人手不足が深刻化する日本で、今最も注目されているのがネパール人材です。
真面目で勤勉な国民性、日本人と似た価値観、高い英語力を持ち、送り出し機関も不要でコストを抑えられます。
しかし「どう採用すればいいのか」「手続きは複雑ではないか」と不安を感じる方も多いでしょう。
この記事では、採用方法から手続き、費用、成功事例まで、ネパール人採用の全てを徹底解説します。
- ネパール人採用のメリットと注意点、現地採用と国内採用の違い
- 在留資格申請から入国までの具体的な7ステップと必要書類
- 採用にかかる費用の内訳と成功企業の実践事例
1.ネパール人採用が今注目される3つの背景

なぜ今、多くの日本企業がネパール人材に注目しているのでしょうか。
ここでは、ネパール人採用が急速に広がっている3つの背景を、最新データとともに解説します。
急増する在日ネパール人労働者の最新データ
出入国在留管理庁の統計によると、2023年末時点で日本に在留するネパール人は176,336人に達し、全在留外国人の5.2%を占めています。
これは、中国・ベトナム・韓国・フィリピン・ブラジルに次ぐ第6位の規模です。
特に注目すべきは、特定技能制度を利用したネパール人労働者の急増です。
2023年末時点で特定技能在留ネパール人は5,383人に達し、前年比で46.5%という驚異的な伸び率を記録しています。
参考元:出入国在留管理庁「令和5年末現在における在留外国人数について」
【在留資格別のネパール人の内訳(2023年末時点)】
| 在留資格 | 人数 | 特徴 |
| 家族滞在 | 約4.2万人 | 在留資格保持者の家族 |
| 留学 | 約3.8万人 | 日本語学校・大学等で学ぶ学生 |
| 技術・人文知識・国際業務 | 約2.5万人 | 専門職として就労 |
| 永住者 | 約2.1万人 | 長期在留者 |
| 特定技能 | 約5,383人 | 前年比46.5%増 |
特定技能制度におけるネパール人の受け入れ分野を見ると、介護分野が最も多く、全体の約60%を占めています。
次いで外食業、農業、建設などの分野でも積極的に採用が進んでいます。
【特定技能分野別のネパール人労働者数(2023年末)】
| 分野 | 人数 | 全体に占める割合 |
| 介護 | 約3,200人 | 59.4% |
| 外食業 | 約450人 | 8.4% |
| 農業 | 約380人 | 7.1% |
| 建設 | 約350人 | 6.5% |
| その他 | 約1,000人 | 18.6% |
この急増の背景には、2019年4月に創設された特定技能制度により、単純労働分野でも外国人の受け入れが可能になったことがあります。
ネパール人は制度の恩恵を受けて、介護や外食など人手不足が深刻な分野で活躍の場を広げています。
日本の深刻な人手不足とネパール人材のマッチング
日本では少子高齢化の進行により、あらゆる業種で人手不足が深刻化しています。特に介護・飲食・建設・製造・農業などの分野では、慢性的な労働力不足に悩まされています。
厚生労働省の調査によると、2024年時点で介護分野だけでも約34万人の人材不足が見込まれており、飲食業界でも約15万人、建設業界でも約30万人の人材が不足していると言われています。
一方、ネパールは人口約3,000万人のうち、約600万人以上が海外で出稼ぎをしているという、世界でも有数の出稼ぎ大国です。
人口の約20%が国外で働いているという事実は、ネパール国内での雇用機会の少なさを物語っています。
ネパールの最低賃金は月額約1万円〜2万円程度であり、日本で働けば5倍〜10倍以上の収入を得ることができます。このため、多くのネパール人が日本での就労を希望しています。
日本とネパールのマッチングが成功する理由
さらに、ネパール人は英語力が高いことも大きな強みです。
ネパールでは多くの学校で英語教育が行われており、訪日観光客への対応が必要な飲食店やホテルなどでは、この英語力が重宝されています。
送り出し機関が不要というネパール特有のメリット
外国人材を採用する際、多くの国では送り出し機関を経由する必要があります。
送り出し機関とは、外国人労働者を日本企業に紹介・派遣するための現地機関で、ベトナム・フィリピン・インドネシアなどでは政府認定の送り出し機関を通さなければ採用できません。
しかし、ネパールには送り出し機関の利用義務がありません。これは、日本とネパール政府が締結した「特定技能に関する二国間の協力覚書」において、送り出し機関の利用を任意としているためです。
送り出し機関が不要なメリット
- 採用コストの削減
- 送り出し機関への手数料(通常30万円〜50万円)が不要
- 企業が直接採用活動を行える
- 採用プロセスの短縮
- 送り出し機関との契約手続きが不要
- よりスピーディーに採用を進められる
- 柔軟な採用活動
- 駐日ネパール大使館を通じた求人が可能
- 人材紹介会社を活用した国内採用も容易
- 透明性の向上
- 仲介業者を経由しないため、雇用条件が明確
- トラブルのリスクが減少
【ネパール人の採用方法】
| 採用方法 | 特徴 | コスト |
| 直接採用 | 企業が直接現地で採用活動を実施 | 低〜中 |
| 大使館経由 | 駐日ネパール大使館に求人情報を提示 | 低 |
| 人材紹介会社 | 日本の人材紹介会社を活用 | 中〜高 |
| 登録支援機関 | 採用から支援まで一括サポート | 中〜高 |
ただし、送り出し機関が不要だからといって、すべての手続きを自社で行うのは容易ではありません。
在留資格の申請、ネパール政府への届出、健康診断、海外労働許可証の取得など、専門的な知識が必要な手続きも多いため、人材紹介会社や登録支援機関の活用が実際には推奨されます。
それでも、送り出し機関への高額な手数料が不要な分、他国と比較してトータルコストを抑えられるのは、ネパール人採用の大きなメリットと言えるでしょう。
2.ネパール人を採用する5つのメリット

ネパール人を採用することで、企業はどのようなメリットを得られるのでしょうか。
ここでは、実際にネパール人を雇用している企業の声や、ネパール人の国民性をもとに、5つの具体的なメリットを紹介します。
真面目で勤勉な国民性と高い就労意欲
ネパール人の最大の特徴は、真面目で勤勉な国民性です。
多くのネパール人は家族のために出稼ぎをしており、少しでも多くの収入を得て家族に仕送りをすることを目標としています。
このため、仕事に対する意欲が非常に高く、与えられた業務に真剣に取り組みます。
