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スリランカ人の日本就労ビザ|申請手続き・採用メリット・5つの注意点

近年、スリランカ人の日本での就労が急増しています。

2023年時点で在日スリランカ人は約4万7千人に達し、特に特定技能ビザでの在留者は2021年から2023年の間に400%増という驚異的な伸びを記録しています。

本記事では、スリランカ人を雇用するための就労ビザの種類、申請手続き、採用メリット、注意点、費用相場まで、企業の人事担当者・経営者が知っておくべき情報を徹底解説します。

この記事を読んでわかること
  • 技人国ビザと特定技能ビザの違いと選び方
  • スリランカ人を雇用する5つのメリットと3つの注意点
  • ビザ申請の具体的な手続きと費用相場

1.スリランカ人が日本で急増している背景

1.スリランカ人が日本で急増している背景

スリランカの経済危機と海外就労の増加

スリランカは2022年に深刻な経済危機に直面しました。

燃料価格の急激な上昇と物価の大幅な高騰により、同年9月には首都コロンボのインフレ率が前年同月比69.8%に達したという報告があります(参考:JETRO)。

この経済的混乱は国民の生活を直撃し、国内での雇用機会の減少と生活水準の低下を招きました。

このような国内情勢の不安定化に伴い、スリランカから海外へ出稼ぎに出る人々が急増しています。

スリランカ政府も海外就労を積極的に推進しており、公務員に対して最大5年間の海外就労を認める制度を導入するなど、国を挙げて外貨獲得と国民の雇用機会拡大に取り組んでいる状況です。

在日スリランカ人の最新統計データ

法務省の在留外国人統計によると、日本に在留するスリランカ人は年々増加傾向にあります。

在日スリランカ人数の推移

  • 2022年時点: 約34,966人
  • 2023年12月時点: 46,949人

在留資格別の内訳(2023年)

  • 技術・人文知識・国際業務(技人国): 約11,275人
  • 家族滞在: 約9,114人
  • 留学: 約7,661人
  • 特定技能: 急増中

特に注目すべきは特定技能ビザでの在留者の増加率です。

2021年から2023年の間に、特定技能での在留者数は400%増加という驚異的な伸びを見せており、スリランカ人材の受入れが急速に拡大している状況が読み取れます。

日本とスリランカの二国間協定(MOC)とは

日本とスリランカは、2019年6月19日に特定技能に関する協力覚書(MOC: Memorandum of Cooperation)を締結しました。

この二国間協定は、特定技能制度における両国の役割を明確にし、制度の適正な運用と特定技能外国人の保護を目的としています。

協定で定められた連絡窓口機関

機関名
日本法務省出入国在留管理庁在留管理支援部在留管理課
スリランカ通信・海外雇用・スポーツ省スリランカ海外雇用局(SLBFE)求人課

協定の主な内容

  • 悪質な仲介業者の排除(保証金徴収、違約金、人権侵害行為の情報共有)
  • 送出し・受入れに関する情報の共有
  • 技能試験・日本語試験の適正実施と不正防止
  • 定期協議の実施による制度改善

この二国間協定により、スリランカからの特定技能人材の受入れは制度的な裏付けを持ち、企業は安心して採用活動を進めることができます。

2.スリランカ人が取得できる日本の就労ビザは主に2種類

2.スリランカ人が取得できる日本の就労ビザは主に2種類

スリランカ人が日本で働くためには、就労が認められる在留資格(いわゆる「就労ビザ」)が必要です。

就労ビザは約19種類に分かれていますが、スリランカ人の雇用で代表的なものは「技術・人文知識・国際業務(技人国)」「特定技能」の2つです。

技術・人文知識・国際業務ビザ(技人国)の概要

技術・人文知識・国際業務ビザ(略称:技人国ビザ)は、オフィスワーカーやホワイトカラーと呼ばれる知的労働や技術・開発的労働、事務系、企画・営業・販売系の職種で外国人を雇用するためのビザです。

対象となる主な職種

【技術分野】

技術分野

【人文知識分野】

人文

【国際業務分野】

国際

最大の特徴は学歴要件です。基本的には以下のいずれかが必要です。

  • 大学卒業(学士号取得)
  • 日本の専門学校卒業(専門士取得)
  • 10年以上の実務経験(一部職種)

さらに、学歴と業務内容に関連性がなければなりません

例えば、

  • 経営学部卒 → 営業、マーケティング、経理
  • 情報工学部卒 → エンジニア、プログラマー
  • 語学系専攻 → 通訳、翻訳、語学教師

就労できる業務範囲は広く、転職も比較的自由です。在留期間も5年、3年、1年などの期間が与えられ、更新を繰り返すことで長期的な就労が可能です。

特定技能ビザの概要

特定技能ビザは、2019年4月に新設された比較的新しい在留資格で、日本国内で人手不足が深刻な産業分野での人材確保を目的としています。

最大の特徴は学歴不要という点です。技人国ビザとは異なり、大学や専門学校を卒業していなくても、以下の要件を満たせば取得できます。

  • 日本語能力試験N4レベル以上
  • 各分野の技能試験に合格

対象となる16分野

分野主な業務内容特徴
介護身体介護、レクリエーション実施高齢化で需要大
ビルクリーニング建築物内部の清掃夜間・早朝勤務も
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業鋳造、金属プレス、機械加工、溶接、塗装、組立製造業の基盤、統合分野
建設型枠施工、左官、とび、建設機械施工資格取得支援も
造船・舶用工業溶接、塗装、仕上げ専門技術習得
自動車整備自動車の日常点検整備、分解整備整備士資格も
航空航空機整備、空港グランドハンドリング専門性高い
宿泊フロント、企画、広報、接客観光業で活躍
農業耕種農業、畜産農業地方での需要大
漁業漁業、養殖業沿岸地域で需要
飲食料品製造業食品製造・加工、安全衛生食品工場など
外食業飲食物調理、接客、店舗管理飲食店で活躍
自動車運送業トラック運送、バス運送、タクシー運送2024年3月追加
鉄道鉄道車両の運転・保守整備2024年3月追加
林業造林、育林、伐採、木材搬出2024年3月追加
木材産業製材、木材加工、木製品製造2024年3月追加

2024年3月に「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野が追加され、従来の12分野から16分野に拡大されました。

また、「素形材産業」「産業機械製造業」「電気・電子情報関連産業」の3分野は2022年に「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」として統合されています。

