フィリピン人の就労ビザ条件を完全ガイド|MWO申請から不許可を防ぐ方法を解説の画像

フィリピン人の就労ビザ条件を完全ガイド|MWO申請から不許可を防ぐ方法を解説

フィリピン人の就労ビザの条件として、他国にはない独自のMWO申請が必要です。

難しいそうに聞こえるかもしれませんが、在日フィリピン人の約67%は永住者・定住者など就労制限のない資格を保有しており、適切な知識があればスムーズに採用できます。

この記事では、ビザの種類と条件、MWO申請の手順、不許可を防ぐ7つのポイントまで、初めての方にも分かりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • フィリピン独自のMWO申請の手続きと免除される条件
  • 5種類の就労ビザの特徴と自社に最適なビザの選び方
  • 海外からの呼び寄せと在日フィリピン人採用の具体的な手順と期間

1.フィリピン人の就労ビザが他国と異なる理由

1.フィリピン人の就労ビザが他国と異なる理由

フィリピン人を採用する際、中国やベトナムなど他国とは異なる独自の手続きが必要になります。それが「MWO申請」です。

フィリピン独自の「MWO申請」が必要不可欠

MWO(Migrant Workers Office)申請とは、フィリピン海外労働事務所による承認制度です。

以前はPOLO(Philippine Overseas Labor Office)と呼ばれていましたが、現在はMWOに名称変更されています。

MWO申請が必要な理由

フィリピン政府は自国民の海外労働者を保護するため、独自の管理制度を設けています。

労働条件の適正性や雇用主の信頼性を事前に審査し、フィリピン人労働者が不当な扱いを受けないようにする仕組みです。

関係する主な機関

機関役割
DOLE(労働雇用省)フィリピンでの労働・雇用を規制・監督
POEA(海外雇用庁)海外で働くフィリピン人の権利保護
MWO東京・大阪日本国内でのMWO申請窓口

重要なポイントは、日本在住のフィリピン人を採用する場合でも、原則としてPOEA認定のエージェントを経由する必要があることです。

この手続きを経ずに雇用契約を結ぶことは、フィリピンの法律で禁止されています。

MWO申請が免除される在留資格もある

ただし、すべてのフィリピン人がMWO申請を必要とするわけではありません。

以下の在留資格を持つ方は免除されます。

免除対象の在留資格

  • 永住者
  • 定住者
  • 日本人の配偶者等
  • 永住者の配偶者等
  • 企業内転勤
  • 特定活動(一部)

特に注目すべきは、在日フィリピン人の約67%が永住者・定住者・配偶者ビザなど就労制限のない資格を保有しているという事実です。

在日フィリピン人の在留資格内訳(2024年末時点)】

在留資格人数割合
永住者141,798人41.5%
定住者62,458人18.3%
日本人の配偶者等26,300人7.7%
身分系資格の合計約23万人約67%
技能実習40,700人11.9%
特定技能28,234人8.3%
技術・人文知識・国際業務10,552人3.1%

これらの資格を持つフィリピン人であれば、MWO申請不要で、日本人と同様の雇用管理が可能です。

在日フィリピン人を採用する場合は、まず在留資格を確認することが重要です。

2.フィリピン人が取得できる就労ビザ5種類と取得条件

2.フィリピン人が取得できる就労ビザ5種類と取得条件

フィリピン人を採用する際、どの就労ビザが適しているかは職種や雇用形態によって異なります。

ここでは代表的な5つの就労ビザについて解説します。

技術・人文知識・国際業務ビザ|専門職・事務職向け

通称「技人国(ぎじんこく)」と呼ばれる、最も一般的な就労ビザです。

オフィスワークや専門知識を活かす職種で使われます。

対象となる主な職種

技術分野
人文
国際

取得条件

項目要件
学歴大学卒業以上、または日本の専門学校卒業(専門士取得)
職歴学歴要件を満たさない場合は10年以上の実務経験
職務内容学歴・職歴と関連性のある専門的業務
給与日本人と同等以上

