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入管法改正の要点2025年版|企業が知るべき外国人雇用の対応策

2025年4月1日から施行された特定技能省令改正により、外国人材を雇用する企業には地方自治体との連携義務化など重要な変更が加わりました。

協力確認書の提出、共生施策への参加、届出制度の変更など、企業が対応すべき事項は多岐にわたります。

本記事では、最新の改正内容から具体的な実務対応策まで、人事担当者が今すぐ知るべき情報を網羅的に解説します。

この記事を読んでわかること
  • 2025年特定技能省令改正の7つの重要ポイントと企業への具体的影響
  • 協力確認書の提出方法と地方自治体連携の実務対応3ステップ
  • 登録支援機関の活用判断基準と改正対応における選定ポイント

1.入管法改正の背景と今回の改正の全体像

入管法改正の背景と今回の改正の全体像

2025年4月の特定技能省令改正は、単なる制度変更にとどまらず、外国人材受け入れの根本的な方向転換を意味します。

人口減少と深刻な人手不足を背景に、これまでの労働力確保から地域共生社会の実現へとパラダイムシフトが起きているのです。改正の全体像を理解することで、企業の対応戦略が明確になります。

人手不足と人口減少の影響

日本の生産年齢人口(15歳以上65歳未満)は2000年をピークに減少を続けており、総務省の調査によると2015年の7,592万人から2030年には6,773万人、2060年には4,418万人まで減少すると推計されています。

人手不足と人口減少の影響

参考:内閣府 未来への選択

この20年間で約1,000万人の労働力が失われており、特に建設業、農業、介護、製造業などの分野で深刻な人手不足が顕在化しています。

このような状況を受け、政府は外国人材の受け入れを段階的に拡大する方針を打ち出しました。

従来の「専門的・技術的分野に限定」という方針から転換し、単純労働を含む幅広い分野での外国人受け入れを可能とする制度改正が進められています。

これまでの入管法・省令の流れ

2019年の特定技能制度創設から2024年の育成就労制度導入決定まで、段階的に進化してきた外国人材受け入れ政策の変遷を時系列で整理します。

過去の改正との関連性を理解することで、今回の改正の意義が明確になります。

改正時期改正された制度内容
2019年4月特定技能制度の創設在留資格「特定技能」が新設され、14の特定産業分野で外国人材の受け入れが開始されました。技能実習生からの移行ルートも確立され、外国人材の長期雇用が可能となりました。
2023年6月難民認定制度の見直し 3回目以降の難民認定申請者への送還停止効に例外を設ける改正が成立。収容の長期化問題への対応として監理措置制度も創設されました。
2024年6月育成就労制度の導入決定問題の多かった技能実習制度を廃止し、人材育成と人手不足解消を両立する「育成就労」制度の創設が決定しました。また、特定技能2号の対象分野拡大や永住許可制度の適正化も盛り込まれました。
2025年4月特定技能省令改正地方自治体との連携義務化を核とした省令改正が施行され、協力確認書の提出や共生施策への参加が企業に義務付けられました。

今回の入管法改正の全体的な方向性

今回の入管法改正の全体的な方向性

2025年の省令改正は、「共生社会の実現」「制度の適正化」「手続きのデジタル化」の3つを柱としています。

共生社会の実現

地方自治体との連携義務化:協力確認書提出により企業と自治体の協力体制を制度化

共生施策への参加促進:日本語教室、防災講座等への外国人材参加を企業が支援

地域密着型支援の強化:企業独自の支援から地域全体での支援体制へ転換

制度の適正化

定期届出の統合:四半期ごとの報告を年1回に簡素化し、企業負担を軽減

随時届出の新設:未就労、滞納、離職等の重要事象を迅速に把握する仕組み構築

永住許可制度の厳格化:税金・社会保険未納を明確な取消事由として明文化

手続きのデジタル化

在留資格申請書の様式変更:地方自治体協力に関する記載項目を新設

電子申請の拡充:オンライン手続きの対象範囲拡大により利便性向上

記録管理のデジタル対応:支援実施記録の電子化推進で効率的な管理体制構築

これらの改正により、単なる労働力確保から、外国人材との長期的なパートナーシップ構築へと企業の姿勢転換が求められています。

入管のオンライン申請のやり方に関しては、こちらの記事でご紹介しています。

入管オンライン申請の完全ガイド|準備から申請まで5ステップで徹底解説
入管オンライン申請完全ガイド|準備から申請まで徹底解説
この記事では、入管オンライン申請の準備から申請までの流れを5ステップで解説します。
https://back-end.co.jp/media/contents/immigration-control-online/