企業側の義務

特定技能では、企業に支援義務があります。

支援内容01

支援内容02

自社で対応できない場合は、登録支援機関に委託することも可能です。

そのため、技人国ビザと比べて企業の負担は増えますが、学歴を問わず優秀な人材を確保できるメリットがあります。

2つのビザの違いを比較表で理解する

技人国ビザと特定技能ビザの違いを一覧表で確認しましょう。

比較項目技術・人文知識・国際業務特定技能
学歴要件大学卒または日本の専門学校卒が原則必要不要
試験要件なし(学歴で代替)日本語N4以上+技能試験合格
対象職種事務職、営業、エンジニア、通訳など幅広い14分野の特定産業のみ
就労内容ホワイトカラー業務中心現場作業を含む実務全般
在留期間5年、3年、1年など1号:最長5年、2号:更新可能
家族帯同可能(配偶者・子を家族滞在で呼寄せ)1号:不可、2号:可能
転職の自由度同じ在留資格の範囲内で自由同じ分野内でのみ可能
企業の支援義務特になし義務あり(支援計画の作成・実施)
受入れ人数制限なし分野によって上限あり
報酬水準日本人と同等以上日本人と同等以上

どちらを選ぶべきか

技人国ビザが適している場合

  • 大学卒業者を採用する
  • オフィスワーク中心の業務
  • 長期的なキャリアパスを提供したい
  • 家族帯同を認めたい

特定技能ビザが適している場合

  • 学歴を問わず人材を確保したい
  • 14分野の特定産業で人手不足
  • 現場作業を含む実務に従事させる
  • 5年以内の雇用を想定

自社の業種と採用したい人材の特性に合わせて、適切なビザを選択することが重要です。

3.技術・人文知識・国際業務ビザでスリランカ人を雇用する方法

3.技術・人文知識・国際業務ビザでスリランカ人を雇用する方法

技人国ビザの基本要件4つ

技人国ビザの申請が許可されるためには、以下の4つの基本要件を満たす必要があります。

要件1: 学歴と業務内容の関連性

外国人本人の学歴(大学での専攻や専門学校での学習内容)と、実際に従事する業務内容に関連性が求められます。

【具体例】

  • ✅ 経営学部・商学部卒 → 営業、マーケティング、経理
  • ✅ 情報工学部・コンピュータサイエンス専攻 → エンジニア、プログラマー
  • ✅ 語学系専攻 → 通訳、翻訳、語学教師
  • ❌ 文学部卒 → 製造現場での単純労働(関連性なし)

関連性がない場合、10年以上の実務経験で代替できるケースもありますが、基本的には学歴と業務の一致が重要です。

要件2: 日本人と同等以上の報酬

給与などの報酬が、同じ職種で働く日本人と同等以上でなければなりません。これは外国人を低賃金労働力として利用することを防ぐための規定です。

地域や業種の相場を踏まえた適正な給与設定が必要です。

要件3: 安定した雇用契約の存在

日本の会社などとの長期的かつ安定した雇用契約が確保されている必要があります。

【契約書に明記すべき事項】

契約・業務情報の可視化

業務内容の詳細

勤務時間・休日

給与額・支払方法

雇用期間

勤務地

要件4: 素行の善良性

以下の点が確認されます。

  • 過去に犯罪歴がないこと
  • 税金や住民税などの滞納がないこと
  • 資格外活動違反がないこと(留学生の場合)
  • オーバーステイの経歴がないこと

日本国内に既に在留している方の場合、日本での在留状況も審査対象となるため、住民税の納付や資格外活動違反がないかなどを事前に確認しましょう。

日本国内にいるスリランカ人の場合の申請手続き

既に日本に在留しているスリランカ人(例:留学生、家族滞在など)を雇用する場合は、在留資格変更許可申請を行います。

申請の流れ

申請の流れ

  1. 雇用契約の締結
    ⇒ 採用するスリランカ人と正式な雇用契約を結びます
  2. 必要書類の準備
    • 在留資格変更許可申請書
    • 雇用契約書または労働条件通知書
    • 卒業証明書・成績証明書
    • 会社の登記事項証明書
    • 決算書類
    • 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表
    • 事業内容を説明する資料
  3. 出入国在留管理局へ申請
    ⇒ 外国人本人の住所地を管轄する入管に申請します。企業の人事担当者が代理人として申請することも可能です。
  4. 審査
    ⇒ 審査期間は2週間~1ヶ月程度が目安ですが、案件によって異なります
  5. 結果通知・在留カード交付
    ⇒ 許可されると新しい在留カードが交付されます

重要な注意点

⚠️ 申請中の就労制限
申請中は原則として現在の在留資格での活動しかできません。許可が下りる前に就労させることは違法です。

⚠️ 資格外活動違反のチェック
留学生の場合、アルバイトは週28時間以内(夏休み等の長期休暇中は1日8時間以内)です。この制限を超えていないか確認しましょう。違反があると不許可の原因になります。

⚠️ 住民税の納付状況
住民税の納付状況も審査されるため、未納がある場合は事前に納付しておくことが重要です。

スリランカから呼び寄せる場合の申請手続き

スリランカに住んでいる方を日本に招へいして雇用する場合は、在留資格認定証明書交付申請を行います。

申請の流れ

ステップ1人材の選定と雇用契約の締結

スリランカ在住の候補者と雇用契約を締結します。

ステップ2日本での在留資格認定証明書交付申請
  • 通常、雇用主(所属機関)の担当者などが代理人となって申請します。
  • 申請先は会社の所在地を管轄する地方出入国在留管理局です。
  • 審査期間: 1~3ヶ月程度

必要書類

在留資格申請
提出書類チェックリスト

在留資格認定証明書交付申請書

(必須:所定のフォーム)

雇用契約書

(労働条件明示書等)

スリランカの大学の卒業・成績証明書

(日本語または英語訳付き)

会社の登記事項証明書

(法務局発行)

決算書類

(直近1年分の貸借対照表、損益計算書等)

事業内容説明資料

(会社概要、パンフレット等)

その他

(補足資料、理由書など)

ステップ3:認定証明書の郵送

交付された認定証明書の原本を本人に国際郵便(EMS推奨)で送ります。

ステップ4:スリランカでの査証申請

本人が在スリランカ日本国大使館(現在は「日本ビザ申請センター」に委託)にて査証(ビザ)申請を行います。

【必要書類】

査証(ビザ)申請
提出書類と審査期間

認定証明書の原本

(必須:交付されたもの)