実際に、介護施設でネパール人を雇用している企業の採用担当者からは、「夜勤や早朝勤務も率先して入ってくれる」「休日出勤を頼んでも嫌な顔をせず対応してくれる」といった声が多く聞かれます。
また、飲食店では「ピーク時の忙しい時間帯でも、集中力を切らさずに働いてくれる」「クレーム対応でも冷静に対処できる」といった評価を受けています。
日本人と似た価値観と高い協調性
ネパール人は、日本人と似た価値観を持っていることが多く、職場での協調性が高いのも大きなメリットです。
日本人と共通する価値観
多民族国家であるネパールでは、様々な文化や価値観を持つ人々が共存しています。
このため、ネパール人は多様性への寛容さも持ち合わせており、異なる文化や考え方に対しても柔軟に対応できます。
日本人スタッフとの人間関係においても、摩擦が少なく、スムーズに職場に溶け込めるケースが多いのは、この協調性の高さによるものです。
多言語能力とコミュニケーション力
ネパール人の大きな強みの一つが、高い語学力です。ネパールは多民族国家で、公用語のネパール語に加えて、英語、ヒンディー語など複数の言語を操るマルチリンガルが多く存在します。
日本語習得スピードの比較
| 国籍 | 日本語習得の難易度 | 理由 |
| ネパール | 比較的容易 | 文法構造が似ている、敬語の概念がある |
| ベトナム | やや難しい | 声調言語で発音が異なる |
| フィリピン | やや難しい | 英語ベースの思考、文法が異なる |
| 中国 | 普通 | 漢字の知識があるが、文法は異なる |
日本語習得が早い
ネパール語と日本語は文法構造(語順)が同じSOV型のため、ネパール人にとって日本語習得は比較的容易です。
例えば「私は(S)りんごを(O)食べる(V)」という語順が両言語で一致しており、文の組み立てを理解しやすいのが特徴です。
また、敬語の概念もネパール語に存在するため、日本語の敬語習得のハードルも低くなっています。
このような言語的な類似性により、他国出身者と比較して日本語の上達が早い傾向にあります。

特に、飲食業や宿泊業などの接客業では、英語力は大きなアドバンテージになります。訪日外国人観光客が増加する中、英語で対応できるスタッフの存在は、顧客満足度の向上に直結します。
若い労働力で長期雇用が期待できる
ネパールの平均年齢は約25歳と非常に若く、日本で働くネパール人の多くは20代〜30代の若年層です。若い労働力を確保できることは、企業にとって大きなメリットです。
若いネパール人材を採用するメリット
1.体力がある
- 肉体労働や長時間勤務に対応できる
- 介護の身体介助、建設現場での力仕事など、体力を要する業務でも活躍
- 夜勤や変則シフトにも柔軟に対応
2.吸収力が高い
- 新しい知識やスキルを素早く習得
- ITツールやシステムの操作もすぐに覚える
- 柔軟な思考で新しい業務にも適応
3.長期雇用ができる
- 特定技能1号で最長5年、2号に移行すれば更新制限なし
- キャリアアップの機会を提供すれば、10年以上働いてくれる可能性
- 教育投資の回収が十分に見込める
4.デジタルネイティブ世代
- スマートフォンやPCの操作に慣れている
- オンライン研修やeラーニングもスムーズに活用
- 業務のデジタル化にも抵抗が少ない
日本では少子高齢化により、若い労働力の確保が困難になっています。
特に地方企業では、若者の都市部への流出により、深刻な人手不足に悩まされています。ネパール人の若い労働力は、この課題を解決する有力な選択肢となります。
高い定着率と離職しにくい傾向
ネパール人は、他の国籍と比較して離職率が低いという特徴があります。一度採用すれば、長期的に働いてくれる可能性が高いのです。
国籍別の離職率比較(推定)
| 国籍 | 1年以内の離職率 | 特徴 |
| ネパール | 約15〜20% | 安定志向、忠誠心が高い |
| ベトナム | 約25〜35% | 転職情報が豊富、より良い条件を求める |
| フィリピン | 約20〜30% | 家族の事情で帰国するケースあり |
| 中国 | 約30〜40% | キャリアアップ志向が強い |
もちろん、定着率を高めるためには、企業側の努力も必要です。
適切な給与、働きやすい環境、キャリアパスの提示、文化や宗教への配慮など、ネパール人が安心して働ける職場づくりが求められます。
しかし、ネパール人の国民性として、一度信頼関係を築けば長く働いてくれるという特徴は、採用する企業にとって大きなメリットです。
採用・教育コストを考えると、長期的に働いてくれる人材を確保できることは、経営の安定につながります。
ネパール人の採用を成功させるための特徴・注意点などをもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。
3.ネパール人採用前に知っておくべき3つの注意点と対策

ネパール人採用には多くのメリットがある一方で、文化や習慣の違いから生じる課題もあります。
しかし、これらの注意点を事前に理解し、適切な対策を講じることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
時間感覚の違いへの理解と対応方法
ネパール人を採用する際に最も多く指摘されるのが、時間感覚の違いです。ネパールでは、日本ほど時間厳守の文化が根付いていないため、遅刻や納期遅れが発生することがあります。
時間感覚の違いが生じる背景
| 背景要因 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 文化的な違い | ネパールでは「ネパールタイム」と呼ばれるゆったりとした時間感覚が一般的。約束の時間に30分〜1時間遅れることも珍しくない。「だいたい」「そのうち」という曖昧な時間表現が多い。 |
| 優先順位の違い | 家族や友人との関係を仕事よりも優先することがある。冠婚葬祭や宗教行事を非常に重視。突発的な家族の事情で欠勤・遅刻することも。 |
| 時間厳守の重要性への認識不足 | 遅刻が信用を失う行為だという認識が薄い。「少しくらいの遅刻は問題ない」と考える傾向。納期や締め切りの重要性を理解していないこともある。 |
【成功事例 】
ある介護施設では、ネパール人スタッフの遅刻が続いていましたが、「利用者様が朝食を待っている」「あなたが来ないと他のスタッフが困る」と具体的に説明したところ、遅刻が激減しました。
理由を理解すれば、ネパール人は真面目に対応してくれます。
宗教上の配慮が必要なポイント
ネパールは宗教国家であり、約81%がヒンドゥー教徒、約9%が仏教徒、約4%がイスラム教徒です。
