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ベトナム人採用成功5つの方法とおすすめ人材会社10選

人手不足が深刻化する中、ベトナム人労働者は日本で働く外国人の約25%を占める重要な人材です。

勤勉で向上心が高い国民性と特定技能制度の活用により、多くの企業がベトナム人採用で成功を収めています。

本記事では、具体的な採用方法から信頼できる人材紹介会社、注意点、費用相場まで、ベトナム人採用のすべてを徹底解説します。

この記事を読んでわかること
  • ベトナム人採用が注目される理由と最新の統計データ
  • 効果的な5つの採用方法と実績豊富な人材紹介会社10選
  • 採用時の注意点、費用相場、手続きの流れの完全ガイド

1.ベトナム人採用が注目される理由

ベトナム人採用が注目される理由

近年、ベトナム人労働者の採用に注目が集まる背景には、複数の要因があります。

以下では、データに基づいてベトナム人採用のトレンドを詳しく解説します。

日本で働く外国人労働者の25.4%がベトナム人

厚生労働省の最新データによると、2024年10月末時点で日本における外国人労働者数は230万2,587人に達し、その中でベトナムが最多の57万708人(全体の24.8%)を占めています。

これは2020年に中国を上回って以来、4年連続で首位を維持している状況です。

外国人労働者国籍内訳

出典:厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和6年10月末時点)

特に注目すべきは、ベトナム人の「専門的・技術的分野の在留資格」が19万6,049人と前年から22.6%の大幅増を記録していることです。

これは単純な労働力だけでなく、高度な技能を持つ人材としてベトナム人が評価されていることを示しています。

在留資格別ベトナム人労働者の構成

  • 技能実習:22万3,291人(39.1%)
  • 専門的・技術的分野:19万6,049人(34.4%)
  • 特定技能:11万648人(19.4%)
  • その他:約4万人(7.1%)

出典:厚生労働省 外国人雇用状況の届出状況における関西地区の技能実習生の状況について

特定技能でベトナム人材を採用するまでのステップは、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

特定技能でベトナム人を採用|5つのステップと雇用後のポイント
特定技能でベトナム人を採用|5つのステップと雇用後のポイント
本記事では、ベトナム人材が増加している背景から、特定技能での採用ステップ、注意点、定着化のポイントまで、企業が知っておくべき情報を詳しく解説します。
https://back-end.co.jp/media/contents/tokuteigino-vietnam-saiyo/

勤勉で向上心が高い国民性

ベトナム人労働者が高く評価される理由の一つに、その国民性があります。多くの企業が報告するベトナム人の特徴は以下の通りです。

勤勉で向上心が高い国民性

また、ベトナムの平均年齢は33.3歳と若く、高齢化率は11.89%(2019年)で、日本の28.4%と比べて働き盛りの世代が多いことも大きなメリットです。

参考:Mega Story VIET NAM GEARING UP FOR AGED SOCIETY

特定技能制度により採用が加速

2019年4月に新設された「特定技能」制度は、ベトナム人採用に大きな変化をもたらしました。

2024年6月末時点で特定技能で働く外国人25万7,747人のうち、ベトナム人が12万6,832人と約50%を占めている状況です。

特定技能制度により採用が加速

特定技能1号全体の46.9%をベトナム人が占めるなど、制度開始から6年を経て、ベトナム人が日本の労働市場において重要な位置を占めていることが明確になっています。

ベトナム人の特定技能割合

出典:出入国在留管理庁|特定技能制度運用状況(令和6年12月末)

このように、数値データからも明らかなように、ベトナム人労働者は日本の人手不足解決において不可欠な存在となっており、今後もその重要性は増していくと予想されます。

2.ベトナム人を採用する5つの方法

ベトナム人を採用する5つの方法

ベトナム人の採用には複数のアプローチがあります。企業の規模や採用したい人材の特性、コストなどを考慮して最適な方法を選択することが重要です。

以下では、効果的な5つの採用方法について詳しく解説します。

人材紹介会社の活用

人材紹介会社は効率的で確実性の高い採用方法です。

専門知識を持ったプロフェッショナルが、企業のニーズに合った人材を厳選して紹介するため、採用の成功率が高いのが特徴です。

人材紹介会社のメリット

  • 優秀層へのアクセス:海外の教育機関や政府機関とのネットワークを活用し、高度な技能を持つ人材にアプローチ可能
  • 工数削減:書類選考、面談設定、ビザ申請サポートなど、採用に関わる業務を一任できる
  • 専門知識の提供:在留資格や労働法規などの複雑な手続きについて専門的なアドバイスを受けられる
  • リスク軽減:事前のスクリーニングにより、ミスマッチのリスクを最小化