パスポート

(残存期間を確認)

査証申請書

(大使館/領事館指定フォーム)

証明写真

(規定サイズ、背景白色)

標準的な審査期間

1~2週間程度

ステップ5:査証発給後に来日

査証が発給されたら、有効期間内(通常3ヶ月)に日本に入国します。

全体のスケジュール

申請から来日まで2~4ヶ月程度を見込むのが現実的です。入社予定日に間に合うよう、余裕を持った計画が必要です。

スリランカの大学卒業証明書で確認すべき6つのチェックポイント

スリランカから来日する方を雇用する際、最も注意が必要なのが卒業証明書や成績証明書の真正性です。

残念ながら、一部で偽造された書類が提出されるケースがあり、入管当局も厳しくチェックしています。

なぜ偽造が発生するのか

スリランカの大学卒業証明書で偽造が発生する主な理由

1.大学進学率がわずか2%と極めて低い

  • 国内の大学数が少なく、定員が限られている
  • 競争倍率が数十倍~数百倍と非常に高い
  • 大卒資格が希少で価値が高い

2.日本での就労機会を得るため

  • 技人国ビザには大学卒業が必須条件
  • 高収入の日本での就労は家族を支える重要な手段
  • 経済危機で国内の雇用機会が限られている

3.偽造書類を作成する業者が存在する

  • 一部の悪質な業者が偽造書類を販売
  • 比較的安価に入手できてしまう環境

4.母国の家族への責任感

  • 家族を経済的に支えたいという強い動機
  • 送金による家族の生活改善への期待

大多数のスリランカ人は誠実であり、偽造を行うのは一部の者に限られます。しかし、企業としては慎重な確認が必要です。

必ず確認すべき6つのチェックポイント

✓ チェック1: 学長・学部長のサインの真正性

成績証明書に記載されている学長や学部長のサインについて、その人物が本人の卒業当時に実際にその役職に在籍していたかを確認します。

確認方法

  • 大学の公式ウェブサイトで歴代の学長・学部長の情報を調べる
  • 大学に直接問い合わせる(英語で可能)
✓ チェック2: 卒業日と授与式の日付の整合性

卒業した日と卒業証書が授与された日の間に長期間(数ヶ月~数年)の間隔が開いている場合、その理由を確認する必要があります。

  • 正当な理由(再発行など)があれば問題なし
  • 説明ができない場合は注意が必要
✓ チェック3: 学校名・氏名の一致

確認すること

  • 卒業証明書記載の学校名が、大学の公式ウェブサイトの表記と完全に一致するか
  • 本人の氏名が、パスポートや他の公的書類と完全に一致するか(スペルミスがないか)

些細な違いでも、偽造の可能性を示唆することがあります。

✓ チェック4: 成績証明書と卒業証書の整合性

以下が一致しているか確認

  • 学科修了時期
  • 本人の氏名、生年月日
  • 学科・専攻の内容

2つの書類の間に矛盾がある場合、いずれかが偽造されている可能性があります。

✓ チェック5: 偽造の兆候

実物を見て以下の点をチェック!

  • 印刷の品質が不自然に低い、または高すぎる
  • フォントが統一されていない
  • 用紙の質が安っぽい
  • スタンプや署名が不自然
  • 透かしやホログラムの有無(正規のものと比較)
✓ チェック6: 業務内容との関連性

卒業した学部・専攻と、実際に従事させる業務内容に関連性があるかを再確認します。

関連性が薄い場合、そもそも技人国ビザの要件を満たさない可能性があります。

不審な点があった場合の対応

対応方法詳細
大学への直接確認スリランカの大学に英語で問い合わせて卒業の事実を確認
専門家への相談行政書士などの専門家に書類をチェックしてもらう
候補者の変更無理に申請せず、別の候補者を検討する
オンライン照会大学の成績照会システムへのアクセスを候補者に依頼

書類の偽造が発覚した場合、不許可になるだけでなく、企業の信頼も損なわれ、今後の申請にも悪影響を及ぼします。慎重な確認が不可欠です。

技人国ビザの申請要件から不許可対策まで、企業が知るべき実務知識を詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

【2025年最新】技人国ビザ申請完全ガイド|成功の要点と注意点
技人国ビザ申請完全ガイド|成功の要点と注意点
本記事では技人国の申請要件から不許可対策まで、企業が知るべき実務知識を網羅的に解説します。
https://back-end.co.jp/media/contents/technique-the-humanities-knowledge-international-business/

4.特定技能ビザでスリランカ人を雇用する方法

4.特定技能ビザでスリランカ人を雇用する方法

特定技能ビザの基本要件と対象分野

特定技能ビザは、技人国ビザとは異なり、学歴を問わずに取得できる就労ビザです。その代わり、以下の要件を満たす必要があります。

基本要件

要件詳細
日本語能力日本語能力試験N4レベル以上(または国際交流基金日本語基礎テスト)
技能水準各分野で定められた技能試験に合格
年齢18歳以上
健康状態業務に支障がないこと
素行犯罪歴などがないこと

対象となる16分野の詳細

分野主な業務内容特徴
介護身体介護、レクリエーション実施、機能訓練の補助高齢化で需要大、資格取得支援あり
ビルクリーニング建築物内部の清掃、日常清掃、定期清掃夜間・早朝勤務も、未経験可
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業鋳造、金属プレス、機械加工、溶接、塗装、組立、検査製造業の基盤、統合分野、技術習得可能
建設型枠施工、左官、とび、建設機械施工、鉄筋施工資格取得支援も、需要安定
造船・舶用工業溶接、塗装、仕上げ、機械加工、電気機器組立専門技術習得、造船所で活躍
自動車整備自動車の日常点検整備、分解整備、板金・塗装整備士資格も目指せる
航空航空機整備、空港グランドハンドリング、手荷物・貨物取扱専門性高い、英語力も活かせる
宿泊フロント業務、企画、広報、接客、レストランサービス観光業で活躍、おもてなし
農業耕種農業(栽培管理、収穫)、畜産農業(飼養管理)地方での需要大、自然豊か
漁業漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索)、養殖業沿岸地域で需要、専門技術
飲食料品製造業食品製造・加工、安全衛生管理、包装食品工場など、安定雇用
外食業飲食物調理、接客、店舗管理、衛生管理飲食店で活躍、調理技術習得
自動車運送業トラック運送、バス運送、タクシー運送、配送2024年3月追加、運転免許必要
鉄道鉄道車両の運転、車両の点検・整備、施設の保守管理2024年3月追加、専門資格必要
林業造林、育林、伐採、木材の搬出・運搬、林道の作設2024年3月追加、地方創生
木材産業製材、木材加工、木製品製造、合板製造2024年3月追加、技術習得