重要な注意点

単純労働は対象外です。コンビニのレジ打ちや工場の単純作業は認められません。

ただし、同じコンビニでも複数店舗のエリアマネージャーとして会計業務を担当するなど、専門性が認められれば取得可能です。

従事不可能な業務

フィリピン人の技術・人文知識・国際業務ビザ取得者は約10,552人(2024年時点)と、他の就労系ビザに比べて少数派ですが、今後の増加が見込まれています。

特定技能ビザ|人手不足分野の即戦力人材向け

人手不足が深刻な特定産業分野において、一定の技能を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。フィリピン人の間で急速に増加しており、前年比186%増という驚異的な伸び率を示しています。

特定技能1号と2号の違い

項目特定技能1号特定技能2号
在留期間通算5年まで無期限(更新可能)
技能水準相当程度の知識・経験熟練した技能
家族帯同不可可能
対象分野16分野建設、造船など

対象となる16分野

特定技能制度の基本的な仕組み1

特定技能制度の基本的な仕組み2

取得条件

  • 技能試験の合格
  • 日本語能力試験N4レベル以上の合格
  • または技能実習2号を良好に修了していること

企業の支援義務

特定技能ビザで外国人を雇用する場合、企業には以下の支援が義務付けられます。

支援内容01

支援内容02

技能実習ビザから育成就労制度への移行

技能実習制度は、開発途上国への技能移転を目的とした制度です。

フィリピン人の技能実習生は約40,700人(2024年時点)で、就労系ビザの中で最も多い人数です。

技能実習の段階構造

段階在留期間内容
技能実習1号1年基礎的な技能習得
技能実習2号2年より高度な技能習得
技能実習3号2年熟練した技能の習得

各段階への移行には、技能検定試験の合格が必要です。

対象となる主な分野

  • 製造業(機械加工、溶接、鋳造など)
  • 建設業
  • 農業
  • 漁業
  • 食品製造
  • 介護

育成就労制度への移行

2024年に創設された「育成就労」制度は、技能実習制度の後継として段階的に移行が進められています。この新制度の特徴は、特定技能への移行を前提としている点です。

  • 技能実習よりもスムーズに特定技能へ移行可能
  • 企業と本人の双方にキャリアの見通しが立てやすい
  • より実践的な技能習得を重視

育成就労制度は、育成就労外国人が育成就労産業分野において就労(原則3年以内)することにより、特定技能1号水準の技能を有する人材を育成するとともに、当該分野における人材を確保することを目的としています。

育成就労産業分野は、特定技能制度の受入れ分野である特定産業分野のうち、就労を通じて技能を修得させることが相当なもの、となります。在留資格は「育成就労」です。

引用元:JITCO「育成就労制度の目的

経営・管理ビザ|起業家・経営層向け

日本で事業を経営する、または経営管理に従事するフィリピン人が取得するビザです。一般的な雇用とは異なり、経営者や役員を招聘する際に使用します。

取得条件

  • 事業所の確保(事務所を構えていること)
  • 資本金500万円以上、または常勤職員2名以上の雇用
  • 事業の安定性・継続性が見込まれること
  • 経営または管理に実質的に従事すること

注意点

経営・管理ビザは他の就労ビザに比べて取得難易度が高く、準備段階から専門家(行政書士など)への相談が推奨されます。事業計画書、資金証明、事業所の賃貸契約書など、多くの書類が必要です。

その他の就労ビザ|高度専門職・企業内転勤など

高度専門職ビザ

ポイント制を採用しており、学歴、職歴、年収、年齢などを点数化し、70点以上で取得可能です。80点以上であれば、永住権取得までの期間が大幅に短縮されます。

企業内転勤ビザ

海外の親会社や関連会社から日本の事業所へ転勤する場合に取得します。最大のメリットは、MWO申請が免除される点です。

介護ビザ

介護福祉士の国家資格を取得したフィリピン人が対象です。EPA(経済連携協定)による受入れや、介護福祉士養成施設を卒業したケースで取得できます。

3.在日フィリピン人を採用する場合の確認ポイントと手続き

3.在日フィリピン人を採用する場合の確認ポイントと手続き

すでに日本に住んでいるフィリピン人を採用する場合、海外からの呼び寄せとは異なる確認ポイントがあります。

在留カードで就労可否を確認する3つのチェックポイント

フィリピン人を採用する際、最初に必ず確認すべきは在留カードです。確認漏れがあると、不法就労助長罪に問われるリスクがあります。

チェック1:在留資格の種類(表面)