宗教上の習慣や禁忌を理解し、適切に配慮することが重要です。
宗教別の主な配慮事項
| 宗教 | 人口比率 | 主な配慮事項 |
| ヒンドゥー教 | 81.3% | 牛肉を食べない、左手は不浄とされる |
| 仏教 | 9.0% | 特別な食事制限は少ない |
| イスラム教 | 4.4% | 豚肉・アルコール禁止、1日5回の礼拝 |
具体的な配慮が必要な場面
■食事に関する配慮ヒンドゥー教徒の場合
- 牛肉を食べない人が多い(個人差あり)
- 社員食堂や弁当の手配では食材を明示
- 牛肉エキスが含まれる調味料にも注意
■イスラム教徒の場合
- 豚肉とアルコールは厳格に禁止
- ハラル認証された食品を提供することが望ましい
- 調理器具も豚肉と分ける必要がある場合も
対応策
- 採用時に食事の制約について本人に確認
- 複数の選択肢を用意する(例:牛肉なしメニュー)
- 弁当持参を認める
- 近隣のハラルショップやインド料理店の情報を提供
■祈りや礼拝への配慮イスラム教徒の場合
- 1日5回の礼拝(ファジュル、ズフル、アスル、マグリブ、イシャー)
- 各礼拝は5〜10分程度
- 金曜日の集団礼拝(ジュムア)は特に重要
対応策
- 休憩時間に礼拝できるよう配慮
- 静かな個室や未使用の会議室を提供
- 金曜日の昼休みを少し長めに設定
■宗教的な祭日への配慮主なネパールの祭日
- ダサイン(9月〜10月):ネパール最大の祭日、15日間
- ティハール(10月〜11月):光の祭り、5日間
- ホーリー(3月):色の祭り
- ラマダン(イスラム教徒、時期は年により変動)
対応策
- 有給休暇を使っての帰国を認める
- 長期休暇の場合は、早めに申請するルールを設定
- シフト調整を柔軟に行う
- 年間カレンダーを共有し、祭日の時期を把握
■左手に関する配慮(ヒンドゥー教徒)
- ヒンドゥー教では左手は「不浄の手」とされる
- 食事、握手、物の受け渡しは右手で行う
- 左手を使うことを強要しない
配慮する際の対応策(基本姿勢)
- 個人差があることを理解する
- 同じ宗教でも、信仰の深さは人それぞれ
- 厳格に守る人もいれば、柔軟な人もいる
- 本人に直接確認することが最も確実
- 強制しない
- 宗教的な行為を禁止したり、強制したりしない
- 本人の信仰を尊重する姿勢が重要
- できる範囲で配慮する
- すべてに対応するのは難しい場合もある
- 「できること」と「できないこと」を明確にする
- できない場合は、その理由を丁寧に説明
- 相互理解を深める
- 日本人スタッフにも宗教の基礎知識を教育
- 多様性を尊重する職場文化を醸成
- お互いの文化を理解し合う機会を設ける
文化・商慣習の違いへの相互理解
日本とネパールでは、文化や商慣習に大きな違いがあります。これらの違いを理解し、お互いに歩み寄ることが、良好な関係を築く鍵となります。
主な文化・商慣習の違い
| 項目 | 日本 | ネパール | 対応策 |
|---|---|---|---|
| コミュニケーションスタイル | 間接的な表現、曖昧な言い方、「察する」文化 | 比較的直接的な表現、明確な指示を好む | 指示は具体的かつ明確に伝える。「できれば〜」ではなく「〜してください」と伝える |
| 「わかりました」の意味 | 理解したことを意味する | 相手を不快にさせないための返事の場合もある | 「では、どうしますか?」と具体的に確認。実際にやってもらい理解度をチェック |
| 仕事の進め方 | 指示されていないことも「気を利かせて」行う。報連相を重視。完璧主義 | 指示されたことを忠実に実行。自発的な行動は少ない傾向。「だいたいOK」で満足することも | 「自分で考えて動く」ことを期待する場合は明確に伝える。良い事例を示し、自発的に動いた時は褒める |
| 家族との関係性 | 仕事を優先する傾向 | 家族を非常に大切にする文化。家族の事情が仕事に影響することも | 家族の緊急事態には柔軟に対応。ビデオ通話ができる環境を提供。祭日の帰国を理解する |
| 上下関係の認識 | 厳格な上下関係、敬語の使い分けが重要 | 目上の人を敬うが、日本ほど厳格ではない | 日本の上下関係のルールを丁寧に説明。敬語の使い方を教育。ただし過度に厳しくしない |
相互理解を深めるための取り組み
これらの違いは「問題」ではなく「多様性」です。以下の取り組みで相互理解を促進できます。
- 異文化研修の実施
- ネパール人向け:日本の職場文化研修
- 日本人向け:ネパールの文化理解研修
- お互いの違いを学ぶ機会を設ける
- バディ制度の導入
- 日本人の先輩社員をバディ(相談相手)として配置
- 困った時にすぐ相談できる体制
- 定期的な面談
- 月1回、または週1回の個別面談
- 困っていることや不満を早期にキャッチ
- 相互理解を深める対話の機会
- 多文化共生の職場づくり
- 「違い」を否定するのではなく、受け入れる
- お互いの文化を尊重する姿勢
- 多様性を強みに変える
違いを理解し、お互いに歩み寄る姿勢があれば、必ず良好な関係を築けます。一方的にネパール人に日本のやり方を押し付けるのではなく、相互理解と相互尊重が成功の鍵です。
4.ネパール人を採用する2つのルートとその選び方

ネパール人を採用する方法は、大きく分けて2つのルートがあります。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の状況に合わせて最適な方法を選択することが重要です。
ネパール現地から採用するメリット・デメリット
ネパール現地から採用する方法は、ネパールにいる人材を日本に呼び寄せて雇用する方法です。
【メリット】
- 応募者の母数が多い
- ネパール国内には約3,000万人の人口がおり、日本での就労を希望する若者が多数
- 複数の候補者から最適な人材を選べる
- 特定のスキルや経験を持つ人材を見つけやすい
- 若い人材を確保できる
- 20代前半〜30代前半の若い労働力が中心
- 長期雇用が期待でき、教育投資の回収が見込める
- 体力が必要な業務にも対応できる
- 日本の給与水準を知らない
- 日本在住者よりも給与交渉がしやすい場合がある
- ネパールの給与水準と比較すれば十分に魅力的
- 初任給の設定が柔軟
- 企業文化に染めやすい
- 日本での就労経験がないため、自社の文化や方針を一から教育できる
- 他社での経験による「癖」がない
- 企業への帰属意識を高めやすい
【デメリット】
- 採用から就労開始までの期間が長い