2入管法改正企業に影響する7つポイント

入管法改正が企業に影響する7つポイント

2025年の入管法改正は、外国人材を雇用する企業の実務に直接的な影響を与える重要な変更が含まれています。

地方自治体との連携義務化から届出制度の変更まで、企業が対応すべき7つのポイントを具体的に解説します。各項目の理解と適切な対応が、今後の外国人雇用継続の鍵とななるでしょう。

地方自治体との連携義務と「協力確認書」

2025年4月から、特定技能外国人を雇用する企業は、外国人の居住地および就労先の市区町村に「協力確認書」を提出することが義務化されました。

これは、企業が自治体の外国人共生施策に協力する意思と体制があることを確認する重要な書類です。

協力確認書には、企業が参加予定の共生施策(日本語教室、防災訓練、地域イベントなど)や、外国人材への支援内容を具体的に記載する必要があります。

自治体によって様式や提出時期が異なるため、事前に担当窓口(国際交流課、地域振興課など)への確認が不可欠です。

また、地方自治体から外国人支援に関する協力要請があった場合、企業は積極的に対応する義務も新設されました。これにより、企業の社会的責任がより明確化されています。

参考元:出入国在留管理庁 特定技能制度における地域の共生施策に関する連携

特定技能省令改正による支援義務の強化

省令改正により、特定技能外国人への支援義務が従来よりも具体化・強化されました。

企業は自治体の共生施策と連携した支援計画を策定し、その実施状況を詳細に記録・報告することが求められています。

具体的には、既存の10項目の義務的支援(生活オリエンテーション、住居確保支援、日本語学習支援など)に加え、地域の共生施策への参加促進や、自治体が実施する日本語教室・防災講座への案内・参加支援が新たに加わりました。

支援の質を担保するため、3ヶ月に1回以上の定期面談実施や、支援実施記録の詳細な保存も継続して求められています。これらの記録は年次報告の際の重要な証拠資料となります。

参考:出入国在留管理庁 令和7年4月1日施行の省令改正について

育成就労制度導入との関係

2024年に導入が決定した育成就労制度は、従来の技能実習制度を抜本的に見直し、人材育成と人手不足解消を両立する新制度です。

育成就労修了者は、技能実習生と同様に特定技能1号へ試験免除で移行可能です。ただし、育成就労では転籍制限が緩和されるため、優秀な人材の確保競争が激化することが予想されます。

企業は育成就労段階から長期雇用を見据えた処遇改善や職場環境整備が重要となります。

なお、育成就労制度の施行は2027年頃を予定しており、それまでは技能実習制度が継続されます。

参考元:厚生労働省 育成就労制度の概要

特定技能2号の対象拡大

2024年の改正により、特定技能2号の対象分野が大幅に拡大されました。従来の建設・造船分野に加え、11分野が新たに追加されています。

特定技能2号の対象拡大

特定技能2号では在留期間の上限撤廃家族帯同の許可永住申請への道筋確保など、1号と比べて大幅に優遇された処遇が提供されます。

これにより、企業は優秀な外国人材の長期確保が可能となる一方、2号移行のための技能水準確保や処遇改善への投資が求められます。

2号移行には分野別の技能検定試験合格が必要で、企業には計画的な人材育成とキャリアパス設計が重要となっています。

参考元:出入国在留管理庁 特定技能2号の対象分野の追加について(令和5年6月9日閣議決定)