在留カードの表面中央に記載されている在留資格を確認します。

資格区分就労可否
永住者、定住者、配偶者ビザ制限なし
技術・人文知識・国際業務、特定技能職種に応じて可
留学、家族滞在原則不可(資格外活動許可で週28時間まで可)
短期滞在不可

チェック2:在留期限(表面)

在留期限が切れていないか、または近々切れる予定がないかを確認します。期限が3ヶ月以内に迫っている場合は、更新手続きのスケジュールも確認しましょう。

チェック3:就労制限の有無(裏面)

在留カードの裏面には、就労制限に関する記載があります。

  • 「就労制限なし」⇒どの職種でも就労可能
  • 「就労不可」⇒原則として就労できない
  • 「在留資格に基づく就労活動のみ可」⇒特定の活動のみ可能

実務上の注意点

  • 在留カードとパスポートの両方を確認
  • コピーを取って保管
  • 本人と一緒に確認し、内容を説明
  • 偽造カードに注意(ICチップの確認、出入国在留管理庁のアプリで確認可能)

就労制限なしの資格を持つフィリピン人なら即戦力採用が可能

在日フィリピン人の最大の特徴は、約67%が永住者・定住者・配偶者ビザなど就労制限のない資格を保有していることです。

就労制限なし資格のメリット

メリット内容
職種・業種の制限なし製造業、サービス業、建設業、介護など、どの分野でも雇用可能
雇用形態が自由正社員、契約社員、パート、アルバイトなど制限なし
MWO申請不要複雑なフィリピン側の手続きが一切不要
日本人と同様の管理在留期限の管理以外は、基本的に日本人と同じ扱い
即戦力採用日本での生活基盤がすでにあるため、すぐに戦力化可能

この層は企業にとって採用しやすく、手続きの負担も少ないため、積極的に検討する価値があります。

在留資格変更が必要になるケース

すでに日本にいるフィリピン人でも、現在の在留資格と異なる活動を行う場合は在留資格変更許可申請」が必要です。

よくある変更ケース

変更前変更後手続き
留学技術・人文知識・国際業務在留資格変更許可申請
技能実習特定技能在留資格変更許可申請
家族滞在就労系ビザ在留資格変更許可申請
同職種へ転職同じ在留資格所属機関の届出のみ

変更申請の注意点

  • 審査期間は1〜3ヶ月程度
  • 短期滞在から就労資格への変更は原則不可
  • 雇用契約書と申請書の内容を完全一致させる
  • 就労資格証明書の取得を推奨(次回更新がスムーズになる)

外国人材を雇用することでもたらす7つの具体的メリットや、最新統計と企業事例など成功に導くポイントを詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

外国人労働者受け入れの7つのメリットと成功のポイントを解説
外国人労働者受け入れの7つのメリットと成功のポイントを解説
本記事では、外国人雇用がもたらす7つの具体的メリットを最新統計と企業事例で詳しく解説し、成功に導くポイントをご紹介します。
https://back-end.co.jp/media/contents/seven-merits-of-the-foreign-worker-acceptance/

4.海外からフィリピン人を呼び寄せる完全手順

4.海外からフィリピン人を呼び寄せる完全手順

フィリピンから新たに人材を呼び寄せる場合、日本側とフィリピン側の両方で手続きが必要です。全体で3〜6ヶ月程度かかります。

ステップ1:在留資格認定証明書(COE)の申請【日本側】

COE(Certificate of Eligibility)とは、日本の入国管理局が発行する「この外国人は就労資格を満たしている」という事前審査の証明書です。

申請の流れ

ステップ内容所要期間
必要書類の準備1〜2週間
入国管理局へ申請
審査1〜3ヶ月
COE交付(郵送)
COE原本を本人に国際郵便で送付1週間

必要書類(技術・人文知識・国際業務の場合)

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 写真(4cm×3cm)
  • 返信用封筒(404円切手貼付)
  • 雇用契約書
  • 卒業証明書・成績証明書
  • 職務内容説明書
  • 登記事項証明書
  • 決算書(直近2期分)
  • 会社案内