- 在留資格認定証明書の交付、ビザ発給、渡航準備などで3〜6ヶ月必要
- 急ぎで人材が必要な場合には向かない
- 途中で採用を辞退されるリスクもある
- 手続きが複雑
- 在留資格認定証明書の交付申請
- ビザ発給申請
- 健康診断
- 海外労働許可証の取得
- 出国前オリエンテーション
- など、多くの手続きが必要
- 初期費用がかかる
- 渡航費用(航空券代):5万円〜10万円
- 住居の初期費用(敷金・礼金・家具家電):15万円〜30万円
- 人材紹介会社の手数料:30万円〜60万円
- その他(健康診断、オリエンテーションなど):3万円〜5万円
- 合計:50万円〜100万円程度
- 日本語能力が限定的
- N4レベル程度が多く、複雑な会話は難しい
- 業務の指示や説明に時間がかかる
- 日本語教育のサポートが必須
生活面のサポートが必要- 住居の確保
- 銀行口座の開設、携帯電話の契約
- ゴミの出し方、公共交通機関の使い方
- 病院の受診方法
- など、生活全般のサポートが必要
日本在住のネパール人を採用するメリット・デメリット
日本在住のネパール人を採用する方法は、すでに日本に住んでいるネパール人を雇用する方法です。
【メリット】
- 採用から就労開始までが早い
- 在留資格変更許可申請のみで済む(1〜2ヶ月程度)
- 現地採用と比較して1〜3ヶ月早く就労開始できる
- 急ぎで人材が必要な場合に最適
- 手続きが比較的シンプル
- 在留資格変更許可申請が主な手続き
- ビザ発給、渡航準備、健康診断などが不要
- 海外労働許可証の取得も不要
- 初期費用を抑えられる
- 渡航費用が不要
- すでに住居がある場合が多い
- 家具家電の購入費用も不要
- 合計:30万円〜60万円程度(人材紹介費用中心)
- 日本語能力が高い
- 日本語学校や大学で学んでいる場合、N3〜N2レベル
- 日常会話や業務指示の理解がスムーズ
- 日本語教育の負担が軽減
- 日本の生活に慣れている
- 公共交通機関の利用方法を知っている
- 日本の生活習慣やマナーを理解している
- 生活面のサポートが最小限で済む
- 面接がしやすい
- 対面での面接が可能
- 人柄や雰囲気を直接確認できる
- オンライン面接より判断しやすい
【デメリット】
- 応募者の母数が少ない
- 日本在住のネパール人は約17.6万人
- そのうち求職中の人材は限定的
- 希望するスキルや経験を持つ人材が見つからない可能性
- 給与水準の期待が高い
- 日本の給与水準を知っているため、希望給与が高い
- 他社の条件と比較されやすい
- 給与交渉が難しい場合がある
- すでに在留資格を持っている場合、転職制限がある
- 留学生:週28時間までの就労制限(特定技能に変更すれば解消)
- 家族滞在:原則就労不可(特定技能に変更が必要)
- 技能実習:転職不可(修了後は特定技能に移行可能)
- 定住者・永住者:就労制限なし
- 他社での経験がある場合、前職の影響
- 前の職場のやり方に慣れている
- 自社の文化や方針に適応するのに時間がかかる場合も
- 前職との比較をされることがある
- 在留資格の確認が必須
- 在留カードの確認(偽造対策)
- 在留期限の確認
- 就労制限の有無の確認
- 出入国在留管理庁のサイトで在留カード番号の照会が必要
【在留資格別の注意点】
| 在留資格 | 就労制限 | 対応 |
| 留学 | 週28時間まで | 特定技能に変更すればフルタイム可能 |
| 技能実習 | 転職不可 | 技能実習2号修了後、特定技能に移行可能 |
| 家族滞在 | 原則就労不可 | 特定技能への変更が必要 |
| 技術・人文知識・国際業務 | 就労可能 | 業務内容によっては特定技能が適切 |
| 定住者・永住者 | 就労制限なし | 特定技能への変更は不要 |
人材紹介会社・登録支援機関の活用がおすすめの理由
ネパール人の採用は、送り出し機関が不要という特徴がありますが、それでも手続きは複雑です。
そのため、人材紹介会社や登録支援機関を活用することを強くおすすめします。
人材紹介会社・登録支援機関を活用するメリット
- 採用活動の負担を軽減
- 企業のニーズに合った人材を紹介
- 求人票の作成サポート
- 候補者のスクリーニング
- 面接の日程調整
- 採用活動にかかる時間と手間を大幅に削減
- 複雑な手続きを代行
- 在留資格認定証明書の交付申請
- 在留資格変更許可申請
- 特定技能雇用契約書の作成
- 雇用条件書の作成
- 支援計画書の作成
- 各種届出書類の作成・提出
- 専門知識が必要な手続きをプロに任せられる
- 入国後の支援を提供
- 登録支援機関は、特定技能外国人への支援が義務付けられている
- 生活オリエンテーション
- 住居確保の支援
- 日本語学習の支援
- 定期面談
- 行政手続きのサポート
- トラブル発生時の対応
- 自社で支援体制を整える負担を軽減
- トラブルを未然に防ぐ
- 在留資格の要件を満たしているか確認
- 不許可のリスクを事前に判断
- 雇用契約書の内容が適法か確認
- 給与水準が適切か判断
- 専門家のチェックでトラブルを回避
- ネパール現地とのネットワーク
- ネパールの人材紹介会社と提携
- 現地での採用活動をサポート
- ネパール人スタッフが通訳・翻訳
- 現地の習慣や文化に精通
- 初めての外国人採用でも安心
- わからないことをすぐに相談できる
- ノウハウを持ったプロのサポート
- 他社の成功事例を参考にできる
【人材紹介会社と登録支援機関の違い】
| 項目 | 人材紹介会社 | 登録支援機関 |
| 主な役割 | 人材の紹介、採用サポート | 特定技能外国人への支援 |
| 費用 | 成功報酬型(30万円〜60万円) | 月額委託費用(月2万円〜3万円) |
| サービス内容 | 求人、面接、書類作成 | 生活支援、日本語教育、定期面談 |
| 必要性 | 任意 | 自社で支援できない場合は必要 |
選び方のポイント
どちらを選ぶべきか
| 状況 | おすすめの採用ルート |
| 急ぎで人材が必要 | 日本在住者を採用 |
| 複数名を採用したい | 現地から採用 |
| 初期費用を抑えたい | 日本在住者を採用 |
| 若い人材がほしい | 現地から採用 |
| 日本語能力を重視 | 日本在住者を採用 |
| 長期的に育成したい | 現地から採用 |
| 初めての外国人採用 | どちらも人材紹介会社・登録支援機関を活用 |
自社の状況、予算、採用スケジュールを考慮し、最適なルートを選択しましょう。