費用相場

  • 個別紹介:理論年収の30-35%
  • 面接会形式:60-80万円

人材紹介会社には「個別紹介型」「合同面接会型」「単独面接会型」の3つのタイプがあり、企業の採用規模や予算に応じて選択できます。

採用イベント・面接会への参加

採用イベントや面接会は、一度に多くの候補者と出会える効率的な方法です。特に複数名の採用を予定している企業におすすめです。

主なイベント形式

合同面接会

数百名から数千名規模の外国人求職者が参加する大型イベントで、数十社から数百社の企業が同時に採用活動を行います。マイナビ国際派就職EXPOなどが代表例で、会場は日本国内と海外現地の両方で開催されています。

短期間で多くの人材と出会える反面、優秀な人材は他社との競合になりやすく、イベントの集客力が弱い場合は高額な出展費用に見合う成果が得られないリスクがあります。

単独面接会

人材紹介会社が特定企業への入社意思を持つ求職者10-30名程度を事前にスクリーニングし、1社のみの企業説明会を開催する形式です。自社に興味を持つ候補者だけが参加するため、より質の高い面談が期待できますが、一度に出会える人数は限定的です。

海外現地での面接会

ベトナム国内で開催される採用イベントに参加することで、現地の優秀な人材に直接アプローチできます。渡航費用は発生しますが、日本への強い就労意欲を持つ人材と出会える可能性が高くなります。

成功のポイント

面接会を効果的に活用するには、事前準備が重要です。企業の魅力を分かりやすく伝える資料の準備ベトナム語対応可能なスタッフの配置、具体的な労働条件や待遇の明示などが求められます。

また、面接会当日だけでなく、その後のフォローアップ体制も整備しておくことで、優秀な人材の確保につながります。

直接募集と留学生・技能実習生からの採用

既に日本にいるベトナム人を対象とした採用方法です。特に留学生や技能実習修了者は、日本の文化や言語に慣れているため、即戦力として期待できます。

対象となる人材と効果的な採用方法

教育機関との連携

大学や専門学校のキャリアセンターと協力し、卒業予定者向けの企業説明会や就職セミナーを開催します。特に工学部や経済学部などの理系・文系問わず、企業のニーズに合った学科との継続的な関係構築ができるといいでしょう。

日本語学校でのインターンシップ制度

インターンシップ制度を活用することで、学生時代から自社の業務や職場環境に慣れてもらい、卒業後の正社員採用につなげることができます。週28時間以内のアルバイトとして受け入れ、段階的に責任ある業務を任せることで相互の適性を確認できるので安心です。

自社サイトでの多言語対応募集

ベトナム語での求人情報掲載や応募フォームの提供により、直接的なアプローチができます。SNSやベトナム人向けのコミュニティサイトでの情報発信も効果的です。

ベトナム人コミュニティでの口コミ採用

既存のベトナム人従業員からの紹介により、信頼性の高い人材を確保する方法です。同郷の人材ネットワークを活用することで、採用コストを抑えながら優秀な人材を見つけることができます。