審査のポイント

  • 職務内容と学歴・職歴の関連性が明確か
    ⇒職務内容と学歴・職歴の関連性です。大学で学んだ専攻分野や過去の職務経験が、採用後の仕事内容と論理的につながっているかを審査します。
  • 給与が日本人と同等以上か
    ⇒フィリピン人候補者に支払う給与が、同じ職種の日本人社員と同等以上であることが必須条件です。
  • 企業の経営が安定しているか
    ⇒会社が外国人を継続的に雇用できる財務状況にあるか決算書や事業計画書から判断します。

ステップ2:MWO申請の手続き【日本側・フィリピン側】

COE申請と並行して、MWO(旧POLO)申請も進めます。これはフィリピン独自の手続きです。

日本側の手続き(MWO東京・大阪)

【MWO申請の手続きの流れ】

ステップ内容所要時間
必要書類の確認・調整1週間
申請書類の作成と英訳2週間
MWOへ書類申請
面接(場合による)
承認書の発行1〜2ヶ月

必要書類

  • MWO申請書(英文)
  • 登記事項証明書(英訳付き)
  • 雇用契約書(英訳付き)
  • 会社概要・事業内容説明書(英文)
  • 給与明細の見本
  • 社会保険加入証明書

フィリピン側の手続き

本人がフィリピンで行う手続きです。

  1. POEAでの海外就労許可申請(2〜4週間)
    • MWO承認書を提示
    • 海外雇用許可証(OEC)の取得
  2. 在フィリピン日本大使館での査証申請(1週間程度)
    • COE原本を提示
    • パスポート
    • 証明写真
    • 査証申請書

費用の目安

項目費用
申請手数料無料
書類翻訳費用5万円〜10万円
POEA認定エージェント手数料10万円〜30万円

ステップ3:査証発給と来日【フィリピン側】

日本大使館で査証が発給されたら、いよいよ来日です。

来日までの流れ

来日までの流れ
査証取得
パスポートに査証シールが貼付
航空券の手配
早めの予約がおすすめです
来日
査証の有効期間は3ヶ月
在留カード受領
指定された空港で受領します
住民登録
14日以内に市区町村役場にて

企業側のサポート

  • 空港への出迎え
  • 住居の手配・案内
  • 生活オリエンテーション
  • 市役所手続きの同行
  • 社会保険・雇用保険の加入手続き

重要な注意点

査証の有効期間は発給日から3ヶ月です。

この期間内に来日しないと、査証は無効になり、再度申請が必要になります。

5.就労ビザ申請で不許可にならないための7つのポイント

5.就労ビザ申請で不許可にならないための7つのポイント

就労ビザの申請が不許可になると、再申請のハードルが上がります。ここでは、不許可を防ぐための7つのポイントを紹介します。

ポイント1:職務内容と学歴・職歴の関連性を明確に証明する

技術・人文知識・国際業務ビザの審査で最も重視されるのが、職務内容と学歴・職歴の関連性です。

よくある不許可例

  • 経済学部卒なのに、工場のライン作業を担当
  • 観光学部卒なのに、一般事務のみの業務
  • ITエンジニアとして採用予定だが、実際はヘルプデスク業務のみ

対策

✓職務内容説明書を詳細に作成(1日の業務の流れを時間割で示す)
✓ 専門知識が必要な業務を具体的に記載
✓ 使用するツールやシステムを明記
✓ 学歴証明書(卒業証明書・成績証明書)を正確に準備
✓ 専攻分野と職務の関連性を理由書で説明

曖昧な表現(「IT業務全般」「事務作業」など)は避け、具体的に記載することが重要です。

ポイント2:雇用契約書と申請書の内容を完全一致させる

雇用契約書、求人票、申請書の3つで内容が異なると、「虚偽申請」と判断され、即不許可になります。

チェックリスト

確認項目

  • 職種名が一致しているか

  • 給与額が一致しているか

  • 勤務地が一致しているか

  • 職務内容の記載に矛盾がないか

  • 雇用形態が一致しているか

  • 契約期間が一致しているか

対策

✓ 3つの書類を同時に作成
✓ 複数人でダブルチェック(人事、現場責任者、総務)
✓ 数値は完全一致させる

ポイント3:給与を日本人と同等以上に設定する

入管法では、外国人労働者の給与を日本人と同等以上にすることが義務付けられています。

対策

✓ 社内の同職種日本人の給与を調査
✓ 業界平均と比較(厚生労働省の賃金構造基本統計調査を参照)
✓ 地域差を考慮
✓ 給与の根拠を明示(基本給の算定根拠、手当の内訳)