迷った場合は、まず人材紹介会社に相談することをおすすめします。
5.ネパール現地から採用する場合の7ステップ

ネパール現地からネパール人を特定技能外国人として採用する場合、以下の7つのステップを踏む必要があります。
各ステップの具体的な内容と注意点を解説します。
ステップ1:求人情報の提示
ネパール現地のネパール人を採用するには、まず求人情報を提示する必要があります。
ネパールでは送り出し機関の利用が任意のため、複数の方法で求人活動を行えます。
求人方法の選択肢
- 駐日ネパール大使館を通じた求人
- 駐日ネパール大使館に求人情報を提出
- 大使館がネパール政府に情報を転送
- ネパール国内で求人情報が公開される
- 費用がかからない、または低コスト
- 手続きは比較的シンプル
- 人材紹介会社を活用した求人
- 日本の人材紹介会社がネパール現地と提携
- 企業のニーズに合った人材をスクリーニング
- 面接の調整、通訳・翻訳サポート
- 費用はかかるが、効率的
- 直接採用活動(現地訪問)
- 企業の担当者がネパールに渡航
- 現地の日本語学校や教育機関で面接
- 直接人材を見極められる
ステップ2:雇用契約の締結
候補者を選定し、採用が決定したら、雇用契約を締結します。
特定技能外国人を雇用する場合は、通常の雇用契約ではなく、特定技能雇用契約を締結する必要があります。
雇用条件書の作成
特定技能雇用契約書とは別に、雇用条件書を作成し、ネパール人労働者に交付する必要があります。雇用条件書には、以下の内容を記載します。

重要なポイント
- 日本人と同等以上の報酬
- 特定技能外国人には、同じ業務を行う日本人と同等以上の報酬を支払う義務がある
- 最低賃金以上であることは当然として、相場に見合った給与設定が必要
- 母国語または理解できる言語での説明
- 雇用契約書と雇用条件書は、ネパール語または英語でも用意する
- 内容を十分に理解してもらった上で署名・押印
- 理解不足によるトラブルを防ぐ
- 双方が署名・押印
- 企業側の代表者が署名・押印
- ネパール人労働者本人が署名・押印
- 双方が各1部ずつ保管
ステップ3:在留資格認定証明書の交付申請
雇用契約を締結したら、日本の地方出入国在留管理局に在留資格認定証明書の交付申請を行います。
この証明書は、ネパール人が日本で特定技能の在留資格を取得するために必要な書類です。
- 申請先:企業の所在地を管轄する地方出入国在留管理局
- 申請者:受入れ企業(または行政書士などの代理人)
【主な必要書類】
| 書類名 | 説明 |
| 在留資格認定証明書交付申請書 | 所定の様式 |
| 特定技能雇用契約書の写し | 署名・押印済みのもの |
| 雇用条件書の写し | 日本語版とネパール語版 |
| 特定技能外国人の履歴書 | 学歴、職歴など |
| 技能試験の合格証明書 | 該当分野の技能試験 |
| 日本語試験の合格証明書 | 日本語能力試験N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト |
| パスポートの写し | 顔写真ページ |
| 証明写真 | 4cm×3cm、最近3ヶ月以内 |
| 企業の登記事項証明書 | 発行後3ヶ月以内 |
| 企業の決算書類 | 直近1年分 |
| 労働保険・社会保険の加入証明 | 納付証明書など |
| 特定技能外国人支援計画書 | 支援内容を記載 |
審査期間
- 通常1〜3ヶ月程度
- 書類に不備があると追加資料を求められる
- 早めに準備し、余裕を持って申請
技能実習2号を良好に修了したネパール人の場合
- 技能試験と日本語試験が免除される
- 技能実習修了証明書を提出
ステップ4:ビザ発給申請
在留資格認定証明書が交付されたら、ネパール人本人が在ネパール日本国大使館で特定技能ビザの発給申請を行います。
申請場所:在ネパール日本国大使館(カトマンズ)
申請者:ネパール人本人(または代理人)
【主な必要書類】
| 書類名 | 説明 |
| 査証(ビザ)申請書 | 所定の様式、大使館で入手可能 |
| パスポート | 有効期間が6ヶ月以上残っているもの |
| 証明写真 | 4.5cm×4.5cm、背景白、最近6ヶ月以内 |
| 在留資格認定証明書の原本 | 日本の出入国在留管理局が発行 |
| 在留資格認定証明書の写し | コピー1部 |
【審査期間】
- 通常5営業日程度
- 追加書類を求められることもある
ビザ発給後
- ビザがパスポートに貼付される
- ビザの有効期間内(通常3ヶ月)に日本に入国する必要がある
ステップ5:健康診断と出国前オリエンテーション
ネパール人が特定技能外国人として来日する前に、健康診断と出国前オリエンテーションを受ける必要があります。
◆健康診断◆
【目的】
- ネパール人労働者の健康状態を確認
- 感染症などのチェック
- 日本での就労に支障がないか確認
【実施機関】
- ネパール政府指定の医療機関で受診
- カトマンズなどの主要都市にある
【検査項目】
- 身体測定(身長、体重、血圧など)
- 胸部X線検査(結核のチェック)
- 血液検査
- 尿検査
- 医師による診察
【費用】
- 約1万円〜3万円程度
- ネパール人本人が負担する場合と、企業が負担する場合がある
【結果】
- 健康診断証明書が発行される
- 入国時に提出が必要な場合がある
◆出国前オリエンテーション◆
【目的】
- 日本での生活や就労に必要な情報を提供
- トラブルを未然に防ぐ
- 安心して来日できるようサポート
【実施者】
- ネパール労働・雇用・社会保障省
- 登録支援機関
- 人材紹介会社
【内容】
- 日本の生活習慣、マナー
- 日本の法律、規則
- 職場でのルール
- 緊急時の対応方法
- 相談窓口の紹介
- 給与、税金、社会保険の説明
【期間】
- 2〜3日間程度
【言語】
- ネパール語で実施されることが多い
注意点
- オリエンテーションは義務ではないが、受講することを強く推奨
- 企業側も、オリエンテーションの内容を把握しておくと良い
ステップ6:海外労働許可証の取得
ネパール人が日本で働くためには、ネパール政府から海外労働許可証(Foreign Employment Permit)を取得する必要があります。これはネパール特有の手続きです。
申請先:ネパール労働・雇用・社会保障省海外雇用局(Department of Foreign Employment)の日本担当部門
申請方法:オンラインで申請
申請者:ネパール人本人
【必要書類】
【手続きの流れ】
