日本の外国人在留者数が341万人を突破し、外国人雇用や国際結婚での入管手続きが急増しています。
しかし年間300万件を超える複雑な入管申請で、多くの方が「どの在留資格が適切か」「不許可リスクはないか」と不安を抱えています。そんな時に頼りになるのが申請取次行政書士です。
本記事では、行政書士が必要な5つの理由から費用相場、信頼できる専門家の選び方まで、2025年最新情報で徹底解説します。
- 申請取次行政書士に依頼すべき5つの理由と一般行政書士との決定的な違い
- 手続き別の費用相場(3万円~30万円)と費用対効果の正しい判断方法
- 失敗しない行政書士の選び方3つのチェックポイントと2025年制度変更への対応策
1.入管業務とは?行政書士の独占業務を理解する

入管(出入国在留管理局)業務の基本概念
入管とは「出入国在留管理局」の略称で、外国人の日本への入国・在留・出国を管理する重要な行政機関です。
2019年4月1日、急増する外国人への対応強化を目的として、従来の法務省内部部局「入国管理局」から法務省の外局「出入国在留管理庁」として新設されました。
出入国在留管理庁は、外国人が日本で適法に滞在するための在留審査業務を担っており、その業務量は年々増加しています。
2023年には年間300万件を超える在留関係申請が処理され、その複雑さと専門性の高さから、多くの申請者が専門家のサポートを必要としているのが現状です。
入管は、国際的な交流をより一層促進させるために関係する省庁と連携をとりながら必要な政策を行っており、適法に外国人が日本に滞在できるよう、在留審査のための書類審査から面接まで幅広い業務を実施しています。
行政書士が扱う具体的な入管業務
行政書士が取り扱う入管業務は多岐にわたり、外国人のライフステージや目的に応じて以下のような手続きがあります。
主要な入管手続き | 業務内容 |
---|---|
在留資格認定証明書交付申請 | 海外にいる外国人を日本に呼び寄せる際の事前手続き |
在留資格変更許可申請 | 留学生が就職する場合など、現在の在留資格を別の資格に変更 |
在留期間更新許可申請 | 現在の在留資格での滞在期間を延長 |
永住許可申請 | 日本に永続的に住み続けるための最上位資格取得 |
帰化申請 | 日本国籍を取得するための手続き |
資格外活動許可申請 | 留学生のアルバイトなど、本来の活動以外を行う許可 |
再入国許可申請 | 一時的に日本を出国し、同じ在留資格で再入国するための許可 |
具体的には、外国人が日本の企業に就職するための在留資格の変更や、国際結婚をして日本で結婚生活を送る場合の在留資格の申請などが代表例となります。
これらの手続きは、それぞれ異なる要件や必要書類があり、在留資格29種類×手続き種類の複雑な組み合わせとなっているため、専門知識なしに適切な申請を行うことは非常に困難です。
法的に入管業務ができるのは行政書士と弁護士のみ
入管業務は行政書士法で定められた業務独占資格です。
行政書士法第1条の2では、「他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類の作成」を行政書士の独占業務と定めており、法的に入管業務ができる資格者は、行政書士と弁護士だけです。
行政書士以外の者が、他人からお金をもらって役所に提出する書類を作成した場合は、行政書士法違反になります。
そのため、行政書士と弁護士以外の人から、報酬をくれれば入管手続きを引き受けると言われても、それ自体が法律違反になることから、絶対に依頼しないようにしましょう。
違反した場合の罰則

行政書士は依頼人に代わって提出書類を作成し提出することによって、難解複雑な行政手続きを迅速かつ円滑に行うことが期待されています。
依頼者にとって便利であることはもちろんですが、行政側にとってもスムーズに手続を進めることができる点でメリットがあります。
つまり、行政書士には、行政機関と申請人の橋渡しをすることによって、両者の利便性を図る役割があるのです。
2.申請取次行政書士とは?一般行政書士との決定的な違い