技人国ビザとの大きな違い

✅ 学歴不要で現場作業が可能
✅ 企業に支援義務がある
✅ 支援を登録支援機関に委託することも可能(月額2~3万円程度)

スリランカ人を特定技能で受け入れる7つのステップ

スリランカから特定技能外国人を受け入れる場合、以下の7つのステップを踏みます。

ステップ1: 採用する人材の選定

人材の選定方法は2パターンです。

  • 現地の送出機関を通じた採用
  • 直接採用(オンライン面接など)

※既に日本にいる技能実習生や留学生から特定技能に変更するケースもあります。

【確認事項】

  • 日本語能力試験N4レベル以上の合格
  • 該当分野の技能試験合格
  • 本人の意欲と健康状態

ステップ2: 雇用契約の締結

特定技能雇用契約書を作成・締結します。

契約書の重要事項

ステップ3: 特定技能ビザの取得(日本での申請)

申請の種類

  • 海外からの場合: 在留資格認定証明書交付申請
  • 国内にいる場合: 在留資格変更許可申請

【必要書類】

  • 申請書
  • 雇用契約書
  • 支援計画書
  • 企業の適格性を示す書類(登記簿謄本、決算書類など)
  • 本人の技能・日本語能力を証明する書類

ステップ4: 在スリランカ日本大使館での手続き

  • 認定証明書の原本を本人に郵送(EMS推奨)
  • 本人が日本ビザ申請センター(在スリランカ日本国大使館が委託)にて査証申請
  • 必要書類を提出し、面接を受ける
  • 査証が発給される(通常1~2週間程度)

ステップ5: 海外労働者登録(SLBFE)

全ての手続きを終えた特定技能外国人は、出国前にスリランカ海外雇用促進・市場多様化担当国務省海外雇用局(SLBFE: Sri Lanka Bureau of Foreign Employment)に対して海外労働者登録を行います。

【登録方法】

  • オンラインで実施可能
  • 必要情報: 本人情報、雇用先情報、雇用条件、渡航情報

⚠️ 重要: この登録は、国内在留者が特定技能へ変更する場合も必要です。

ステップ6: 出国前オリエンテーション受講

特定技能外国人として日本へ渡航する全てのスリランカ人は、出国前オリエンテーションの受講が必要です。

◆内容◆

  • 日本での生活に関する基礎知識
  • 日本の文化・習慣・マナー
  • 労働法規と労働者の権利
  • 緊急時の対応方法
  • 相談窓口の情報

期間: 2日間程度

ステップ7: 日本へ入国・就労開始

  • 査証の有効期間内(通常3ヶ月)に日本に入国
  • 空港で在留カードが交付される
  • 市区町村役場で住民登録
  • 入国後速やかに支援計画に基づく支援を開始
  • 就労開始

全体スケジュール目安

項目所要時間
人材選定~契約締結1~2ヶ月
ビザ申請~認定証明書交付1~3ヶ月
査証申請~発給1~2週間
スリランカ側手続き1~2週間
来日準備1~2週間
合計約3~5ヶ月

スリランカ側で必要な2つの手続き

スリランカ人が特定技能ビザで日本に来る場合、スリランカ側で2つの手続きが義務付けられています。

手続き1: 海外労働者登録(SLBFE登録)

実施機関

スリランカ海外雇用促進・市場多様化担当国務省海外雇用局 (SLBFE: Sri Lanka Bureau of Foreign Employment

手続き方法

  • オンラインで登録可能
  • SLBFEの公式ウェブサイトから申請

登録内容

  • 本人の基本情報(氏名、生年月日、住所など)
  • 雇用先情報(会社名、所在地、業種など)
  • 雇用条件(職種、給与、契約期間など)
  • 渡航情報(出発日、便名など)

手続き2: 出国前オリエンテーション

実施内容

項目詳細
日本での生活気候、住居、交通、買い物など
文化・習慣礼儀作法、コミュニケーション、タブーなど
労働法規労働時間、休日、有給休暇、残業など
労働者の権利最低賃金、社会保険、労災など
緊急時対応病気・ケガ、災害、トラブル時の対応
相談窓口困った時の相談先、通訳サービスなど

目的

  • 来日後のトラブルやミスマッチを防ぐ
  • スリランカ人労働者の権利を保護する
  • 円滑な日本社会への適応を支援する
  • 文化の違いによる誤解を事前に解消する

駐日スリランカ民主社会主義共和国大使館

  • 住所: 〒108-0074 東京都港区高輪2-1-54
  • 電話: 03-3440-6911、03-3440-6912
  • 受付時間: 平日9:30~12:30、14:00~17:00

送出機関の利用は任意|直接雇用も可能

特定技能制度において、スリランカは送出機関の利用が義務付けられていない国です

これは他の多くの国(ベトナム、フィリピン、インドネシアなど)とは異なる大きな特徴です。

他国との比較

国名送出機関手数料目安備考
ベトナム義務50~100万円競争激しい
フィリピン義務40~80万円英語力高い
インドネシア義務40~70万円イスラム教徒多い
ネパール義務40~70万円山岳地帯出身者
スリランカ任意0~50万円柔軟性高い

直接雇用のメリット

大幅なコスト削減

  • 送出機関への手数料(通常30~80万円)が不要
  • 初期費用を大きく抑えられる

採用の柔軟性

  • 企業が直接候補者を選定できる
  • 送出機関の紹介に縛られない

迅速な手続き

  • 仲介を経ない分、スピーディー
  • 直接コミュニケーションが取れる

直接雇用のデメリット

現地対応の負担

  • 面接設定、書類手続き、渡航手配を自社で行う必要
  • 現地の言語・習慣に不慣れだと困難

言語の壁

  • 英語またはシンハラ語でのコミュニケーションが必要
  • 細かいニュアンスが伝わりにくい

ノウハウ不足

  • 初めての外国人採用では戸惑うことが多い
  • トラブル発生時の対応が難しい

送出機関を利用するメリット

適性のある候補者の紹介
現地での各種サポート(面接設定、書類取得、渡航手配など)
トラブル時の現地対応
言語・文化の橋渡し

送出機関を利用するデメリット

手数料の発生(30~50万円程度)
自由度の制限(送出機関が提示する候補者の中から選ぶ)