メリットと注意点

この方法の最大のメリットは、言語の壁が比較的低く、日本の職場文化への適応がスムーズなことです。

また、海外採用と比較してビザ変更手続きが簡便で、渡航費や住居準備費用も不要となります。

ただし、既に日本での生活に慣れている分、労働条件や待遇への要求水準が高く、転職市場での競争も激しいという側面があります。

また、在留資格の変更手続きや、アルバイト時間制限の遵守など、法的な注意点も多いため、専門知識を持った担当者の配置が必要です。

オンライン採用プラットフォームの活用

デジタル技術の発達により、オンラインでの採用活動も一般的になっています。特にIT系職種や在宅勤務可能な業務において効果的です。

主要なプラットフォーム

  • ベトナム人向け専門求人サイト
  • LinkedIn等の国際的なビジネスSNS
  • ベトナム現地の求人サイト
  • 動画面接システムの活用

オンラインのメリット

  • 地理的制約を受けない
  • 採用コストの削減
  • 豊富な候補者プールへのアクセス

現地法人・駐在員事務所経由での採用

ベトナム現地に拠点を持つ企業の場合、現地での直接採用も有効な選択肢です。

将来的に海外展開を検討している企業にとっては、戦略的な人材確保の側面もあります。

現地法人・駐在員事務所経由での採用

メリット

  • 現地の優秀な人材に直接アクセス
  • 将来の海外展開時の核となる人材育成
  • 現地の人件費で採用活動が可能

これらの方法を組み合わせることで、より効果的なベトナム人採用が実現できます。企業の状況や目標に応じて、最適な採用戦略を策定することが成功の鍵となります。

3.ベトナム人採用に強い人材紹介会社10選

ベトナム人採用を成功させるには、実績豊富で信頼できる人材紹介会社の選択が重要です。

以下では、特にベトナム人採用に強みを持つ優良な人材紹介会社10社をご紹介します。

メイコ株式会社|ベトナム現地で日本語教育を実施

メイコ株式会社

サービスの特徴

  • ベトナム国内に日本語教育クラスを運営し、高い日本語レベルの人材を紹介
  • 特定技能・技能実習・技人国など幅広い在留資格に対応
  • 専門スタッフによる日本企業への丁寧なフォロー体制が強み

料金体系

  • 特定技能:N1・N2=30万円/N3=25万円/N4以下=20万円
  • 技人国:N1・N2=年収20%/N3=18%/N4以下=15%
  • 登録支援:(技能実習→特定技能移行):N1=40万円/N2=30万円/N3以下=20万円

メイコ株式会社は豊富な登録データと母語面談によりマッチング精度が高いのが特徴です。

ベトナム人登録者は2万人以上保有しており、ベトナム人の母国語による事前面談を行うため、 当該外国人のスキルだけではなく人柄や性格を把握した上で紹介してくれます。紹介後の返金制度もあり安心して利用できます。

サイトURLhttps://www.meiko-corp.co.jp/

株式会社JELLYFISH|高度IT人材に特化したグローバル採用

株式会社JELLYFISH

サービスの特徴

  • ベトナム・フィリピン・韓国に現地拠点を展開し、ベトナム現地での母国面接や語学チェックが可能
  • AI・IoT・クラウドなど先端分野のIT・機械技術者紹介に強み、即戦力ベトナム人材が多数在籍
  • 独自の日本語教育&定着支援「バベルメソッド」提供、ベトナム人の日本語能力と職場定着率を向上

料金体系

  • 個別紹介:理論年収の35%
  • 技人国:年収の 約 35 %
  • 面接会:60〜80万円

JELLYFISHはベトナム人IT人材の即戦力獲得を狙う企業に最適です。

現地拠点を活かした母国面接、本格日本語教育、内定辞退時の返金制度でリスク低減。企業のニーズに沿った質の高い人材紹介に定評があります。

サイトURLhttps://jellyfish-g.co.jp/biz/

株式会社フルキャストインターナショナル|現地で教育された即戦力ベトナム人材を提供

株式会社フルキャストインターナショナル

サービスの特徴

  • 東南アジア(ベトナム含む)現地での日本語+技能研修済み人材を紹介
  • 海外ネットワークを活用し、勤勉かつ優秀なベトナム人を選抜・紹介
  • ビザ取得から生活支援・トラブル対応までワンストップで実施

※料金は要問い合わせ(業種・職種により変動)

ベトナム現地で日本語・技能研修を行い、特定技能合格済みの即戦力人材を提供。

入国前手続きから生活・業務フォローまでトータルサポートしてくれるため、ベトナム人採用の初期導入に特におすすめです。

サイトURLhttps://www.fci.co.jp/

KosaidoGlobal(コウサイドウグローバル)|東証プライム上場グループが提供する即戦力紹介

コウサイドウグローバル

サービスの特徴

  • 特定技能・技人国の人材をアジア11カ国から紹介
  • 入国前教育付き「おまかせサービス」で来日前に日本語や業務研修を実施し、即戦力として来日
  • 年間1,000件以上の紹介実績+コンプライアンス重視体制

料金体系

  • 特定技能:月額2~3.5万円(登録支援機関委託の場合)
  • 技人国:要問い合わせ(紹介+支援パック)
  • 登録支援:TalentAsia等ツール利用で0円も可能