申請取次制度の仕組みと意義
入管手続きには「本人出頭原則」という基本的なルールがあります。
入管法第61条の9の3第1号に、いわゆる「本人出頭主義の原則」が規定されています。
これにより、弁護士はじめ誰しも申請を代理することができないというのが原則です。
引用元:Aeras外国人サポートデスク「本人出頭主義の原則」
これは、原則として外国人本人が出入国在留管理局に出向いて行わなければならないという制度です。
しかし、日本語が不慣れな外国人や海外に居住している外国人にとって、複雑な入管手続きを自ら行うことは極めて困難です。そこで導入されたのが申請取次制度です。
申請取次行政書士とは、この申請取次制度に基づいて外国人本人に代わって入管への申請書類提出を行うことができる、特別な資格を持つ行政書士のことです。
申請取次行政書士は届出済証明書(通称ピンクカード)を取得しており、これにより外国人の本人出頭が免除されます。
入管手続きの申請ができる行政書士のことを申請取次行政書士といい、この制度により外国人の本人出頭が免除され、行政書士が入管業務の取次を行い申請に携わることができるようになっています。
申請取次行政書士になるための厳格な要件
申請取次行政書士になるためには、一般的な行政書士資格に加えて、厳格な要件をクリアする必要があります。
まず申請取次行政書士は、行政書士が所属する都道府県ごとの行政書士会を経由して地方出入国在留管理局長に届け出ることによって登録されます。
届出だけなので行政書士なら誰でも登録できるように思われますが、実際には厳格な要件があります。
申請取次行政書士になるための要件
1.日本行政書士会連合会主催の出入国管理研修(年1回開催)
→この研修は年1回開催され、入管法の基礎から実務まで幅広い内容をカバーしています。
2.効果測定試験に合格(合格率約80%)
→研修受講後に実施される「効果測定」と呼ばれる試験を受けて合格した行政書士のみが登録ができる制度になっています。
3.3年ごとの更新制度と継続研修義務
→有効期間は3年で、更新の度に研修・効果測定を受けることになります。
これによって、入管業務に必要な知識を行政書士が備えていることを制度上担保しているわけです。入管法は社会情勢に応じて頻繁に改正され、運用も変化するため、継続的な学習が不可欠となっています。
「申請取次」と「申請代理」の重要な違い
多くの方が誤解しがちですが、申請取次行政書士は外国人の「代理人」ではありません。
法的には「伝達役」という位置づけです。申請取次行政書士に申請を依頼した場合、依頼を受けた行政書士は申請人の代理人か?と問われると、答えはNOです。
弁護士は訴訟代理人と言われるように、依頼人の代理人となるわけですが、申請取次行政書士は、申請「代理」ではなく、申請「取次」なのです。
代理と取次の法的な違いとは?
代理というのは、代理人が本人に代わって本人のために行為をすることをいい、代理人が行なった行為は本人に効果が及びます。入管法でも在留資格ごとに申請代理権が定められており、例えば「日本人の配偶者等」の場合は、日本にいる外国人本人の親族と定められています。海外にいる外国人は、日本にいる親族に申請をお願いできるわけです。しかし、行政書士は、入管法に代理人として規定されていません。
申請書への署名権限の制限


実際上、代理と取次で大きく異なる点は2点あります。
項目 | 申請 | 署名 |
---|---|---|
申請代理 | 取り下げられる | できる |
申請取次 | 取り下げられない | できない |
まず、代理の場合は、本人の利益のためであれば代理人が独自で判断して、申請に関する行為、例えば申請を取り下げることができます。
これに対して、取次はあくまで伝達役なので、申請人本人もしくは申請代理人の意思なくして、独自で判断することはできません。
また申請書の署名に関して言えば、代理の場合は、代理人が申請人本人に代わって申請をするわけですから、代理人が申請書に署名します。
これに対して、取次は申請取次行政書士が自分の署名をすることはできませんし、本人や申請代理人に代わって署名を代筆することもできません。
ちなみに弁護士も申請取次弁護士として登録できるのですが、この場合も代理人ではなく、取次にとどまります。弁護士であろうが行政書士であろうが、現行入管制度は士業に申請代理権を認めていないのです。
申請取次は「伝達役」に過ぎませんが、その価値は計り知れません。専門知識による適切な書類作成、本人出頭免除、言語サポート、入管とのコミュニケーションなど、外国人にとって不可欠なサービスを提供しています。
3.入管手続きで行政書士が必要な5つの理由

