教育支援の体制も確認を
育成就労では、日本語能力の目安が3つの段階で設けられています。
- 就労開始まで:
日本語能力A1相当以上の試験(日本語能力試験N5など)に合格する、または相当する日本語講習を受講する - 就労開始後1年経過時:
A1相当以上の試験と、技能検定基礎級等を受験させる - 育成就労の終了時:
A2相当(日本語能力試験N4など)以上の合格が目標。特定技能1号への移行に必要な水準でもある
分野によっては、より高い水準が求められる場合があります。日本語教育の機会をどう確保し、費用や時間をどう調整するかは、受入企業にとって新たな負担になり得ます。
団体が日本語学習をどこまで支援できるかも、選定の基準に加えましょう。
育成就労を見据えて、今の団体選びで確認したいこと
新制度対応のチェックリスト
- 監理支援機関の許可申請の予定・状況(申請済みか、いつ許可見込みか)
- 外部監査人の確保状況と、団体との独立性
- 自社の職種・作業が、育成就労の対象分野・業務区分に含まれるか(現行の職種がそのまま対応するとは限りません)
- 技能実習から育成就労に切り替える際の契約・費用の考え方
- 日本語教育の支援、転籍の申出があったときの対応、定着支援の具体策
7.現在の監理団体に不満がある場合|団体の変更(リプレイス)

「対応が悪くトラブルが解決しない」といった場合、実習の途中でも監理団体を変更できます。ただし、関係者の合意と手続きが必要なため、順序立てて進めることが大切です。
- 現在の監理団体:
契約の解除について協議する(契約書の解約条項や清算の扱いを事前に確認) - 新しい監理団体:
受け入れの契約を結ぶ - 送出機関:
新しい監理団体との関係について同意を得る - 技能実習生本人:
変更の理由や内容を説明し、理解・同意を得る - 外国人技能実習機構:
技能実習計画に関わる届出・申請が必要になる場合があるため、事前に機構または新しい団体へ確認する
まずは、別の実績ある団体にセカンドオピニオンとして相談し、移行手続きのサポートを受けながら進めるとスムーズです。
2027年4月の施行をまたぐ変更は、経過措置との関係で取り扱いが変わる場合があるため、時期も含めて機構に確認してください。
8.監理団体の選び方に関するよくある質問(FAQ)

-
監理団体はどうやって探せばよいですか?
-
外国人技能実習機構の「監理団体検索」で、許可の有無や許可区分を確認できます。まず検索で候補を絞り、2〜3団体から見積書と監査報告書のサンプルを取り寄せて比較しましょう。費用だけでなく、母国語相談の体制や緊急時の対応も、面談で具体的に確認するのがおすすめです。
-
監理費用の相場はいくらですか?
-
外国人技能実習機構が監理団体に実施したアンケート調査(令和3年実施)の平均値では、実習生1名あたり、初期費用が約34.1万円、月額の定期費用が約3.0万円(1号約3.06万円、2号約2.91万円)、不定期費用が約15.5万円でした。1号1年+2号2年で受け入れる場合の総額は、平均値で試算すると約156万円です。調査は2021年のもので、実際の金額は団体によって異なるため、内訳を見積書で確認してください。
-
一般監理事業と特定監理事業は、どちらを選ぶべきですか?
-
3号(4〜5年目)まで実習生に活躍してもらいたい場合や、受入人数を増やしたい場合は、一般監理事業の許可を持つ団体が向いています。特定監理事業は1号・2号(最長3年)のみが対象です。なお、3号は受入企業側も優良な実習実施者であることが条件になります。
-
育成就労制度が始まると、今の監理団体はどうなりますか?
-
育成就労制度は2027年4月1日に施行されます。監理団体が自動的に移行するわけではなく、「監理支援機関」としての新たな許可が必要です。今から契約する場合は、許可申請の状況や外部監査人の確保状況を確認し、制度移行時に契約や費用を見直せるかも契約書でチェックしましょう。
9.まとめ|監理団体は「安さ」ではなく「伴走力」で選ぶ
監理団体選びは、手続きの委託先を探す作業ではなく、企業のコンプライアンスを守り、外国人材が安心して働ける環境を共につくる伴走パートナー選びです。
許可・処分の状況、費用の内訳、母国語支援、監査の実効性、緊急時の対応など8つのポイントを、面談の質問リストと契約書の確認項目で一つずつ確かめましょう。
とくに2027年4月に育成就労制度が施行されるため、監理支援機関の許可申請や外部監査人の確保が進んでいるか、転籍や日本語教育を見据えた定着支援ができるかも欠かせません。
月額費用の安さだけで決めず、複数の団体を比較したうえで、自社の現場に親身に寄り添ってくれる一社を選んでください。