KosaidoGlobalは広済堂グループの信頼感と、現地教育を含む“入国前フォロー”が強みです。

特定技能・技人国両方に対応し、コスト面でも自社支援の選択肢があり、企業ニーズに柔軟に応えられます。

サイトURLhttps://kosaido-global.jp/

アイデムグローバル|ベトナム理工系人材と企業をつなぐ架け橋

アイデムグローバル

サービスの特徴

  • ハノイ工科大学との連携による高度技術人材・理系留学生の採用支援
  • ベトナム・ミャンマー・インドネシアの国内外人材を10,000名以上登録
  • 母国語対応スタッフによる入社前後の伴走型サポート&支援計画策定

料金体系

  • 特定技能:~20万円/名(税別)
  • 技術・人文知識・国際業務(技人国):50万円~/名(税別)
  • 登録支援:当該労働者ごとに申請・支援費別途(企業と相談)

アイデムグローバルではハノイ工科大学と独自連携してベトナム人の理系・高度人材を安定的に採用が可能。母国語対応スタッフと登録支援機関体制で、企業も外国人も安心できる伴走型支援が強みです。

サイトURLhttps://aidemglobal.jp/

株式会社RDグローバルリンク|ネイティブスタッフが寄り添う精度の高いマッチング

株式会社RDグローバルリンク

サービスの特徴

  • インドネシア・ネパール・ベトナム出身のネイティブスタッフが対応
  • 累計約200名以上の紹介実績、内定率90%、定着率約85%
  • 現地法人パートナーと連携し、採用〜入国〜生活支援までワンストップ対応

※料金は要問い合わせ(業種・職種により変動)

リクルーティング・デザイン社の支援を背景に持つ、ネイティブスタッフ対応が強みの実績重視型企業です。ベトナム出身スタッフとの現場密着型ケアで、企業と外国人材の双方に安心感を提供します。

サイトURLhttps://rdgl.co.jp/

アセアン・ワン|幅広い国際ネットワークで外国人材を一括トータルサポート

アセアンワン

サービスの特徴

  • ASEANを中心に15か国・24拠点で提携し、国内外のネットワークを活用
  • 採用から就労後の定着支援まで一貫してフォロー(入国・住居・日本語研修・生活支援・退職サポート)
  • 多言語対応体制を整備し、リアルタイムでベトナム語・ミャンマー語などの母国語支援が可能

※料金は要問い合わせ(業種・職種により変動)

アセアンワンではASEAN諸国における現地連携を強みに、特定技能・高度専門人材・技能実習生まで幅広く対応。

採用前から就労後の定着支援まで一貫した多言語サポート体制が揃い、企業にとっても安心して任せられる体制が整っています。

サイトURLhttps://asean1.jp/

マイナビグローバル|ベトナム人採用を総合支援する外国人材専門企業

マイナビグローバル

サービスの特徴

  • グループの海外拠点や提携先を活かし、ベトナムに限らずアジア各国の人材を採用から定着まで一気通貫で支援
  • 特定技能・技人国など多様な在留資格に対応し、在留資格申請や適性業務のマッチングをサポート
  • 成果報酬型の紹介モデルで、入社時にのみ紹介料発生。面接調整や定着支援まで包括ケア

※料金は要問い合わせ(業種・職種により変動)

マイナビグローバルは、ベトナム人材を含むアジア各国からの採用を海外拠点と連携しながら支援し、在留資格申請から就労・定着まで一貫して対応。

成果報酬型で初期負担が少なく、企業の外国人採用をワンストップでサポートします。

サイトURLhttps://mgl.mynavi.jp/

G.A.コンサルタンツ|「日本とベトナムをつなぐ架け橋」人材紹介企業

G.A.コンサルタンツ

サービスの特徴

  • ホーチミン工科大・ハノイ工科大などとの提携により、優秀なベトナム人エンジニアを紹介
  • ベトナム現地でも人材エージェンシー・通訳サービス・日本語教育など多角的支援を展開
  • 特定技能・技人国・エンジニア系中途採用など、多様な在留資格に対応可能

※料金は要問い合わせ(業種・職種により変動)

G.A.コンサルタンツはベトナムに拠点を持ち、日本語教育と選抜制度により即戦力エンジニアを提供。多国籍展開と現地密着型サポート力で、企業の外国人採用を強力にバックアップします。

サイトURLhttps://gagr.co.jp/

株式会社ヒューマンアール|おもてなし領域に強みの定着重視派遣

株式会社ヒューマンアール

サービスの特徴

  • 特定技能から技能実習・永住者まで幅広い在留資格対応
  • 宿泊・外食・介護など「おもてなし」分野に特化した実践型サービス
  • 3年後定着率40%以上の高い就業継続実績