理由1:入管手続きの極めて高い専門性
入管手続きは、他の行政手続きとは一線を画すほど専門的で複雑な分野です。その複雑さは以下の要因によるものです。
年数回の入管法改正と頻繁な運用変更
✔入管法の頻繁な改正
→出入国管理及び難民認定法は社会情勢に応じて年数回改正を行う
✔施行規則・省令の変更
→法律の詳細を定める下位法令も随時更新をする
✔運用ガイドラインの変更
→入管当局の取扱いが状況に応じて変化する
✔各入管局での運用差異
→東京入管と大阪入管で微妙に異なる取扱いとなっている
しかも、外国人の入国や在留を認めるかどうかは国に大きな裁量があり、重要な審査基準はほとんどが公開されていません。これらの非公開基準を理解するには、豊富な実務経験と継続的な情報収集が不可欠です。
現在、在留資格は29種類存在し、それぞれに異なる活動内容・要件・審査基準があります。さらに、認定・変更・更新・永住等の手続き種類も多様で、申請者の個別事情に応じたオーダーメイドの申請戦略が必要となります。
理由2:不許可時の深刻な影響とリスク回避
入管手続きにおいて最も恐ろしいのは「不許可」です。一度不許可になると、その影響は長期間にわたって続きます。
不許可になった場合、再申請には不許可理由の詳細な分析と、その理由を覆すための新たな立証資料の準備が必要になるなど、現実的に最申請が困難になってしまいます。
また、再申請は初回申請より慎重に審査される傾向があり、許可を得るまでの期間も長期化します。
企業側にとっても、予定していた外国人材の確保ができないことで、採用スケジュールの狂いや代替人材の確保コスト、内定者との信頼関係の悪化など、様々な悪影響が生じます。
過去の不許可歴は必ず記録され、将来の審査に影響を与えます。永住許可申請や帰化申請の際にも、過去の不許可歴はマイナス要因として考慮されるため、一度の失敗が長期間にわたって影響を及ぼします。
理由3:本人出頭免除による大幅な負担軽減
申請取次行政書士に依頼する最も分かりやすいメリットが本人出頭の免除です。
出入国在留管理局は常に混雑しており、申請には長時間の待機が必要です。申請取次行政書士に依頼することで、申請人である外国人が自ら出入国在留管理局に行く必要がなくなります。
そのため、煩わしい入管手続きの時間を、学業や仕事などに当てることができます。特に平日しか開いていない入管窓口への出頭が不要になることで、勤務や授業への影響を最小限に抑えることもできます。
また、日本語がよくわからなくても、申請取次行政書士に依頼することにより、複雑な法律用語や専門的な質問にも、専門家が的確に対応しスムーズに入管手続きを進めることができます。
特に遠方に居住している外国人にとって、入管への出頭は大きな負担となります。交通費や移動時間、宿泊費などのコストを考慮すると、申請取次行政書士への依頼は経済的にもメリットがあります。
理由4:企業のコンプライアンス確保
外国人雇用において、企業が最も注意すべきは法令遵守なので、以下の4つの点に意識してコンプライアンスをしっかり確保していくことが大切です。




理由5:継続的な在留資格管理サポート
入管手続きは一度で終わりではありません。継続的な管理が必要です。
在留期間満了の3ヶ月前から更新申請が可能になります。申請取次行政書士は、個々の外国人の在留期間を管理し、最適なタイミングでの更新申請準備を案内します。
審査期間を考慮した戦略的な申請時期の選択により、空白期間を作らない手続きが可能です。
入管法は頻繁に改正され、運用も変化します。申請取次行政書士は、制度変更の速報や個別の状況に応じた法改正の影響度判定、制度変更に応じた最適な対応方法の提案を行います。
また永住許可申請には10年要件・5年要件等の複雑な判定が必要です。申請取次行政書士は、税金支払い状況・素行善良性等の事前整備指導や、永住から帰化への移行タイミングの最適化まで、長期的な視点でのプランニングを提供します。