定期・随時届出の変更

定期届出制度が大幅に簡素化され、従来の四半期ごとの報告から年1回の統合報告に変更されました。

支援状況報告と活動状況報告を分けて提出する必要もなくなり、企業の事務負担が軽減されています。

一方で、随時届出に新たなルールが追加されました。在留資格許可から1ヶ月経過しても就労開始に至らない場合、何らかの事情で1ヶ月間活動できない場合、税金や社会保険料の滞納が発生した場合などは、速やかに入管庁への届出が必要です。

また、自殺的離職(パワハラ等による離職)が発生した場合の緊急報告義務も新設され、企業の労働環境管理に対する責任がより明確化されています。

参考元:出入国在留管理庁 特定技能制度における運用改善について

永住許可制度の厳格化

永住許可制度の適正化により、新たに3つの取消事由が追加されました。

「入管法上の義務違反」「公租公課の支払い義務不履行」「特定の刑罰法令違反」が該当し、これらに該当する永住者は在留資格取消の対象となります。

特に注目すべきは「公租公課の支払い義務不履行」で、税金や社会保険料の未納が永住権取消の直接的理由となることが明文化されました。

企業は外国人従業員の適切な税務・社会保険手続きを徹底する責任があり、未納が発覚した場合の迅速な対応体制構築が求められています。

ただし、特段の事情がない限り在留資格変更により在留継続を許可するとされており、取消後も一定の配慮がなされています。

参考元:出入国在留管理庁 在留資格の取消し(入管法第22条の4)

在留資格申請書の記載内容変更

在留資格申請書の様式が変更され、企業が地方自治体の共生施策に協力する旨を明記する欄が新設されました。これにより、申請段階から企業の地域連携への意識と体制が確認されることになります。

申請書には具体的な協力内容(参加予定の施策名、支援体制、連携窓口など)の記載が求められ、申請後も実際の協力実施状況が定期的にチェックされます。

虚偽記載や協力義務の不履行は、今後の在留資格更新に影響する可能性があります。

企業は申請前に自治体との事前協議を行い、実現可能な協力内容を慎重に検討することが重要です。

参考元:出入国在留管理庁 特定技能制度における地域の共生施策に関する連携

3.入管法改正に対して企業が取るべき対応3ステップ

入管法改正に対して企業が取るべき対応3ステップ

改正内容を理解した後は、具体的な行動に移すことが重要です。

地方自治体との連携体制構築から社内教育まで、企業が今すぐ実行すべき対応を3つのステップに整理しました。段階的なアプローチにより、効率的かつ確実に改正要件への対応を完了できます。

実務担当者が迷わず進められる具体的な手順を示します。

Step1地方自治体との連携体制の整備

改正対応の第一歩は、外国人材の居住地・就労地自治体との連携体制構築です。

各自治体の共生施策を正確に把握し、企業として実現可能な協力内容を明確にすることで、スムーズな連携開始が可能となります。

地方自治体との連携体制の整備

1:関連自治体の特定と窓口確認

まず、外国人材の居住地と就労地の市区町村を特定し、それぞれの外国人支援担当窓口を確認しましょう。多くの自治体では「国際交流課」「地域振興課」「多文化共生推進課」などが担当部署となっています。

2:共生施策の詳細調査

各自治体のホームページから「外国人支援ポータル」「多文化共生計画」などの資料を収集し、実施されている共生施策を把握します。日本語教室、防災講座、子育て支援、就労支援など、企業が協力可能な施策をリストアップしましょう。

3:協力確認書の準備・提出

担当部署との事前協議を経て、協力確認書を作成します。参加予定施策、支援体制、連絡窓口、実施スケジュールなどを具体的に記載し、自治体の指定する方法(郵送、電子申請など)で提出します。

4: 継続的連携体制の構築

協力確認書提出後も、定期的な情報交換や施策参加状況の報告など、自治体との継続的な連携体制を整備します。担当者の連絡先交換や定期打ち合わせの設定なども重要です。

Step2支援計画・年次報告・随時届出の体制整備

省令改正により、支援計画は地方自治体連携を含む内容への見直しが必要となり、報告制度も大幅に変更されました。

年次報告の簡素化と随時届出の新設により、企業は効率性と迅速性を両立した管理体制の構築が求められています。ITツール活用を含む具体的な整備手順を解説します。

支援計画・年次報告・随時届出の体制整備

1:既存支援計画の見直し

現在実施している支援項目を棚卸しし、自治体の共生施策との重複や連携可能性を検証します。独自実施から自治体施策への参加に切り替えることで、効率化とコスト削減が図れる場合があります。