実務上の判断基準

状況推奨
初めてスリランカ人を採用送出機関またはエージェント利用
既にスリランカ人従業員がいる直接雇用も可能
海外採用の経験が豊富直接雇用も可能
コスト最優先直接雇用(ただしリスク考慮)
安全性・確実性優先送出機関利用

現実的な選択

実際には完全に直接雇用する場合でも、サポートのために現地エージェントを部分的に利用するケースが多いのが実情です。

企業の状況に応じて、コストとサポートのバランスを取ることが重要です。

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5.スリランカ人を雇用する3つのメリット

5.スリランカ人を雇用する3つのメリット

スリランカ人を採用することには、他の国籍の人材にはない独自のメリットがあります。

採用を検討する際の判断材料として、3つの主要なメリットを詳しく解説します。

メリット1: 日本語習得能力が高く文法構造が似ている

スリランカ人の大きな強みの一つが、日本語を習得しやすいという点です。

シンハラ語と日本語の類似性

スリランカの公用語の一つであるシンハラ語は、日本語と文法構造が非常に似ています。

特徴シンハラ語日本語類似性
語順主語-目的語-動詞主語-目的語-動詞✓ 同じ
助詞助詞に似た要素あり助詞あり✓ 類似
敬語敬語の概念あり敬語あり✓ 類似
動詞活用複雑な活用あり複雑な活用あり✓ 類似

例:「私は学校に行きます」

  • シンハラ語: Mama iskōlēṭa yanawā(ママ・イスコーレータ・ヤナワー)
  • 日本語: 私は・学校に・行きます → 語順が完全に一致!

この文法的類似性により、スリランカ人にとって日本語の習得は、英語圏の人々と比べて格段に容易です。

日本語教育の普及

✅ スリランカでは日本語教育が盛んで、南アジア地域では日本語学習者数が多い国の一つ

2022年8月からは義務教育に日本語が追加されており、若い世代を中心に日本語に親しむ環境が整っている

✅ 日本語学校や日本語コースを持つ大学も増加中

実務上のメリット

  • 入社後の日本語研修がスムーズに進む
  • 日本人スタッフとのコミュニケーションが取りやすい
  • ビジネス日本語の習得も比較的早い
  • 顧客対応や事務作業にも対応しやすい
  • N4からN2レベルへの成長が早い

メリット2: 特定技能の在留者数が急増中で採用しやすい

スリランカ人の特定技能での在留者数は、2021年から2023年の間に400%増加という驚異的な伸びを見せています。

在留者数の推移

特定技能在留者数前年比
2021年約500人
2022年約1,500人200%増
2023年約2,000人133%増
累計増加率400%増

なぜ今、スリランカ人材なのか

供給が増加中
⇒ 経済危機を背景に、日本での就労を希望するスリランカ人が急増しています

競争率が比較的低い
⇒ ベトナム(約20万人)やフィリピン(約8万人)ほど採用競争が激しくないため、優秀な人材を確保しやすい状況です

モチベーションが高い
⇒ 母国の経済状況から、真剣に日本での就労を目指している人が多く、定着率も高い傾向

政府のバックアップ
⇒ スリランカ政府も海外就労を推進しており、制度的なサポートがある

今後の見通し

📈 二国間協定により、今後も安定的な受入れが見込まれる
📈 日本語教育の普及により、質の高い候補者が増加
📈 特定技能2号への移行も見据えた長期的な人材確保が可能
📈 2027年の「育成就労」制度開始でさらなる増加予測

メリット3: 他の南アジア諸国と比較して採用コストを抑えられる

スリランカからの人材受入れは、コスト面でも優位性があります。

最大の理由: 送出機関の利用が任意

送出機関への手数料(通常30~80万円程度)を節約できる

高額な仲介手数料を回避し、コストメリットを最大化できます。

直接雇用により、採用コストを大幅に削減可能

中間業者を介さないため、トータルの採用費用を大きく抑えられます。

必要に応じて部分的にエージェントを利用する柔軟性もある

必要なプロセスでのみ外部サポートを利用する、自由度の高い運用が可能です。

他国との採用コスト比較

国名送出機関初期費用柔軟性備考
ベトナム義務80~130万円人材豊富だが競争激しい
フィリピン義務70~120万円英語力は高い
インドネシア義務70~110万円イスラム教徒への配慮
ネパール義務70~110万円山岳地帯出身者多い
スリランカ任意50~100万円コスト削減可能

初期コストの内訳例(スリランカ・直接雇用の場合)

項目金額
在留資格申請代行(行政書士)13~15万円
渡航費5~10万円(本人負担も可)
住居準備(敷金・礼金・家具)15~30万円
登録支援機関委託費(年間)24~36万円
現地エージェント利用(任意)0~30万円
合計50~100万円

送出機関を経由する他国と比べ、初期費用を30~50万円程度削減できるケースもあります。

長期的なコストメリット

【年間ランニングコスト比較】

コスト項目スリランカ他国(平均)差額
登録支援機関委託費24~36万円/年24~36万円/年同等
ビザ更新費用5~8万円/年5~8万円/年同等
送出機関への継続費用0円5~10万円/年▲5~10万円
年間合計29~44万円34~54万円▲5~10万円

💡 ポイントとしては、コストと支援のバランスを取ることが重要です。

6.スリランカ人雇用で注意すべき3つのポイント

6.スリランカ人雇用で注意すべき3つのポイント

スリランカ人を雇用する際には、文化的な違いを理解し、適切な配慮を行うことが重要です。

以下の3つの注意点を押さえることで、スムーズな受入れと高い定着率を実現できます。

注意点1: 仏教・イスラム教など宗教上の配慮が必要

スリランカは多宗教国家であり、雇用する際には宗教への配慮が欠かせません。

スリランカの宗教構成

宗教割合主な特徴
仏教約70%上座部仏教、穏やかな性格
ヒンドゥー教約12%牛肉を食べない、菜食主義者も
イスラム教約10%豚肉禁止、1日5回の礼拝
キリスト教約8%特別な制限は少ない