最低賃金を下回らないことはもちろん、同じ職種の日本人より著しく低い給与は不許可の原因になります。

ポイント4:納税・社会保険の証明書類を完備する

申請者の納税状況や社会保険の加入状況は、素行審査の一環としてチェックされます。

必要な証明書類

本人が用意するもの(在日フィリピン人の場合)

  • 住民税納税証明書(直近1年分)
  • 住民税課税証明書
  • 国民年金または厚生年金の納付証明書
  • 国民健康保険または社会保険の加入証明書

企業が用意するもの

  • 社会保険料納入証明書
  • 厚生年金保険料納付証明書
  • 雇用保険適用事業所設置届の控え

未納がある場合の対処法

✓ 分納計画を立てる(市区町村役場で相談し、計画書を申請書類に添付)
✓ 未納分を完納する(申請前に全額納付し、納付証明書を取得)
✓ 理由書で説明する(過去の事情と現在は改善している旨を記載)

ポイント5:会社の経営安定性を示す書類を整える

入管は「この会社は本当に外国人を継続雇用できるのか」を審査します。

必要な書類

企業規模必要書類
上場企業・大企業四季報のコピー、会社案内
中小企業決算書(直近2期分)、法人税納税証明書
小規模企業・新設企業決算書、事業計画書、資金証明、受注実績

赤字企業の対策

✓ 理由書で改善計画を説明(「前期は設備投資により一時的に赤字だが、今期は黒字化の見込み」など)
✓ 具体的な数値を示す(今期の売上見込み、受注残高、資金繰り表)
✓ 雇用の必要性を説明(「海外展開のため英語対応可能な人材が必要」など)

赤字だからといって必ず不許可になるわけではありません。

ポイント6:過去の在留状況に問題がないか事前確認する

過去にオーバーステイ(不法滞在)や資格外活動違反があると、大きなマイナス要因になります。

チェックすべき項目

チェックすべき項目
オーバーステイ歴はないか
資格外活動違反はないか
(留学中に週28時間以上働いたなど)
過去のビザ申請で不許可になったことはないか
退去強制歴はないか
犯罪歴・前科はないか

過去に問題があった場合の対策

✓ 理由書で正直に説明(隠すとかえって不利)
✓ 改善した事実を示す(その後の在留期間中は問題なし、納税・社会保険も適切に納付)
✓ 企業側のサポート体制を説明(定期的なコンプライアンス研修の実施など)

過去に問題があっても、反省と改善が認められれば許可される可能性はあります。

ポイント7:申請書類の不備・記載ミスをゼロにする

書類不備や記載ミスがあると、それだけで不許可になるケースがあります。

よくあるミス

❌ 写真のサイズ違い(4cm×3cm指定なのに3cm×4cm)
❌ 日付の記載ミス(西暦と和暦の混同)
❌ 署名・押印の漏れ
❌ 添付書類の不足
❌ 英訳の誤り
❌ 金額の桁間違い

書類確認チェックリスト

申請前の最終チェックリスト

提出前に、各項目をチェックして確認しましょう。

対策

✓ 複数人でダブルチェック(最低でも3人:作成者本人、別の担当者、管理職)
✓ 専門家への相談(行政書士に依頼すれば、不許可リスクを大幅に減らせる)

一度不許可になると、再申請のハードルが上がります。初回申請を確実に成功させることが何より重要です。

6.就労ビザ取得後の更新・変更手続きと期限管理

6.就労ビザ取得後の更新・変更手続きと期限管理

就労ビザを取得した後も、更新や変更の手続きが必要になります。期限管理を怠ると不法滞在になるリスクがあります。

在留期間更新は3ヶ月前から準備開始

在留期間の更新申請は、在留期限の3ヶ月前から可能です。審査に1〜3ヶ月かかるため、余裕を持って準備しましょう。

更新申請の流れ

在留資格更新手続きのステップ

申請から受領までの流れを分かりやすく解説

ステップ ①

必要書類の準備開始

時期: 3ヶ月前

ステップ ②

入管局に申請書類を提出

時期: 2ヶ月前

ステップ ③

審査

期間: 1〜3ヶ月

ステップ ④

結果通知(はがきで届く)