これら5つの理由により、入管手続きにおいて行政書士、特に申請取次行政書士の存在は不可欠となっています。
入管でのオンライン申請について、準備から申請までの完全ガイドをもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
4.行政書士への依頼費用と相場|2025年最新版

主要手続き別の報酬相場
行政書士への依頼費用は手続きの種類により大きく異なります。2025年現在の相場は以下の通りです。
基本的な入管手続きの報酬相場
手続き種類 | 報酬相場 | 備考 |
在留資格認定証明書交付申請 | 8万円~15万円 | 海外からの呼び寄せ手続き |
在留資格変更許可申請 | 8万円~12万円 | 留学→就労等の資格変更 |
在留期間更新許可申請 | 3万円~8万円 | 継続滞在のための更新 |
永住許可申請 | 10万円~20万円 | 最も複雑で高度な手続き |
帰化申請 | 20万円~30万円 | 日本国籍取得手続き |
家族滞在ビザ | 5万円~10万円 | 配偶者・子の呼び寄せ |
これらの報酬は、標準的なケースでの目安であり、案件の複雑さや必要な作業量により変動します。
特に永住許可申請や帰化申請は、準備に要する期間と労力が大きいため、相対的に高額な設定となっています。
報酬額に影響する重要要因
同じ手続きでも報酬額に差が生じる理由は以下の要因によります。
案件の複雑さ(追加立証資料の必要性)
標準的なケースでは基本料金で対応可能ですが、過去に不許可歴がある、要件がギリギリ、特殊事情があるような困難案件では、通常以上の立証資料作成が必要となり、追加料金が発生する場合があります。
申請書類作成の難易度
定型的な書類作成であれば基本料金内で対応可能ですが、複雑な事情を説明する詳細な理由書や説明書の作成が必要な場合、追加の作業費用が発生します。
証明書収集代行の範囲
基本サービスが申請書類作成と提出のみの場合と、住民票・課税証明書等の代理取得を含むフルサポートの場合では料金が異なります。また、本国書類の取得指導・確認作業が必要な場合も追加費用の対象となります。
事務所の専門性と実績
入管業務に特化した専門事務所と、入管以外も扱う総合事務所では料金設定が異なる傾向があります。年間取扱件数や許可率の高さも価格に反映されます。
地域による料金差(都市部vs地方)
都市部(東京・大阪・名古屋)では相場より10-20%高い傾向があり、地方都市では比較的リーズナブルな料金設定となっています。同業者が多い地域では競争により料金が下がる傾向もあります。
アフターサポートの充実度
基本サービスが申請・結果受領までか、不許可時の再申請や更新時期の案内等を含む充実サポートか継続的なサポートを含む包括的なサービスかにより料金が大きく異なります。
費用対効果を正しく判断する視点
行政書士への依頼費用を判断する際は、単純な金額比較ではなく総合的な費用対効果を考慮することが重要です。
もし 自己申請で不許可になった場合、再申請時には行政書士への依頼が一般的となり、結果的に初回から専門家に依頼するより高額になります。さらに、6ヶ月~1年の手続き期間延長による機会損失も考慮する必要があります。
また各種証明書の取得費用(1万円~3万円)、外国語書類の翻訳(1万円~5万円)、入管への複数回出頭(5千円~2万円)、手続きに費やす時間の価値など、自己申請には多くの隠れコストが存在します。

しかし企業の投資回収期間で考えてみたときに、 企業における外国人1名あたりの雇用では、月20万円~50万円の付加価値創出が期待できるため、手続き費用は通常2-3ヶ月で投資回収可能です。
日本人採用の困難さを外国人材で解決できる価値は重要な要素です。