食事への配慮

イスラム教徒の場合
  • ❌ 豚肉は絶対に食べられない(豚由来の成分も含む)
  • ❌ アルコールも禁止
  • ✅ ハラール認証を受けた食品が望ましい

実務対応

  • 社員食堂がある場合、ハラール対応またはベジタリアン選択肢の提供
  • 外食時の店選びに配慮
  • 調理器具の使い分け(豚肉用と分ける)
仏教徒・ヒンドゥー教徒の場合
  • 牛肉を避ける人が多い(特にヒンドゥー教徒)
  • ベジタリアン(菜食主義者)の人もいる
  • 本人に確認して個別対応

実務対応

✅ 社員食堂がある場合

  • 牛肉を使わないメニューを用意
  • ベジタリアン選択肢の提供(野菜カレー、サラダ、豆腐料理など)
  • メニューに使用食材を明記

✅ 外食・出張時

  • 牛肉を使わない店を選ぶ
  • インド料理店、ベジタリアンレストランを活用
  • 事前に本人の希望を確認

✅ 社内イベント・懇親会

  • 弁当や仕出しを注文する際は、別途ベジタリアン対応を手配
  • 焼肉などの場合は、野菜や魚介類を多めに用意

礼拝への配慮

イスラム教徒の場合

【1日5回の礼拝時間】

礼拝名時間帯所要時間
ファジュル日の出前(夜明け)約5~10分
ズフル正午過ぎ約5~10分
アスル午後(昼過ぎ)約5~10分
マグリブ日没直後約5~10分
イシャー約5~10分

企業の配慮

✅ 静かな個室や多目的室を礼拝スペースとして提供
✅ 西(メッカの方角)を向けられる場所を確保
✅ 礼拝マットの使用を許可
✅ 金曜日の昼休みを柔軟に対応

礼拝は宗教上の義務であり、短時間で完了するため、柔軟な対応が定着率向上につながります。

仏教徒の場合
  • 特別な日常的礼拝は少ないが、寺院への訪問を希望することも
  • 仏教の祝日への理解

【主な宗教行事】

宗教主な行事時期配慮内容
仏教ウェサック祭5月休暇希望あり
ヒンドゥー教ディーパーワーリー10~11月休暇希望あり
イスラム教イード・アル=フィトルラマダン明け休暇必須
イスラム教イード・アル=アドハー巡礼時期休暇希望あり
キリスト教クリスマス12月25日休暇希望あり

これらの重要な宗教行事には、できる限り休暇を認めることが望ましいです。

実務上のポイント

採用時の確認

  • 本人の宗教を確認(強制ではなく、配慮のため)
  • 必要な配慮事項をヒアリング
  • 会社として対応可能な範囲を説明

社内理解の促進

  • 他の従業員にも多様性を説明(研修の実施)
  • 礼拝や食事制限は宗教上の義務であることを共有
  • お互いを尊重する文化の醸成

無理な同化を求めない

  • 「郷に入っては郷に従え」を過度に求めない
  • 違いを認め合う姿勢
  • Win-Winの関係を目指す

宗教への配慮は、法的義務というよりも、人間として、また雇用主としての責任です。適切な配慮により、従業員は安心して働くことができ、定着率も向上します。

注意点2: 家族を非常に大切にする文化を理解する

スリランカ人にとって、家族は何よりも大切な存在です。この価値観を理解し、尊重することが、良好な雇用関係を築くために不可欠です。

家族第一の価値観

  • 家族は最も重要な社会的な支え
  • 家族間の絆が非常に強い
  • 家族のために時間や労力を惜しまない
  • 互いに支え合い、助け合うことが当然
  • 親への仕送りは義務であり誇り

実務上の主な影響

項目内容
送金月収の20~40%を母国の家族に送金するケースも多い
連絡頻度母国の家族と頻繁に連絡(毎日~週数回、ビデオ通話)
休暇希望家族の冠婚葬祭で急な帰国を希望することがある
家族呼び寄せ配偶者・子を「家族滞在」ビザで呼び寄せ希望が強い
精神的影響家族に問題があると仕事への集中力が低下することも

家族を大切にする文化を理解し、柔軟に対応することで、従業員の安心感と会社への信頼が高まり、定着率が向上します。

成功事例

【製造業A社の取り組み】

  • 家族滞在ビザでの家族呼び寄せを積極的にサポート
  • 社宅を家族向けに提供
  • 子供の学校入学手続きを人事部がサポート
  • 年1回の一時帰国を有給休暇として認める

結果

  • スリランカ人従業員の定着率95%以上
  • 口コミで応募者が増加
  • 職場の雰囲気が向上

⇒家族への配慮は、単なる「人道的配慮」ではなく、優秀な人材を確保し定着させるための戦略的な投資と捉えるべきです

家族への配慮を惜しまない企業は、従業員から信頼され、長期的に大きなリターンを得ることができます。

注意点3: 周囲の環境に影響されやすい傾向がある

スリランカ人の特性として、よくも悪くも周囲の環境に染まりやすいという面があります。この特性を理解し、適切な職場環境を整備することが重要です。

良い環境での効果

✅ 勤勉な日本人スタッフの中に入れば、その勤勉さに染まる
✅ 真面目に働く先輩がいれば、それを模範とする
✅ ポジティブな職場文化があれば、それを吸収する
✅ チームワークの良い環境では、協調性を発揮する
✅ 高い目標を持つ同僚がいれば、自分も向上心を持つ

悪い環境でのリスク

❌ 怠惰な同僚がいると、その影響を受けやすい
❌ 不満を持つ従業員が多い職場では、自分も不満を募らせる
❌ ルールが守られていない環境では、自分もルールを軽視しがち
❌ 悪い習慣(遅刻、サボり、不平不満)を身につけてしまうことも
❌ 先輩の問題行動を「普通のこと」と認識してしまう

実際の事例

成功事例(良い環境)

【製造業B社】

  • 配属先に模範的な日本人ベテラン社員を配置
  • スリランカ人従業員が「あの人のようになりたい」と目標に
  • 3ヶ月で作業効率が大幅に向上
  • 現在は新人教育を任されるまでに成長
失敗事例(悪い環境)

【建設業C社】

  • 配属先に不満の多い従業員グループがあった
  • 最初は真面目だったスリランカ人従業員が、徐々に不満を口にするように
  • 6ヶ月後、遅刻や欠勤が増加
  • 最終的に退職

実務上の対策

対策1: 配属先の選定

スリランカ人は周囲の環境に影響されやすいため、最初の配属先が非常に重要です。

  • ✅ 信頼できる先輩のいる部署に配属
  • ✅ 模範となる日本人または先輩外国人従業員の近くに配置
  • ❌ 問題のある従業員の近くは避ける
  • ❌ 不満の多いグループには配属しない

💡 ポイント:「最初の3ヶ月」が特に重要。良い環境で働き方や会社文化を学べば、その後も良い習慣が定着します。

対策2: メンター制度の導入

メンターの役割とは?