審査完了後

ステップ ⑤

手数料納付

金額: 6,000円(オンライン 5,500円)

ステップ ⑥

在留カード受領

手続き完了

必要書類(技術・人文知識・国際業務の場合)

  • 在留期間更新許可申請書
  • 写真(4cm×3cm、3ヶ月以内撮影)
  • パスポート
  • 在留カード
  • 雇用契約書(更新後の契約内容)
  • 住民税納税証明書(直近1年分)
  • 住民税課税証明書(直近1年分)
  • 在職証明書
  • 会社の決算書(直近1期分)
  • 理由書(更新の必要性を説明)

契約内容に変更がある場合

給与や職務内容が変更になっている場合は、新しい雇用契約書と併せて、変更理由を理由書で説明します。

2025年4月からの手数料改定

申請方法手数料
窓口申請6,000円
オンライン申請5,500円

重要な注意点

在留期限を1日でも過ぎると、不法滞在となり、退去強制の対象になります。

本人だけでなく、雇用している企業も不法就労助長罪に問われる可能性があるため、絶対に期限を守りましょう。

転職時の在留資格変更と所属機関の届出

フィリピン人社員が転職する場合、手続きが必要です。同じ職種への転職か、異なる職種への転職かで手続きが変わります。

同じ職種・業種への転職

手続き内容
所属機関の届出入管への届出のみ(14日以内)
方法オンラインまたは郵送
費用無料

届出内容

  • 契約を終了した所属機関(前職)
  • 契約を締結した所属機関(新しい職場)
  • 契約期間
  • 報酬額

異なる職種への転職

手続き内容
在留資格変更許可申請新しい職務内容が現在の在留資格に該当しない場合
審査期間1〜3ヶ月
手数料6,000円(オンライン5,500円)

就労資格証明書の取得を推奨

転職時には「就労資格証明書」の取得をお勧めします。

これは「新しい職場での仕事内容が、現在の在留資格で問題なく働ける」ことを入国管理局が事前に確認し、証明してくれる書類です。

取得は任意ですが、この証明書を持っていると次回の在留期間更新がスムーズになります。

更新審査の際、すでに職務内容の適合性が確認済みとなるため、追加の説明や書類提出を求められるリスクが大幅に減ります。

手数料は900円と安価なため、転職後に職務内容が在留資格に合っているか不安な場合は、取得しておくと安心です。

社内で在留期限を一元管理する仕組みづくり

複数のフィリピン人社員を雇用している場合、個別に期限を管理すると漏れが発生しやすくなります。社内で一元管理する仕組みを作りましょう。

期限管理の方法

1. Excelでの管理

氏名在留資格在留期限更新申請予定日担当者備考
A氏技人国2026/3/312025/12/31人事部・山田初回更新
B氏特定技能1号2025/11/302025/8/31総務部・佐藤転職者

2. リマインド設定

Googleカレンダーなどで以下の日程を登録

  • 更新申請開始日(期限の3ヶ月前)
  • 書類準備締切日(申請の1ヶ月前)
  • 在留期限日

3. 社内体制の構築

担当者の明確化

  • 主担当:人事部または総務部
  • 副担当:現場責任者

定期確認ミーティング

  • 月1回、在留期限の確認会議を実施
  • 更新申請の進捗確認
  • 必要書類の準備状況確認

本人への通知

  • 6ヶ月前:「更新時期が近づいています」と通知
  • 3ヶ月前:「更新申請を開始します」と通知、必要書類の案内
  • 1ヶ月前:最終確認

マニュアルの整備

  • 更新手続きのフローチャート
  • 必要書類チェックリスト
  • 行政書士の連絡先
  • 過去の申請書類の保管場所

期限管理の失敗例と対策

失敗例対策
在留期限が切れてから気づいた3ヶ月前と1ヶ月前に必ずリマインドを設定
本人が手続きを忘れていた企業側が主体的に管理し、本人に通知
審査が長引き、期限に間に合わなかった余裕を持って3ヶ月前に申請開始
担当者の異動で引き継ぎ漏れ一元管理表を作成し、複数人で共有

在留期間の管理は、本人任せにせず、企業側が主体的に行うことが重要です。

7.フィリピン人就労ビザに関するよくある質問(FAQ)

7.フィリピン人就労ビザに関するよくある質問(FAQ)

フィリピン人の就労ビザに関して、採用担当者からよく寄せられる質問と回答をまとめました。

Q1. MWO申請にはどれくらいの期間がかかりますか?