- オンラインで申請フォームを記入
- 必要書類をアップロード
- 申請料を支払い
- 審査(通常1〜2週間)
- 海外労働許可証が発行される
- 許可証を受け取る(オンラインまたは窓口)
【費用】
- 申請料:約5,000ネパールルピー(約5,000円)
- その他、書類作成費用など
【海外労働保険への加入】
ネパール政府は、海外で働くネパール人のために海外労働保険を用意しています。この保険は任意ですが、加入することで以下の補償を受けられます。
- 死亡時の保険金
- 障害時の保険金
- 疾病時の医療費補助
加入を検討することをおすすめします。
ステップ7:入国・上陸審査
すべての手続きが完了したら、ネパール人が日本に入国します。入国時には上陸審査が行われ、在留資格が正式に付与されます。
【入国の流れ】
- ネパールを出国
- 海外労働許可証を携帯
- パスポートとビザを提示
- 日本の空港に到着
- 成田、羽田、関西、中部などの国際空港
- 上陸審査
- 入国審査官にパスポートとビザを提示
- 在留資格認定証明書の提示
- 指紋採取、顔写真撮影
- 簡単な質問に答える(渡航目的、滞在先など)
- 在留カードの交付
- 上陸許可が出ると、在留カードが交付される
- 在留カードには、在留資格、在留期限、就労制限の有無などが記載
- 在留カードは常に携帯する必要がある
- 荷物を受け取り、税関検査
- 通常の入国手続きと同じ
- 企業の担当者が空港で出迎え
- 登録支援機関が出迎えを代行する場合もある
- 住居まで同行し、生活のサポート
【入国後14日以内にすべきこと】
- 住居地の届出
- 居住する市区町村の役所で住民登録
- 在留カードに住所が記載される
- マイナンバーの取得
- 住民登録をすると、マイナンバーが発行される
- 銀行口座開設、税金、社会保険などに必要
- 銀行口座の開設
- 給与振込のために必要
- 在留カード、パスポート、マイナンバー通知書を持参
- 携帯電話の契約
- 生活に必要不可欠
- 在留カードがあれば契約可能
【企業がすべきサポート】
登録支援機関に委託している場合
- 上記のサポートを登録支援機関が代行
- 企業の負担を軽減
以上が、ネパール現地から採用する場合の7ステップです。手続きは複雑ですが、人材紹介会社や登録支援機関を活用することで、スムーズに進めることができます。
6.日本在住のネパール人を採用する場合の手続き
すでに日本に在住しているネパール人を採用する場合、現地採用と比較して手続きがシンプルで、早期に就労を開始できます。
ここでは、国内在住者を採用する際の具体的な手続きを解説します。
在留カード・在留資格の確認方法
日本在住のネパール人を採用する際、最初に必ず行うべきことは在留カードと在留資格の確認です。
適切な在留資格を持たない外国人を雇用すると、企業も罰則の対象となります。
在留カードとは
在留カードは、中長期在留者に対して交付されるカードで、以下の情報が記載されています。

- 氏名、生年月日、性別、国籍・地域
- 住居地
- 在留資格
- 在留期間
- 就労制限の有無
- 在留カード番号
【確認すべき主なポイント】
| 確認項目 | 確認場所 | 重要性 |
| 在留資格の種類 | 在留カード表面中央 | 「留学」「技能実習」「家族滞在」など、現在の資格を確認 |
| 在留期限 | 在留カード表面右下 | 期限が近い場合は更新手続きが必要 |
| 就労制限の有無 | 在留カード裏面 | 「就労制限あり」の場合、フルタイムで働けない可能性 |
| 資格外活動許可 | 在留カード裏面 | 留学生などが許可を得ている場合、条件付きで就労可能 |
| 住所 | 在留カード裏面 | 現在の居住地を確認 |
【在留資格別の就労可能性】
| 在留資格 | 就労制限 | 特定技能への変更 |
| 留学 | 週28時間まで(資格外活動許可が必要) | 変更可能 |
| 技能実習 | 実習先でのみ就労可能、転職不可 | 技能実習2号修了後に移行可能 |
| 家族滞在 | 原則就労不可(資格外活動許可で週28時間まで可能) | 変更可能 |
| 技術・人文知識・国際業務 | 専門的な業務で就労可能 | 業務内容により変更可能 |
| 定住者 | 就労制限なし | 変更不要 |
| 永住者 | 就労制限なし | 変更不要 |
| 日本人の配偶者等 | 就労制限なし | 変更不要 |
在留カードの真偽確認
偽造在留カードを使用した不法就労を防ぐため、在留カードが本物かどうかを確認する必要があります。
不法就労を防ぐために
- 在留カードのコピーを保管しておく
- 定期的に在留期限を確認し、更新を促す

在留資格変更許可申請の流れ
現在の在留資格から特定技能に変更するためには、在留資格変更許可申請を地方出入国在留管理局に提出する必要があります。
【申請のタイミング】
- 雇用契約を締結した後
- 在留期限の3ヶ月前から申請可能
- 余裕を持って早めに申請することを推奨
申請先:ネパール人の住居地を管轄する地方出入国在留管理局
【申請者】
- 企業(受入れ機関)が申請を行うことも可能
- ネパール人本人が申請することも可能
- 行政書士に代行を依頼することも可能
申請の流れ
1. 雇用契約の締結
まず、企業とネパール人の間で特定技能雇用契約を締結します。
- 特定技能雇用契約書の作成(日本語版とネパール語版)
- 雇用条件書の作成(日本語版とネパール語版)
- 双方が内容を確認し、署名・押印
2. 申請書類の準備
在留資格変更許可申請には、多くの書類が必要です。
【主な必要書類】
| 書類名 | 説明 |
| 在留資格変更許可申請書 | 所定の様式 |
| 特定技能雇用契約書の写し | 署名・押印済み |
| 雇用条件書の写し | 日本語版とネパール語版 |
| 技能試験の合格証明書 | 該当分野の技能試験(技能実習2号修了者は免除) |
| 日本語試験の合格証明書 | 日本語能力試験N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト(技能実習2号修了者は免除) |
| パスポートと在留カード | 原本とコピー |
| 証明写真 | 4cm×3cm、最近3ヶ月以内 |
| 企業の登記事項証明書 | 発行後3ヶ月以内 |
| 企業の決算書類 | 直近1年分 |
| 労働保険・社会保険の納付証明 | 納付証明書 |
| 特定技能外国人支援計画書 | 支援内容を記載 |
| 手数料 | 4,000円(収入印紙) |
【技能実習2号を良好に修了したネパール人の場合】