※料金は要問い合わせ(業種・職種により変動)

おもてなし業界(宿泊・飲食・介護など)に特化し、ベトナム人材を含む多国籍バックグラウンドを背景にした派遣実績多数。

定期面談や生活支援を通じて、他社と比べて格段に高い定着率を実現しています。費用は職種やサポート範囲に応じた個別見積もりが中心です。

サイトURLhttps://human-r.jp/skill/

4.ベトナム人採用で注意すべき3つのポイント

ベトナム人採用で注意すべき3つのポイント

ベトナム人採用を成功させるためには、事前に把握しておくべき重要なポイントがあります。以下では、特に注意が必要な3つの要素について詳しく解説します。

在留資格と日本語能力の確認

ベトナム人採用で最も重要なのは、候補者が持つ在留資格の確認です。

在留資格により就労可能な業務内容や時間が大きく異なるため、採用前の十分な確認が必要です。

在留資格と日本語能力の確認

日本語能力の客観的評価

採用時には候補者の日本語能力を客観的に評価することが重要です。特に技術系職種では、専門用語の理解や報告書作成能力が業務遂行に直結します。

日本語能力の確認方法

  • 日本語能力試験(JLPT)N3以上の取得確認
  • 実際の面接での会話能力チェック
  • 業務に関連する専門用語の理解度テスト
  • 文書作成・読解能力の確認

注意点

エンジニア職の場合、技術習得に時間を割いてきた理系人材は、文系に比べて日本語能力がN3以下の場合もあります。ただし、3年程度の就労経験でネイティブレベルに達する例も多く、将来性を見据えた判断が重要です。

給与・キャリア期待値のすり合わせ

ベトナム人だからという理由で日本人より低い給与を設定することは法的に禁止されています。

出入国在留管理局の審査でも厳しくチェックされるため、必ず日本人と同等以上の待遇を用意する必要があります。

同一労働同一賃金の原則遵守

給与設定時の注意点

  • 基本給の差別的な設定は厳禁
  • 各種手当(住宅手当、交通費等)も日本人と同等に支給
  • 不当な費用の天引きは認められない
  • 昇給・賞与体系も公平に適用

キャリアパスの明確化

ベトナム人労働者は向上心が高く、明確なキャリアアップの道筋を求める傾向があります。採用時にキャリアパスを明示することで、長期的な定着率向上が期待できます。

効果的なキャリア支援策

  • 技能検定取得支援制度の整備
  • 管理職登用に向けた育成プログラム
  • 日本語能力向上支援(研修費用補助等)
  • 本国との人事交流制度の検討

母国との給与格差から過度な期待を持つケースもあるため、現実的な給与水準とキャリアパスについて採用前に十分な説明と合意形成を行うことが重要です。

ベトナム人の平均年収や賃金に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。

ベトナム人の平均年収はいくら?日本での雇用ポイントも解説
ベトナム人の平均年収はいくら?日本での雇用ポイントも解説
本記事では、ベトナム人の平均年収の実態を基に、地域別最低賃金制度や業種別の賃金相場といったベトナムの経済状況や、採用戦略に役立つ情報をご紹介します。
https://back-end.co.jp/media/contents/average-yearly-income-of-vietnam/

文化的違いへの理解と職場環境作り

ベトナム人と日本人の間には文化的な違いが存在し、これを理解せずに採用を進めると職場での摩擦や早期離職につながる可能性があります。

しかし、適切な配慮と環境整備を行うことで、これらの違いを強みに変え、多様性豊かで活力ある職場を築くことができるでしょう。

時間に対する価値観の違い

東南アジア特有の文化として、時間に対する概念が日本と異なる場合があります。「時間にルーズ」という声も聞かれますが、これは文化的背景によるものであり、適切な指導で改善可能です。