2:統合的管理システムの導入

年次報告の簡素化に対応するため、支援実施記録、面談記録、参加状況などを一元管理できるシステムを構築します。ExcelやGoogleスプレッドシートから専用クラウドサービスまで、企業規模に応じた選択が可能です。

3:随時届出トリガーの明確化

新設された随時届出要件(1ヶ月未就労、税金滞納、離職発生など)を社内で共有し、該当ケース発生時の報告フローを明文化します。人事部門、経理部門、現場管理者間の連携体制も重要です。

4:年次報告スケジュールの策定

毎年3月に実施記録を集約し、4月上旬に内容確認、5月末までの報告提出という標準的なスケジュールを社内に定着させます。証拠書類の整理や内容チェックに十分な時間を確保することが重要です。

Step3社内での法改正共有と人事・現場教育

入管法改正への対応は、担当部署だけでなく全社的な取り組みが不可欠です。

人事部、現場管理者、経理部など関係部門への改正内容周知から、外国人材への制度説明まで、組織全体で法改正に対応する体制構築が求められています。

効果的な社内教育と継続的な情報更新の仕組みを整備しましょう。

社内での法改正共有と人事・現場教育

1:関係部門への改正内容周知

人事部、総務部、現場管理者、経理部など関係部門に対し、改正内容と各部門の対応責任を明確に伝達します。特に地方自治体連携や随時届出要件については、実務担当者レベルまでの理解浸透が不可欠です。

2:国人材への制度説明

雇用中の外国人材に対し、協力確認書提出や自治体施策参加の意義を説明し、積極的な参加を促します。母国語での説明資料作成や、理解度確認のための面談実施も効果的です。

3:定期的な研修・情報更新体制

入管法は継続的に改正される可能性があるため、外部セミナー参加、専門家との定期相談、業界団体からの情報収集など、最新情報をキャッチアップする体制を整備します。

4:緊急時対応マニュアルの整備

随時届出が必要なケースや、自治体からの協力要請があった場合の対応手順をマニュアル化し、担当者不在時でも適切な対応ができる体制を構築します。

4企業が直面しやすい3つの課題と対応策

企業が直面しやすい3つの課題と対応策

入管法改正への対応を進める中で、多くの企業が共通して直面する課題があります。

自治体情報の収集負担、支援業務の複雑化、記録管理の厳格化など、実務レベルでの困りごとと効果的な解決策を紹介します。先行企業の成功事例から学び、スムーズな改正対応を実現しましょう。

自治体施策の情報収集と多拠点対応

課題:情報の分散と更新頻度

各自治体の共生施策は独自性が強く、実施内容、参加条件、申込方法が大きく異なります。また、施策内容は年度ごとに見直されるため、継続的な情報収集が必要です。

複数拠点を持つ企業では拠点数分の自治体との連携が求められ、管理負担が増加します。

対応策:系統的情報管理体制の構築

本社主導で全拠点の自治体情報を一元管理するデータベースを構築し、担当者、連絡先、実施施策、参加スケジュールを整理します。定期的な更新確認ルールを設け、各拠点の担当者が定期的に最新情報を収集・共有する体制を整備しましょう。

また、同業他社との情報交換や、業界団体での情報共有なども有効です。地域の経済団体や商工会議所では、外国人材受入れ企業向けの情報交換会を開催している場合もあります。

支援業務の煩雑化

課題:支援業務の専門性と複雑性

地方自治体との連携義務化により、支援業務はより専門的で複雑になっています。法的要件の理解、自治体との調整、記録管理、報告書作成など、人事担当者の業務負荷が大幅に増加しているのです。特に中小企業では、専門知識を持つ担当者の確保が困難な場合があります。

対応策:段階的外部委託の検討

全支援を自社で実施するか、登録支援機関に全委託するかの二択ではなく、段階的な外部委託を検討しましょう。例えば、自治体連携業務や複雑な手続きは登録支援機関に委託し、日常的な相談対応や職場内サポートは自社で継続する、のようなハイブリッド型の支援体制も選択可能です。