- 技能試験と日本語試験が免除される
- 技能実習修了証明書を提出
- 申請がスムーズに進む
3. 地方出入国在留管理局へ申請
準備した書類を持って、管轄の地方出入国在留管理局に申請します。
- 窓口での申請が一般的
- オンライン申請も一部可能
- 受付時間:平日9:00〜16:00(昼休みあり)
- 混雑することが多いため、時間に余裕を持つ
4. 審査
出入国在留管理局で審査が行われます。
- 審査期間:1〜2ヶ月程度
- 書類に不備があると、追加資料の提出を求められる
- 追加資料の提出が遅れると、審査が長引く
- 審査状況はオンラインで確認可能(申請受付番号が必要)
5. 許可・不許可の通知
審査が完了すると、結果が通知されます。
【許可の場合】
- 在留カードの受け取り(窓口または郵送)
- 新しい在留カードには「特定技能1号」と記載される
- 在留期限も更新される(1年間、6ヶ月間、または4ヶ月間)
- 手数料4,000円を収入印紙で支払う
【不許可の場合】
- 不許可の理由が通知される
- 再申請が可能(理由を改善した上で)
- 現在の在留資格で引き続き在留(期限内)
6. 就労開始
新しい在留カードを受け取った日から、特定技能外国人として就労できます。
- 在留カードを確認し、コピーを保管
- 就業開始日を確定
- オリエンテーションと研修を実施
注意点
- 在留資格変更許可申請中でも、現在の在留資格での活動は継続可能
- ただし、許可が下りるまで特定技能の業務には就けない
- 留学生の場合、週28時間の制限は継続
- 許可後に初めてフルタイムで働ける
現地採用との手続きの違いと期間
日本在住のネパール人を採用する場合と、ネパール現地から採用する場合では、手続きと期間に大きな違いがあります。
【手続きの違い】
| 項目 | 現地採用 | 国内在住者採用 |
| 申請の種類 | 在留資格認定証明書の交付申請 | 在留資格変更許可申請 |
| ビザ発給 | 必要(在ネパール日本大使館) | 不要(すでに在留している) |
| 健康診断 | ネパール政府指定機関で必要 | 不要(入社後の健康診断のみ) |
| 出国前オリエンテーション | 必要(2〜3日間) | 不要 |
| 海外労働許可証 | 必要(ネパール政府) | 不要 |
| 渡航費用 | 必要(航空券代) | 不要 |
| 住居の確保 | 企業が準備する必要あり | すでに住居がある場合が多い |
| 生活サポート | 入国後に必要 | 既に日本の生活に慣れている |
【期間の違い】
| 工程 | 現地採用 | 国内在住者採用 |
| 求人・選考 | 1〜2ヶ月 | 2週間〜1ヶ月 |
| 在留資格申請 | 1〜3ヶ月 | 1〜2ヶ月 |
| ビザ発給 | 5営業日 | 不要 |
| 渡航準備 | 2週間〜1ヶ月 | 不要 |
| 合計 | 3〜6ヶ月 | 1〜2ヶ月 |
国内在住者を採用する場合、現地採用より1〜3ヶ月早く就労を開始できるのが大きなメリットです。
コストの違い
国内在住者を採用する場合、以下のコストを削減できます。
【削減できるコスト】

注意すべき点
- 人材紹介会社の手数料は、現地採用とほぼ同額か、場合によっては高くなることもある
- 理由:日本在住のネパール人は日本の給与水準を知っているため、希望給与が高くなる傾向
- 紹介手数料は給与の数ヶ月分(年収の20〜30%)が相場
どちらを選ぶべきか
| 状況 | おすすめの採用方法 |
| 急ぎで人材が必要(1〜2ヶ月以内) | 国内在住者採用 |
| じっくり時間をかけられる(3ヶ月以上) | 現地採用 |
| 複数名を採用したい | 現地採用 |
| 初期費用を抑えたい | 国内在住者採用 |
| 日本語能力を重視 | 国内在住者採用 |
| 若い人材(20代前半)がほしい | 現地採用 |
| 生活サポートの負担を減らしたい | 国内在住者採用 |
7.ネパール人採用にかかる費用の全体像

ネパール人を採用する際、様々な費用が発生します。事前に費用の全体像を把握しておくことで、予算計画を立てやすくなります。
ここでは、採用にかかる主な費用を詳しく解説します。
人材紹介会社を利用する場合の費用
ネパール人の採用には、人材紹介会社を利用するのが一般的です。人材紹介会社を利用した場合の費用について解説します。
人材紹介会社の料金体系
人材紹介会社の料金は、主に成功報酬型です。採用が決定し、実際に就労が開始された時点で費用が発生します。
【一般的な料金相場】
| 採用方法 | 料金の目安 | 備考 |
| ネパール現地から採用 | 30万円〜60万円 | 年収の20〜30%が相場 |
| 日本在住者を採用 | 30万円〜60万円 | 同上 |
| 複数名採用の場合 | 割引あり | 2人目以降は割引される場合が多い |
人材紹介会社のサービス内容
人材紹介会社の費用には、以下のサービスが含まれることが一般的です。
①求人活動
- 求人票の作成サポート
- ネパール現地または国内での人材募集
- 候補者のスクリーニング
- 企業のニーズに合った人材の選定
②面接調整
- 面接の日程調整
- オンライン面接の設定
- 通訳サービス(必要に応じて)
③書類作成サポート
- 特定技能雇用契約書の作成
- 雇用条件書の作成(日本語版・ネパール語版)
- 在留資格申請書類の準備
④在留資格申請サポート
- 在留資格認定証明書の交付申請代行
- または在留資格変更許可申請代行
- 追加資料の対応
⑤入社前サポート
- ビザ発給のサポート(現地採用の場合)
- 渡航準備のサポート(現地採用の場合)
- 入社日の調整
追加費用が発生する場合
- 行政書士への申請代行を別途依頼する場合⇒5万円〜15万円
- 通訳・翻訳サービスを追加で利用する場合⇒1万円〜3万円
- 遠方への出張面接が必要な場合⇒交通費・宿泊費実費
費用が発生しない場合(不採用時)
成功報酬型のため、以下の場合は費用が発生しません。
- 面接を実施したが、採用に至らなかった
- 内定を出したが、辞退された
- 在留資格が不許可になった
複数の人材紹介会社を比較する際のポイント
登録支援機関への委託費用
特定技能外国人を受け入れる企業は、支援計画を作成し、実施する義務があります。自社で支援を行うことも可能ですが、多くの企業は登録支援機関に委託しています。
登録支援機関とは
登録支援機関は、特定技能外国人への支援を企業に代わって行う機関です。出入国在留管理庁に登録された機関のみが、この業務を行えます。
【委託費用の相場】