また不法就労助長罪等のコンプライアンスリスク回避は企業にとって非常に重要な要素なので、ここでしっかりおさえておきます。
適正な費用は「安かろう悪かろう」ではなく、確実性・専門性・継続性に対する適正な対価として判断することが重要です。
極端に安い料金設定の事務所は、品質やサポート内容に問題がある可能性があるため注意が必要です。
5.失敗しない行政書士の選び方|3つのチェックポイント

必須確認事項:申請取次資格の有無
行政書士選択の第一条件は申請取次資格の保有です。この確認を怠ると、後々大きな問題に発展する可能性があります。
①届出済証明書(ピンクカード)の保有の確認
申請取次行政書士は、「届出済証明書」通称ピンクカードを保有しています。相談時にこのカードの提示を求めることで、確実に申請取次資格を持っているかを確認できます。また、事務所のホームページで「申請取次行政書士」「届出済証明書取得」の明記があるかも重要なチェックポイントです。
②所属行政書士会への登録状況確認
各都道府県行政書士会のサイトでは、所属行政書士の検索システムが提供されています。行政書士登録番号の真正性確認や、申請取次研修の受講歴、最新の研修を受講しているかなどを確認できます。
③申請取次研修の受講履歴と更新状況確認
申請取次資格は3年ごとの更新制度があり、更新時には必ず研修・効果測定を受講する必要があります。最新の研修を受講し、現在も有効な資格を保持しているかの確認は必須です。
④入管業務専門度の見極め確認
行政書士の中でも、入管業務が全体業務に占める割合は大きく異なります。入管業務専門事務所か、建設業許可や会社設立等との兼業事務所かにより、専門性のレベルが変わります。就労ビザ、家族ビザ、投資ビザ等の幅広い取扱実績があるかも重要な判断材料です。
実績と専門性の客観的な判断基準
行政書士の実力を客観的に判断するためには、以下の具体的な指標を確認しましょう。

技術・人文知識・国際業務、技能、特定技能等の就労ビザ特化、配偶者ビザ、永住、帰化等の身分関係特化、経営・管理、高度専門職等の投資ビザ特化など、得意分野が明確な事務所の方が、該当する手続きでは高い成功率が期待できます。
また日本行政書士会連合会等の専門研修参加歴、入管分野の書籍執筆・監修実績、企業向けセミナー等での講演実績などは、継続的な学習・研修への取組みを示す重要な指標です。
研修参加はどのくらいの頻度なのかも、重要な判断基準となります。
その中で、入管業務の専門事務所としては、年間50件以上の案件取扱いが一つの目安となります。
年間100件以上であれば幅広い案件に対応可能な経験豊富な事務所、年間300件以上であれば大手法人事務所レベルの豊富な実績と判断できます。
さらに優良事務所の基準としては、許可率90%以上を維持していることが重要です。困難案件でも高い許可率を実現している事務所は、真の専門性を持っていると判断できます。
許可率や取扱件数を公開している事務所は、実績の透明性という点でも信頼できます。
東京、大阪、名古屋等の複数入管局での申請実績があり、地域特性を理解した申請戦略を立てられる事務所は、より高い専門性を持っているので、入管職員との良好な関係構築も、円滑な手続き進行には重要な要素です。
複数事務所比較時の最終判断基準
最終的に依頼先を決定する際の総合的な判断ポイントは以下の通りです。
専門性・実績・コミュニケーション力の総合評価
✔説明が分かりやすいか
✔質問への回答に対して的確で迅速性があるか
✔リスク説明は誠実か
✔連絡が取りやすく、レスポンスも早いか
相談段階で”見立て”を示してくれない行政書士に依頼することはお勧めできません。
単に在留資格の許可可能性だけではなく、不許可の場合にはどのようになるのか、またその際にはどのように対応していくのか、予めリスクマネジメントする能力が入管手続きを行う行政書士には求められます。
②料金と提供サービス内容のバランスは合っているか
✔相場と比較して適性な価格設定か
✔基本料金に含まれるサービス範囲は適切か
✔後から発生する費用の明確な説明があるか
✔不許可時の返金制度や再申請サポートがあるか
入管手続きは、一度入管へ申請すればそれで終わりというわけではなく、入管から追加資料の要求を受けることがあります。この際に都度、追加費用が掛かることでトラブルになっているというお話を耳にします。
そのため、行政書士との契約段階で追加費用の有無についても確認するようにしましょう。
③継続的なパートナーシップを築ける事務所か
✔更新申請、永住申請等の長期のサポート体制になっているか
✔企業向けの包括的サポート体制になっているか
✔制度が変更する際は迅速な情報提供をしてくれるか
✔急な問題発生時にすぐに対応できる体制になっているか
入管手続きを専門にしている事務所であれば,通訳会社と連携しているところも多いことから,依頼する行政書士を検討する場合に,言語対応を一つの指標としてみてください。
緊急時対応体制の充実度
✔営業時間外でも対応してくれるか
✔土日祝日、夜間の緊急連絡には対応してくれるか
✔メールや電話での返信は早いか
✔担当者不在の時のバックアップ体制はなっているか
✔必要に応じた入管同行サービスは可能なのか
緊急時対応体制の充実度も重要な判断基準となります。
これらの基準を総合的に評価し、最も信頼でき、長期的なパートナーシップを築ける行政書士を選択することが、成功する入管手続きの最も重要な要素となります。
6.2025年入管制度の重要な変更点