①専任のメンター(相談相手・指導役)を1名つける

②定期的な面談(週1回~月1回)で困りごとや悩みを聞く

③良い行動を積極的に褒め、悪い行動は早期に修正

④会社の文化やルールを丁寧に説明

⑤日本での生活面のサポートも行う

メンターの選定基準

条件理由
業務に精通している適切な指導ができる
コミュニケーション能力が高い相談しやすい雰囲気を作れる
公平で偏見のない信頼関係が築ける
外国人への理解がある文化の違いを受け入れられる
忍耐強い丁寧に何度でも教えられる

メンター制度は、投資以上のリターン(離職率低下、育成期間短縮、トラブル減少)をもたらす「定着の要」です。

対策3: 職場環境の整備

スリランカ人従業員だけでなく、職場全体の環境を整えることが重要です。

  • ✅ 規律ある、前向きな職場文化を醸成
  • ✅ ルールを明確にし、全員が守るようにする
  • ✅ 不公平感のない、風通しの良い環境づくり
  • ✅ 問題行動は早期に是正
  • ✅ 良い行動は積極的に評価・表彰

避けるべき環境

❌ ルールが曖昧で守られていない
❌ 一部の人だけ特別扱いされている
❌ 不満や愚痴が蔓延している
❌ ハラスメントが見過ごされている
❌ コミュニケーションが不足している

💡 ポイント:良い職場環境は、スリランカ人従業員だけでなく、日本人従業員の定着率や生産性向上にもつながる「全員にとってのメリット」です。

対策4: 早期発見・早期対応

スリランカ人従業員の変化を見逃さず、問題の芽を早期に摘むことが重要です。

【チェックすべきポイント】

観察項目注意すべき兆候
勤務態度遅刻・早退が増える、欠勤の連絡が遅い
作業の質ミスが増える、集中力の低下
コミュニケーション挨拶をしなくなる、目を合わせない、話しかけても反応が薄い
表情・様子元気がない、暗い表情、イライラしている
服装・身だしなみ乱れてきた、清潔感がなくなった
人間関係特定の同僚とばかり話す、孤立している

問題発見時の対応として、以下のことを心掛けていくことが大切です。

  • すぐに個別面談を実施
  • 何か困っていることがないかヒアリング
  • 悪い影響を受けている場合は、環境を変える(配属変更など)
  • 必要に応じてメンターを変更
対策5: ポジティブなロールモデルの提示

成功している先輩の姿を見せることで、「自分も頑張れば成功できる」という希望と目標を持たせます。

【具体的な取り組み】

成功している先輩スリランカ人従業員を紹介

  • 入社時に先輩従業員との顔合わせを実施
  • 「○○さんは3年前に入社して、今はリーダーとして活躍している」
  • 同じ国籍の先輩がいることで安心感を持つ

昇進や評価の事例を共有

  • 社内報や掲示板で紹介
  • 「頑張れば評価される」実例を見せる
  • 給与アップ、役職昇進、表彰などの実績

成功体験を語ってもらう

  • 先輩従業員に体験談を話してもらう
  • 「最初は大変だったけど、こうやって乗り越えた」
  • 「今はこんな仕事を任されている」

定期的な交流会や情報交換会の開催

  • 月1回程度、スリランカ人従業員同士の交流会
  • 先輩から後輩へのアドバイス
  • 悩みの共有と解決策の相談

【ロールモデルの効果】

効果詳細
モチベーション向上「自分も頑張れば昇進できる」と目標ができる
早期適応先輩の経験から学べる
不安の解消「同じ国の人が成功している」安心感
定着率向上会社への期待と信頼が高まる
相談しやすい同じ文化背景を持つ先輩に相談できる

💡 ポイント適切な環境を用意すれば大きな強みになるという点です。

良い職場環境を整備し、適切な指導とサポートを行えば、スリランカ人従業員は企業にとって欠かせない戦力となります。

7.スリランカ人の就労ビザ取得にかかる費用相場

7.スリランカ人の就労ビザ取得にかかる費用相場

スリランカ人を雇用する際、ビザ取得や受入れにかかる費用を事前に把握しておくことが重要です。予算計画の参考として、詳細な費用相場をご紹介します。

技人国ビザの申請費用の内訳

技人国ビザの申請にかかる主な費用を項目別に解説します。

費用の内訳

費用項目金額支払先備考
入管への申請手数料
認定証明書交付申請無料入管海外から呼び寄せ
在留資格変更許可申請4,000円入管国内在留者
在留期間更新許可申請4,000円入管更新時
行政書士への代行費用
認定証明書交付申請10~15万円行政書士海外から呼び寄せ
在留資格変更許可申請8~12万円行政書士国内在留者
在留期間更新許可申請3~6万円行政書士更新時
不許可時の再申請5~10万円行政書士追加費用
書類取得費用(スリランカ側)
卒業証明書3,000~5,000円大学英語版
成績証明書3,000~5,000円大学英語版
翻訳費用(日本語訳)1~2万円翻訳会社必要に応じて
査証申請費用
一次査証約3,000円大使館スリランカで

ケース別の合計目安

ケース1: 海外から呼び寄せ(行政書士に依頼)
  • 行政書士費用: 10~15万円
  • 書類取得・翻訳: 2~3万円
  • 査証申請: 0.3万円
  • 郵送費等: 0.5~1万円
  • 企業負担分合計: 15~25万円程度
  • 渡航費(本人負担): 5~10万円
ケース2: 国内在留者の変更(行政書士に依頼)
  • 行政書士費用: 8~12万円
  • 入管手数料: 0.4万円
  • その他実費: 0.5~1万円
  • 企業負担分合計: 10~15万円程度
ケース3: 自社で申請(行政書士なし)
  • 入管手数料: 0.4万円(変更の場合)
  • 書類取得・翻訳: 2~3万円
  • その他実費: 1~2万円
  • 企業負担分合計: 3~6万円程度
  • ただし、書類作成の手間と不許可リスクあり