| 費用項目 | 金額の目安 | 備考 |
| 月額委託費用 | 2万円〜3万円 | 1人あたり |
| 初期費用 | 0円〜5万円 | 機関により異なる |
| 年間費用(1人) | 24万円〜36万円 | 月額×12ヶ月 |
登録支援機関のサービス内容
登録支援機関に委託すると、以下の支援を代行してもらえます。


自社で支援を行う場合
登録支援機関に委託せず、自社で支援を行うことも可能です。
ただし、以下の要件を満たす必要があります。
- 過去2年間に中長期在留者の受入れ実績がある
- または外国人の生活相談業務に従事した経験がある職員がいる
- 支援責任者と支援担当者を選任
- ネパール語または英語で対応できる体制
自社で支援を行えば、登録支援機関への委託費用(年間24万円〜36万円)を削減できます。ただし、社内の負担は増えるため、よく検討する必要があります。
協議会への加入費用
特定技能外国人を受け入れる企業は、各分野に設置された協議会に加入する義務があります。
【協議会の役割】
- 特定技能外国人の受入れに関する情報共有
- 不適切な受入れの防止
- 地域の人手不足状況の把握
- 受入れ企業の指導・支援
【加入時期】
- 特定技能外国人を受け入れてから4ヶ月以内に加入
- 加入しないと、特定技能外国人を受け入れることができなくなる
【加入費用】
ほとんどの分野では無料です。ただし、建設分野のみ有料となります。
| 分野 | 加入費用 | 備考 |
| 介護 | 無料 | – |
| ビルクリーニング | 無料 | – |
| 製造業(3分野) | 無料 | – |
| 建設 | 有料 | 下記参照 |
| 造船・舶用工業 | 無料 | – |
| 自動車整備 | 無料 | – |
| 航空 | 無料 | – |
| 宿泊 | 無料 | – |
| 農業 | 無料 | – |
| 漁業 | 無料 | – |
| 飲食料品製造業 | 無料 | – |
| 外食業 | 無料 | – |
【建設分野の協議会費用】※建設分野のみ、以下の費用が必要です。
| 費用項目 | 金額 | 備考 |
| 入会金 | 24,000円 | 初回のみ |
| 月会費 | 12,000円 | 毎月 |
| 受入れ負担金 | 月12,500円/人 | 特定技能外国人1人あたり |
| 年間費用(1人) | 約31.4万円 | 入会金+月会費×12+受入れ負担金×12 |
建設分野で特定技能外国人を受け入れる場合、この費用は必ず発生するため、予算に組み込んでおく必要があります。
その他の必要経費
上記以外にも、ネパール人採用には様々な費用が発生します。
1. 渡航費用(現地採用の場合)
| 項目 | 金額の目安 | 負担者 |
| 航空券代 | 5万円〜10万円 | 企業が負担することが多い |
| 空港までの交通費 | 5,000円〜1万円 | 企業が負担することが多い |
2. 住居関連費用(現地採用の場合)
| 項目 | 金額の目安 | 備考 |
| 敷金・礼金 | 家賃の2〜4ヶ月分 | 10万円〜20万円程度 |
| 仲介手数料 | 家賃の1ヶ月分 | 5万円〜10万円程度 |
| 家具・家電購入費 | 10万円〜15万円 | 最低限の生活用品 |
| 初月の家賃 | 5万円〜10万円 | – |
| 合計 | 30万円〜55万円 | – |
企業が社員寮や社宅を提供する場合、これらの費用を削減できます。
3. 健康診断費用
| 項目 | 金額の目安 | タイミング |
| ネパールでの健康診断(現地採用) | 1万円〜3万円 | 来日前 |
| 日本での入社時健康診断 | 1万円〜1.5万円 | 入社時 |
| 定期健康診断 | 1万円〜1.5万円 | 年1回 |
4. 行政書士への報酬(個別に依頼する場合)
人材紹介会社のサービスに含まれていない場合、行政書士に在留資格申請を依頼すると、以下の費用が発生します。
| 申請内容 | 報酬の目安 |
| 在留資格認定証明書の交付申請 | 5万円〜15万円 |
| 在留資格変更許可申請 | 5万円〜12万円 |
| 在留期間更新許可申請 | 3万円〜8万円 |
5. 通訳・翻訳費用(個別に依頼する場合)
| 項目 | 金額の目安 |
| 面接時の通訳 | 1万円〜3万円/回 |
| 書類の翻訳(ネパール語⇔日本語) | 3,000円〜5,000円/ページ |
6. 教育・研修費用
| 項目 | 金額の目安 |
| 日本語教室の受講料 | 月5,000円〜2万円 |
| 業務研修教材の作成費 | 5万円〜10万円 |
| OJT担当者の人件費 | – |
7. その他
| 項目 | 金額の目安 |
| 作業服・制服 | 5,000円〜2万円 |
| 安全靴・作業用品 | 5,000円〜1万円 |
| 携帯電話(会社支給の場合) | 月3,000円〜5,000円 |
採用費用の総額(目安)
| 採用方法 | 初年度の総額 | 2年目以降の年間費用 |
| 現地採用 | 80万円〜130万円 | 25万円〜40万円 |
| 国内在住者採用 | 50万円〜80万円 | 25万円〜40万円 |
【内訳(現地採用の場合)】
費用を抑えるポイント
- 複数名を同時に採用
- 人材紹介会社の割引が適用される
- 住居をシェアすることで費用削減
- 社員寮・社宅の提供
- 住居初期費用を大幅に削減
- 家賃も市場価格より安く設定できる
- 自社で支援を行う
- 登録支援機関への委託費用が不要
- ただし、社内の負担は増える
- 建設分野以外を選択
- 協議会費用が無料
- 国内在住者を採用
- 渡航費用、住居初期費用が削減できる

費用は決して安くはありませんが、長期的に働いてくれる人材を確保できれば、十分に投資効果が見込めます。
予算計画をしっかり立て、無理のない採用活動を行いましょう。
ネパール人の採用手順から費用、文化・宗教面での注意点まで、初めて外国人材を採用する企業でも実践できる情報をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。
8.ネパール人採用で持続可能な事業運営を実現しよう

ネパール人採用は、深刻な人手不足を解決する有力な選択肢です。
真面目な国民性、高い協調性、若い労働力という強みを持ち、多くの企業で高評価を得ています。
採用には現地採用と国内採用の2つのルートがあり、費用は50万円〜130万円程度です。
受入れ体制の整備、わかりやすいコミュニケーション、文化への配慮が成功の鍵。人材紹介会社を活用すれば、初めての外国人採用でも安心です。