手数料改定の具体的影響
2025年4月1日から、入管手続きの手数料が改定されました。これは約10年ぶりの大幅な見直しとなります。
最も大きな変更は永住許可申請の手数料で、従来の8,000円から10,000円に2,000円引き上げられました。この改定により、家族3人で永住申請を行う場合、従来より6,000円の追加負担となります。
在留資格変更許可申請(4,000円)、在留期間更新許可申請(4,000円)、再入国許可申請(3,000円)については据え置きとなっており、永住申請のみが対象となっています。
企業の外国人雇用コストへの大きな影響はありませんが、年間予算の見直しが必要です。手数料収入の増加分は、入管システムのデジタル化推進に充当される予定となっています。
オンライン申請システムの拡充
2025年は入管手続きのデジタル化が大きく進展する年となります。
従来は限定的だったオンライン申請の対象が大幅に拡大され、在留資格変更・更新申請もオンラインで可能となりました。これにより、24時間申請受付が可能となり、窓口の営業時間に関係なく申請が可能です。
また 行政書士個人に固有の認証IDが付与される新制度が導入され、複数の依頼を受けても個別登録が不要になりました。3年ごとの利用者情報更新手続きも簡素化されています。
そして一部書類を除き電子データでの提出が可能となり、許可通知書の電子交付システムも導入されました。さらに、クレジットカード・電子マネーでの手数料支払いにも対応しています。

企業が対応すべき制度変更
2025年には特定技能制度の対象分野が拡大され、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業が新たに追加されました。
既存分野では建設、造船・舶用工業での受入れ拡大が図られ、技能試験もベトナム語、インドネシア語等での受験が可能となっています。
デジタル分野の専門性を重視したポイント算定基準への変更、高度専門職1号の在留期間延長(3年→5年)、配偶者の就労制限緩和や親の帯同要件緩和など、優遇措置が拡充されました。
雇用状況届出の電子化が2025年度中に完全実施される予定で、不法就労に対する雇用主への指導・処分も厳格化されています。また、2024年の技能実習制度改正を受けた運用の厳格化も進んでいます。
これらの制度変更により、2025年は入管手続きがより効率化される一方で、企業にはより高度なコンプライアンス対応が求められる年となります。
適切な専門家との連携により、これらの変化に適切に対応していくことが重要です。
特定技能についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
7.入管手続きにおける行政書士の決定的価値

入管手続きは外国人の人生や企業の国際化戦略の根幹を成す重要なプロセスです。2025年の制度変更でデジタル化が進む一方、より高度な専門性が求められる時代となりました。
確実で安心な外国人受入れを実現するには、申請取次資格を持つ実績豊富な行政書士との長期的なパートナーシップが不可欠です。
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