登録支援機関を選定する際は、対象地域での実績、自治体との関係性、費用対効果、緊急時対応力などを総合的に評価することが重要です。

記録・届出の見落としリスクとその対処

課題:複雑化する記録・報告要件

年次報告は簡素化されたものの、記録すべき内容は詳細化されています。随時届出の新設により、従来想定していなかった事象でも報告義務が発生する可能性があるでしょう。記録漏れや報告遅延は、入管庁からの指導や受入停止などの重大な結果を招く恐れがあります。

対応策:チェックリスト化とシステム活用

記録すべき項目、報告タイミング、提出先をチェックリスト化し、担当者の交代があっても対応できる仕組みを構築します。可能であれば、外国人材管理システムやクラウドサービスを活用し、記録の自動化・アラート機能を導入しましょう。

また、月次での記録確認、定期的な全体チェック、年次報告前の総点検など、多段階のチェック体制を設けることで、見落としリスクを最小化できます。外部専門家による定期監査の導入も効果的です。

5登録支援機関の役割と選び方

登録支援機関の役割と選び方

2025年の省令改正により、登録支援機関の重要性が大幅に高まっています。地方自治体連携業務の専門性や支援委託の完全義務化を受け、外部委託を検討する企業が増加中です。

自社対応か外部委託かの判断基準から、改正対応力のある支援機関の選定ポイントまで、最適な選択のための指針を提供します。

改正後に登録支援機関の重要性が増す理由

2025年の省令改正により、登録支援機関の重要性が大幅に増しています。

まず、2024年の改正で特定技能外国人への支援を外部委託する場合は、登録支援機関への委託が完全義務化されました。これまで可能だった登録支援機関以外への一部委託は認められなくなっています。

さらに、地方自治体との連携業務や協力確認書の準備など、高度な専門知識と地域ネットワークが必要な業務が追加されました。

登録支援機関は各地域の自治体と継続的な関係を築いており、企業が個別に構築するより効率的な連携が期待できます。

また、随時届出の新設により、イレギュラーな事象への迅速な対応がより重要になっています。経験豊富な登録支援機関であれば、類似ケースの対応実績から適切な判断と対応が可能です。

外部委託の判断基準

特定技能外国人の支援業務を自社で継続するか、登録支援機関に委託するかの判断は、企業の規模・体制・コストを総合的に検討する必要があります。

雇用人数、拠点数、専門知識、費用対効果などの具体的な判断基準から見てみましょう。

判断要素自社対応が適している場合外部委託が適している場合
雇用人数5名以下10名以上
拠点数単一拠点複数拠点(特に異なる都道府県)
専門知識人事担当者が入管法に精通入管法の専門知識が不足
自治体関係既に良好な関係を構築済み自治体との接点が少ない
費用対効果人件費を含めて月20万円以下月30万円以上の負担が予想される

全支援の完全委託ではなく、「自治体連携業務のみ」「緊急時対応のみ」といった部分的委託も可能です。企業の体制と予算に応じて、最適な委託範囲を検討しましょう。

選定時に確認すべきポイント

登録支援機関を選定する際は、基本的なサービス内容に加え、2025年省令改正への対応力が重要な判断要素となります。

地方自治体との連携実績、協力確認書作成支援の経験など、改正特有の要件への対応能力を重点的に確認しましょう。

基本的な選定基準

  • 対応地域: 外国人材の居住地・就労地での実績と自治体とのネットワーク
  • 費用体系: 月額固定費、従量制、初期費用の明確性
  • 対応範囲: 義務的支援10項目の実施内容と品質
  • 緊急時対応: 24時間対応の可否、トラブル時の対応実績

改正対応力の確認項目

  • 2025年省令改正への対応準備状況
  • 協力確認書作成支援の経験
  • 各自治体の共生施策に関する知識
  • 年次報告書作成の実績と品質
  • 随時届出への対応フロー