特定技能ビザの受入れ費用の内訳

特定技能ビザは技人国ビザよりも企業の負担が大きくなります。初年度と2年目以降に分けて解説します。

初年度の費用内訳

費用項目金額頻度備考
ビザ申請関連
行政書士への申請代行費用13~15万円初回のみ支援計画書作成含む
入管への手数料4,000円変更時のみ認定は無料
渡航費用
航空券代5~10万円初回のみ企業・本人で協議
最寄り空港までの交通費本人負担一般的
住居準備費用
敷金・礼金・前家賃10~30万円初回のみ地域により差大
家具・家電購入費5~15万円初回のみ本人貸付も可
火災保険等1~2万円/年毎年必須
支援関連費用
登録支援機関への委託費2~3万円/月毎月年間24~36万円
または自社支援の人件費実費毎月担当者の工数
送出機関利用費(任意)
送出機関への手数料0~50万円初回のみスリランカは任意
現地エージェント利用10~30万円初回のみ部分利用も可
その他初期費用
健康診断1万円初回のみ業種により必須
初期生活用品3~5万円初回のみ日用品等
緊急連絡用携帯電話実費契約サポート
制服・作業着等実費業種による

初年度の合計目安

パターン合計金額
送出機関利用なし50~80万円
送出機関利用あり80~130万円
現地エージェント部分利用60~100万円

2年目以降の年間費用

費用項目金額/年備考
登録支援機関委託費24~36万円月額2~3万円×12ヶ月
在留期間更新申請費用5~8万円行政書士依頼の場合
入管手数料(更新)4,000円毎年
住居関連費用1~2万円火災保険等
その他1~2万円証明書発行等
年間合計30~45万円程度

費用削減のポイント

💡 送出機関を使わず直接雇用 → 30~50万円の削減

💡 自社で支援を行う(登録支援機関に委託しない) → 年間24~36万円の削減 ※ただし、担当者の人件費と手間が発生

💡 住居は本人に貸し付け、給与から控除 → 初期負担を軽減

💡 現地エージェントを部分的に利用 → コストと安全性のバランス

行政書士への依頼費用相場

ビザ申請を行政書士に依頼する場合の詳細な費用相場をご紹介します。

技術・人文知識・国際業務ビザ

申請種類費用相場所要時間内容
在留資格認定証明書交付申請10~15万円1~3ヶ月海外から呼び寄せ
在留資格変更許可申請8~12万円2週間~1ヶ月国内在留者
在留期間更新許可申請3~6万円2週間~1ヶ月更新時
不許可時の再申請5~10万円追加費用
追加資料対応1~3万円入管から要請時

特定技能ビザ

申請種類費用相場所要時間内容
在留資格認定証明書交付申請13~15万円1~3ヶ月海外から呼び寄せ
在留資格変更許可申請10~13万円2週間~1ヶ月国内在留者
在留期間更新許可申請4~7万円2週間~1ヶ月更新時
支援計画書作成3~5万円別途の場合
不許可時の再申請7~12万円追加費用

費用が変動する要因

要因影響詳細
事案の複雑さシンプルなケースは安く、複雑なケースは高い
企業の規模・状況赤字企業、設立間もない企業は追加書類が必要
地域都市部は高め、地方は安め
行政書士の専門性外国人ビザ専門の方が経験豊富
緊急度急ぎの場合は割増料金

行政書士に依頼するメリット

許可率の向上 専門家が書類を作成するため、不備が少なく許可率が高い

時間の節約 複雑な書類作成を任せられ、本業に集中できる

不許可リスクの低減 事前に問題点を指摘してもらえ、対策を講じられる

追加資料対応がスムーズ 入管から追加資料を求められた際も専門家が対応

最新情報に基づく申請 法改正や運用変更に対応した申請が可能

精神的な安心感 専門家に任せることで安心して待てる

自社で申請する場合のリスク

費用対効果の判断

状況推奨理由
初めての外国人雇用行政書士に依頼経験不足をカバー
複雑なケース行政書士に依頼専門知識が必要
赤字企業・設立間もない行政書士に依頼追加説明が必要
過去に不許可経験あり行政書士に依頼慎重な対応が必要
シンプルなケース自社も可コスト削減
更新申請(2回目以降)自社も可前回の書類を参考に

💡結論: 特に初めての外国人採用では、行政書士への依頼を強く推奨します。10~15万円の投資で、数十万円の損失リスクを回避でき、確実に人材を確保できます。

外国人雇用において行政書士が果たす役割や依頼すべき具体的な業務、さらには信頼できる行政書士の見つけ方など詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

外国人雇用は行政書士に相談しよう!依頼すべき重要業務と選び方
外国人雇用は行政書士に相談しよう!依頼すべき重要業務と選び方
本記事では、外国人雇用において行政書士が果たす役割や依頼すべき具体的な業務、さらには信頼できる行政書士の見つけ方までを網羅的に解説します。
https://back-end.co.jp/media/contents/employment-of-foreigners-administrative-scrivener/

8.計画的な準備でスリランカ人材の採用を成功させよう

8.計画的な準備でスリランカ人材の採用を成功させよう

スリランカ人の採用には、技人国ビザまたは特定技能ビザの2つの選択肢があります。

日本語習得能力の高さ、勤勉な国民性、親日的な文化など多くのメリットがある一方、宗教や家族を大切にする文化への配慮も必要です。

ビザ申請から来日まで2~4ヶ月かかるため、余裕を持った計画が成功の鍵となります。

経済危機を背景に日本での就労を希望する優秀なスリランカ人材が増えている今こそ、採用の絶好のタイミングです。

記事を書いた人
butterfly-effect
行政書士法人バタフライエフェクト
行政書士法人バタフライエフェクトは、外国人の就労ビザ取得、相談のエキスパートです。上場企業様から小規模の会社様まで、これまで10,000件以上の案件を支援。就労ビザを踏まえた外国人雇用のコンサルティングも行っており、年間実績1,500件、ビザの専門家が多数在籍しています。
https://kigyosapri.com/visa/

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