A. 通常1〜2ヶ月程度ですが、書類不備があると追加で時間がかかります。

MWO申請は、書類提出から承認まで平均して1〜2ヶ月かかります。

期間が延びる要因

要因追加期間
書類不備による再提出+2〜4週間
面接が必要な場合+2〜3週間
MWO東京・大阪の混雑状況+1〜2週間
フィリピンの祝日・長期休暇+1週間

期間短縮のコツ

フィリピン人材採用に向けた
重要タスクリスト

事前にMWOに必要書類を確認する

書類の英訳は専門業者に依頼する

POEA認定エージェントを早めに選定する

COE申請と並行して進める

COE申請とMWO申請を同時進行すれば、全体で3〜4ヶ月程度に短縮できます。

Q2. フィリピン人を採用する際、MWO申請を忘れるとどうなりますか?

A. フィリピン人が来日できず最悪の場合、フィリピン政府のブラックリストに登録される可能性があります。

MWO申請を経ずにフィリピン人を雇用することは、フィリピンの法律で禁止されています

MWO申請なしで雇用した場合のリスク

リスク内容
査証が発給されないMWO承認書がないと査証申請ができず、来日できない
ブラックリスト登録違法な雇用を行った企業として登録され、今後フィリピン人を雇用できなくなる
本人が罰則を受けるフィリピン人本人もフィリピン政府から罰則を受ける可能性
企業の信用問題コミュニティで悪評が広まり、今後の採用活動に支障

防止策

  • フィリピン人採用時は必ずMWO申請の要否を確認
  • POEA認定エージェントに相談
  • 行政書士に依頼する

Q3. 在日フィリピン人全員がMWO申請必要ですか?

A. いいえ、永住者・定住者・配偶者ビザ・企業内転勤などの資格を持つ方は免除されます。

在日フィリピン人の約67%はMWO申請が不要な資格を持っています。

MWO申請の要否一覧

在留資格MWO申請
永住者不要
定住者不要
日本人の配偶者等不要
永住者の配偶者等不要
企業内転勤不要
特定活動(一部)不要
技術・人文知識・国際業務必要
特定技能必要
技能実習必要
経営・管理必要

採用時に在留カードを確認し、在留資格の種類を確認しましょう。不明な場合は、MWO東京・大阪またはPOEA認定エージェントに問い合わせることをお勧めします。

8.適切な知識で確実なフィリピン人採用を実現

8.適切な知識で確実なフィリピン人採用を実現

フィリピン人の就労ビザはMWO申請という独自手続きがありますが、在日フィリピン人の67%は就労制限のない資格保有者です。

海外から迎える場合は3〜6ヶ月かかるため、COE申請とMWO申請を並行して進めましょう。

不許可を防ぐには、職務内容と学歴の関連性、給与水準、書類の整合性が重要です。適切な準備で、高い英語力とホスピタリティを持つフィリピン人材を迎え入れましょう。

外国人雇用において行政書士が果たす役割や依頼すべき具体的な業務、さらには信頼できる行政書士の見つけ方など詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。

外国人雇用は行政書士に相談しよう!依頼すべき重要業務と選び方
外国人雇用は行政書士に相談しよう!依頼すべき重要業務と選び方
本記事では、外国人雇用において行政書士が果たす役割や依頼すべき具体的な業務、さらには信頼できる行政書士の見つけ方までを網羅的に解説します。
https://back-end.co.jp/media/contents/employment-of-foreigners-administrative-scrivener/
記事を書いた人
butterfly-effect
行政書士法人バタフライエフェクト
行政書士法人バタフライエフェクトは、外国人の就労ビザ取得、相談のエキスパートです。上場企業様から小規模の会社様まで、これまで10,000件以上の案件を支援。就労ビザを踏まえた外国人雇用のコンサルティングも行っており、年間実績1,500件、ビザの専門家が多数在籍しています。
https://kigyosapri.com/visa/

1号特定技能外国人支援・登録支援機関なら
株式会社バックエンドにお任せ

今後益々増加が見込まれる外国人労働者。
企業が外国人を特定技能の在留資格で雇用する場合の登録支援機関業務を行います。