ベトナム人材への配慮のポイント

ベトナム文化への配慮

  • 就業時間や約束事の重要性を丁寧に説明
  • 段階的な指導と理解促進
  • 文化的背景への理解を示す姿勢

宗教的配慮

ベトナム人の80%以上が無宗教ですが、仏教徒やカトリック信者もいます。宗教的な制約は比較的少ないものの、基本的な配慮は必要です。

家族を大切にする文化への配慮

ベトナム人にとって家族は非常に重要な存在です。家族への送金や帰省への理解を示すことで、より良い労使関係を築くことができます。

職場環境の整備

  • 多言語での職場ルール説明書の準備
  • ベトナム語対応可能なスタッフの配置
  • 文化的な行事への理解促進
  • コミュニケーション研修の実施

サポート体制の構築

  • 住居確保支援(社宅・寮の提供)
  • 生活相談窓口の設置
  • 緊急時の母国との連絡サポート
  • 日本の生活習慣・マナー研修の実施

これらのポイントを押さえることで、ベトナム人労働者の能力を最大限に引き出し、長期的な雇用関係を築くことが可能になります。

文化的な違いを理解し、適切なサポート体制を整備することが成功の鍵となります。

5.ベトナム人採用の費用相場と手続きの流れ

ベトナム人採用の費用相場と手続きの流れ

ベトナム人採用を検討する際、具体的な費用と手続きの流れを事前に把握しておくことが重要です。採用方法や在留資格により費用は大きく変動するため、詳細を解説します。

人材紹介手数料・在留資格申請・入社までの総コスト

採用パターン別の費用相場に関して、ベトナム人採用の費用は「日本国内在住者の採用」と「海外現地からの採用」で大きく異なります。

人材紹介手数料・在留資格申請・入社までの総コスト

日本国内在住者採用の場合(総額50-80万円)

  • 人材紹介手数料:15-30万円
  • 在留資格変更申請費用:10-20万円
  • 生活支援費:10-20万円
  • その他諸費用:5-10万円

海外現地からの採用の場合(総額100-150万円)

  • 人材紹介手数料:20-40万円
  • 送出機関手数料:20-60万円
  • 在留資格認定証明書申請費用:10-20万円
  • 渡航費:5-15万円
  • 住居準備費用:20-40万円
  • その他諸費用:10-20万円

在留資格別の詳細費用

在留資格人材紹介手数料申請費用支援費用(月額)
特定技能15-30万円10-20万円2.5-3万円
技術・人文知識・国際業務理論年収の30-35%10-15万円なし
技能実習→特定技能移行0-15万円5-10万円2.5-3万円

継続的な費用

採用後も以下の継続費用が発生することを考慮する必要があります。

  • 登録支援機関委託費:月額2.5-3万円(特定技能の場合)
  • 在留資格更新費用:年1回、10-15万円
  • 各種協議会費用:分野により年1-24万円
  • 健康診断費用:年1万円程度
手続きの流れとタイムライン

ベトナム特有の手続き(DOLABプロセス)

ベトナム現地から採用する場合、DOLABが認定した送出機関を通じた特別な手続きが必要です。

DOLABプロセスの流れ

  1. 認定送出機関との労働者提供契約締結
  2. DOLABによる契約承認
  3. 求職者との雇用契約締結
  4. 推薦者表の申請・取得
  5. 在留資格認定証明書交付申請

このプロセスには追加で1-2ヶ月の期間と、10-30万円の費用が必要となります。

費用削減のポイント

  1. 自社での手続き対応:可能な範囲で申請業務を内製化
  2. 国内在住者の優先採用:渡航費や住居準備費用を削減
  3. 技能実習修了者の活用:人材紹介手数料の削減
  4. 一括委託の活用:複数業者への個別依頼より総額を抑制
  5. 長期雇用前提の投資:初期費用は高くても定着率向上で結果的にコスト削減

注意すべき隠れコスト

  • 不許可時の再申請費用
  • 早期退職時の追加採用費用
  • 文化的サポートのための研修費用
  • 緊急時の母国との連絡・帰国支援費用

これらの費用と手続きを総合的に検討し、自社の予算と採用戦略に最適なプランを選択することが重要です。

特にベトナム人採用では、短期的なコストだけでなく、長期的な人材育成と定着を見据えた投資判断が成功の鍵となります。

6.ベトナム人採用で人手不足を解決しよう

ベトナム人採用で人手不足を解決しよう

ベトナム人採用は単なる人手不足対策ではなく、優秀な若手人材を確保する戦略的投資です。

適切な人材紹介会社の選択、文化的配慮、正しい手続きを踏むことで、企業の成長を支える貴重な戦力を獲得できます。

今こそベトナム人採用で持続可能な成長基盤を築きましょう。

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記事を書いた人
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行政書士法人バタフライエフェクト
行政書士法人バタフライエフェクトは、外国人の就労ビザ取得、相談のエキスパートです。上場企業様から小規模の会社様まで、これまで10,000件以上の案件を支援。就労ビザを踏まえた外国人雇用のコンサルティングも行っており、年間実績1,500件、ビザの専門家が多数在籍しています。
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