契約前には必ず支援計画書の案を確認し、自社の外国人材に適した内容となっているかを検証しましょう。

また、担当者の経験年数、保有資格(行政書士等)、緊急時の連絡体制なども重要な選定要素です。

可能であれば、既存顧客からの評価や、実際の支援現場の見学なども参考にして、総合的に判断することをお勧めします。

登録支援機関がこの他に何をする機関なのかは、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

特定技能の登録支援機関とは?役割・費用・選び方を完全ガイド
特定技能の登録支援機関とは?役割・費用・選び方を完全ガイド
本記事では、登録支援機関の役割から選び方まで、実務経験豊富な専門家の視点で、成功する外国人採用のポイントを解説します。
https://back-end.co.jp/media/contents/registered-support-organization/

6.特定技能省令改正に関するよくある質問

特定技能省令改正に関するよくある質問

特定技能省令改正について、企業の人事担当者から寄せられる代表的な疑問にお答えします。

協力確認書の提出手続きから複数拠点での対応方法まで、実務で迷いやすいポイントを Q&A形式で整理しました。これらの回答により、改正対応への不安を解消し、スムーズな実務遂行が可能となります。

協力確認書はいつ・誰が・どこに提出?

Q:協力確認証の提出タイミングはいつですか?

 新規雇用の場合は在留資格申請前、既存雇用の場合は2025年7月末までの提出が求められています。ただし、自治体によって受付開始時期や締切が異なるため、事前に担当窓口への確認が必要です。

Q:誰が提出するのですか?

特定技能外国人を雇用する企業(特定技能所属機関)が提出義務者となります。登録支援機関に委託している場合でも、企業名での提出が原則です。

Qどこに提出すればよいですか?

外国人の居住地と就労地、両方の市区町村への提出が必要です。居住地と就労地が同一の場合は1箇所のみとなります。

雇用中の外国人も対象になる?

Q現在雇用している特定技能外国人も新ルールの対象ですか?

はい、2025年4月1日時点で雇用中の特定技能外国人についても、協力確認書の提出や地方自治体連携への対応が必要です。経過措置として2025年7月末までの対応期間が設けられています。

Q支援計画の見直しは必要ですか?

既存の支援計画についても、地方自治体の共生施策との連携を含む内容への見直しが推奨されます。ただし、現在の支援内容が適切に実施されている場合は、急激な変更は求められません。

居住地と就労地が異なる場合は?

Q: 外国人が県境を越えて通勤している場合の対応は?

居住地と就労地の両自治体に協力確認書を提出し、それぞれの共生施策に参加する必要があります。両自治体間での調整や連携については、企業が主体的に行うことが求められています。

Q:複数拠点で働く場合は?

主たる就労地の自治体への提出が基本ですが、勤務時間の配分によっては複数自治体への対応が必要な場合があります。事前に各自治体への相談をお勧めします。

随時届出は何をどう判断すべきか?

Q:1ヶ月未就労の判断基準は?

在留資格許可日から起算して1ヶ月間、または何らかの理由で連続1ヶ月間就労できない状態が該当します。病気、怪我、会社都合の休業なども含まれます。

Q: 税金滞納の報告タイミングは?

滞納事実を企業が認知した時点で速やかに報告が必要です。本人からの申告を待つのではなく、企業として定期的な確認を行うことが重要です。

7.入管法改正をチャンスに外国人採用戦略を練ろう

入管法改正をチャンスに外国人採用戦略を練ろう

2025年特定技能省令改正は企業にとって新たな挑戦ですが、適切な対応により外国人材との長期的なパートナーシップ構築と競争優位性確保の大きなチャンスとなります。

地方自治体連携を通じた外国人材の地域定着促進は、離職率低下と企業価値向上に直結します。継続的な法改正への対応体制を整備し、外国人材から選ばれる企業として持続的成長を実現していきましょう。

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記事を書いた人
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行政書士法人バタフライエフェクト
行政書士法人バタフライエフェクトは、外国人の就労ビザ取得、相談のエキスパートです。上場企業様から小規模の会社様まで、これまで10,000件以上の案件を支援。就労ビザを踏まえた外国人雇用のコンサルティングも行っており、年間実績1,500件、ビザの専門家が多数在籍しています。
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